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王老吉の中国商標戦略

王老吉は北京語で「ワンラオジー」と読む。
中国最強の飲み物ブランドです。
中国版のコカ・コーラです。

そこで、今回は、この飲み物ブランドが、中国での商標の出し方について語ります。
出願人:广州白云山医药集团股份有限公司
区分:32類
で検索すると、現在337件の商標を出しています。
「*老吉」と言う商標を何十件も出しました。*に当て嵌まるのは、「王」以外の別の姓です。「李」「趙」「劉」などなど。。。

32類商標出願状況

そこで、特に去年の2月3日に、

「*老吉」と言う商標

そこで、大半は去年の10月6日に無事登録になりました。
一部の商標は拒絶査定になっていて、現在、不服審判中です。

陳・李など拒絶査定不服審判中の案件が16件

商標的に、自社ブランドに近付けようとする業者が出ないように、真似されそうなネーミングを全部取った訳ですね。
中国ではこんな形で商標のポートフォリオを作っている会社が結構多いです。
但し、通常は他人が近付けるのを防ぐために出すだけで、自社では使ってないわけですが、今回のこの会社は面白くて、自社でも使っています。
ある意味、自分で自分の偽物を作った感じです。


「*老吉」商品

それがこちらの販売サイトです。
消費者は、自分の姓が入った飲み物を買える訳ですね。
値段も198元で、通常価格の5倍もします。

12個入りの通常価格は35元

これで、家族全員集まった旧正月とかも盛り上げれますね。

結論:
(1)模倣品対策として、周辺ネーミングまで商標確保する
(2)それらの商標を活用して、特別企画の商品を出す
(3)不使用取消対策にもなるし、値段ももっと上げれるので、一石二鳥!

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