商標業務の効率化のお話
弁理士業務の中で、商標業務はIT技術を駆使すれば、割と効率化されやすいと思います。
このように、IT技術を積極的に取り入れながら、商標業務を効率化させる業者も益々増えています。
パテントサロンの求人スクエアからみると、以下の2社は、商標業務の自動化に積極的に取り掛かりながら、低コストでサービスを提供している業者だと思います。
(1)TORERU
カンタンに安心して商標登録をしたい企業・個人のための商標登録サービス。 商標の知識がなくても、次に何をすれば良いのかのステップが現れ、そのガイドに従えば商標登録が完結する。 顧客をサポートする商標の専門家は、作業を10分の1まで自動化。機械と人間の相乗効果が発揮できるように設計されている。
この事務所のアピールをみても、作業を10分の1まで自動化していると言っています。
これは、IT技術による高度な自動化が実現できたからこそ可能だと思います。
(2)RAKUNY
IT化による事務作業の効率化
当所では、専門のプログラマーを雇用して、日々、業務の改善及び自動化を行っています。それによって、事務員の業務負担が大幅に軽減されていることから、よりスピーディーかつ低料金でのサービスの提供を実現できています。毎日少しづつでも業務を改善しておりますので、将来的には、現在よりもさらに迅速・低料金・高品質のサービスを提供できると確信しています。
こちらの2社は、日本国内のお客様からの日本商標出願を効率化させる業者です。
受託から、作業完了後の報告までの全過程を、従来型のEmailなどの通信手段を使うのではなく、全てクラウド上でログイン型で行うコンセプトです。
我々は、受託は従来型のEmailなどで受けますが、受託後の内部処理部分で、IT技術を駆使して効率化させています。
ここでは、その内部処理の効率化部分について幾つか語ります。
(1)指定商品を効率的に探し出す
メイン画面はこんな感じです。
指定商品は、毎年更新されます。その最新データは、特許庁からExcelで公表しています。
我々は、このデータを整理して、指定商品検索DBを構築しています。
例えば、「亜硫酸」の場合、
2020年までは、英語で、「sulphurous acid」だったところ、
2021年からは、英語で、「 sulfurous acid」に変更されました。
これを、EcoIPで調べてみましょう。
ご覧の通り、日本語の「亜硫酸」で検索すると、部分一致の「次亜硫酸塩」「亜硫酸」「亜硫酸ガス定量計」の3つの指定商品がヒットされ、そのうち、「亜硫酸」と対応する英語の指定商品も、しっかりと、最新の「 sulfurous acid」になっています。
例えば、「ソフトウェア」で検索すると、「ソフトウェア」を含む指定商品をリストアップしてくれるので、この中から選んで顧客に提案することができます。
(2)多言語対比表を一瞬作り出す
この指定商品についてですが、
日本、韓国、中国の特許庁は、英語をベースに自国の言語に翻訳するので、例えば、日本特許庁の場合、指定商品の英⇔日対比表を作り、韓国では、英⇔韓対比表、中国では、英⇔中対比表を作っています。
従って、例えば、中国からの外内案件とかになると、
先ず、お客様から依頼された中国語の指定商品から英語を探し出し、その英語を持って、日本語を探し出す必要があります。
これについて、EcoIPでは、中⇔英⇔日対比表と、韓⇔英⇔日対比表を作ることで、中国や韓国からの外内案件に対し、より効率的に日本語の指定商品を探し出せるようにしました。
例えば、
コンピュータソフトウェアの設計
コンピュータソフトウェアのバージョンアップ
コンピュータソフトウェアの貸与
コンピュータソフトウェアの保守
この4つの指定商品に対応する中国語を探し出そうとした時、<中→日総合>のタグで、これらを入れて検索かけると、いきなり、中・日・英の対比表が出てきます。
この4つの指定商品に対応する韓国語を探し出そうとした時、<韓→日総合>のタグで、これらを入れて検索かけると、いきなり、韓・日・英の対比表が出てきます。韓国の場合、韓国独自の類似群コードもあるので、それも出してくれます。
(3)類似群コードの比較
例えば、下記のような事例があったとします。
ここで、如何に効率的に、本願のどの指定商品が引例と被らないかを見つけ出すでしょうか?
こんな風に、左側と右側にそれぞれ本願と引例の類似群コードを入れて処理すると、
こんな結果を出してくれます。
すなわち、本願のNo.2,4,5が被っていることがすぐ分かります。
これ以外にも、
類似群コード統計や、類似群分析、指定商品重複チェックなど、
IT技術を使うと、商標調査や、指定商品選別作業を効率化させることはいろいろとできます。
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