初のフィルム現像
まだデジカメが初期の時代までフィルムからの引き伸ばしをしていた。モノクロフィルムは現像を失敗すると取り返しがつかないが、印画紙は何度もやり直して、いい感じの映像にするのが楽しかった。
今回はフィルム現像に挑戦。あの頃と違って完全なデジカメ時代。フィルム現像は高コスト。ネットではフィルムカメラを使っての映像も多く、いろいろな方の情報でやってみられそうな方法は、①長尺フィルム(缶入りのものを自分でパトローネに詰めて使う)②自家現像(薬品を使い自分で現像定着)③自家スキャン(スキャナもいいが、マクロレンズで複写し、ネガポジ反転させるのが高画質で埃などに対して楽らしい)と考えました。
少しずつ機材を揃える
まず揃えたのは③複写関連。オリンパスズイコーのマニュアルマクロレンズ50ミリF3.5、接写リング3つ(これらはヤフオクで)。そしてニコンのフィルム複写装置を入手。まずまずの映像でした。ネガポジ反転できるソフトはもっと使いやすいものを探したいです。
そして、①長尺フィルム。FOMAパン400というチェコ製フィルムを購入。フィルム装填装置も購入。空きパトローネがなかったので、とりあえずACROSS2を使いそのケースを流用することに。(今回の現像で1本空きが出来ました。)
さらに、②フィルム現像用タンクのセット、各種薬品、ボトル、温度計、フィルムクリップ、スポンジも購入。いよいよ現像できる状態になりました。
実際にやってみました
用具が揃った初めての日曜日に、まずは薬品づくりから。今回は富士フィルムのスーパープロドール(SPD)を使用。ボイラーのぬるま湯で1L分溶解。500ミリずつ容器にしまう。停止液は氷酢酸を水で薄めた水溶液、定着液はフィジフィックスを1対2希釈で、フィルム現像時に攪拌と同時進行で薄めながら準備しました。
フィルム巻き込みで苦労
次はフィルムをパトローネからリールに巻き込む作業。初めてなのに手探りの袋の中でやらなければならない。現像セットには説明なし。ネット上に載っている記事はどれもステンレスのリールに巻き上げていくもの。我が家の樹脂製の物とは違う形状だったので、なかなかうまくいきませんでしたが、途中で巻き込みガイド(フィルムを通す溝)がある事に気づき、そこから通し直して少しずつ巻いていくとうまくできました(見えないので多分)。そこまで、散々フィルムに指紋をつけたと思います。ダークバックの中は汗で蒸れ気味。夏は手早く巻かないと大変そうです。
現像・定着・水洗
現像液の水温は25度越え。冷蔵庫に入れれば、とも思ったものの、すぐ行いたかったので、水道水で1対1に薄めることで水温が下げられる、と思い早速実行。水温は20.8℃。現像時間の表では20℃で6.5分、22℃で5.5分と表示されているので、21℃なら6分だろうとアップルウォッチで6分タイマーを設定し現像開始!
今、改めて説明を読むと「1分ごとに5秒間の攪拌」と書いてありますが、実際は30秒ごとに10秒間の攪拌くらい実行していた。(ネットの何かの情報が頭に残っていたのと、なんとかなるだろう、早く現像してみたい、今回は試用だ、という気持ちが勝り読みませんでした…。)
停止液(薄い酢酸)で1分弱、塩基性から中和した後、定着液の説明には「5〜10分」と書いてあるので、とりあえず定着液に5分ちょっと浸しました。この状態まで来ると明るくしても大丈なはずなので、タンクからリールを取り出して見るとフィルムの感光していない部分はほぼ透明だったので終了する事にした。そして、水洗。リールから外す作業時、コツがわからず大変でした(リールにはきれいに巻けていました)。水に浸したせいか柔らかくなったフィルムなので尚更。
最後、フィルムを乾燥させるにあたって、スポンジで拭いましたが水滴は大量に残りました。まあ仕方ない、今回はこれでいってみようと思い、そのままクリップを錘に吊るして乾燥。2時間くらいして見てみるとたくさんの水滴痕が残ったネガができていました。次回は手抜きをせずに水滴防止の薬品を使おうと思いました。
できた写真
Zuiko50mmF3.5で複写して、特に調整もせずにポジ化した画像。現像時間等は問題なかった様子です。そんなに緻密な感じはありませんし、埃、水滴痕、グラデーション(コントラストが高い?トーンがない)など、まだまだ現像の奥は深そう(撮影の問題かもしれませんが)です。これから長く付き合って上達していきたいと思います。そういえばフィルム水洗時に息子がちょっと覗きに来て、「おーっ、そんなのが出るの!?」と驚いていました。
カメラはMinolta AL-E。このカメラも中古で入手し撮影してみて、距離計がズレている様子なのと、露出も正しいのかどうか分からないカメラでしたが(前回、カラーネガで露出も焦点もひどかった。腕のせい?)、今回は露出は大体OK、ピントはどこに合わせたんだろう?というものが多く、点検に出さないと(なかなか金額が高く難しいですが)ダメなのかな、という感想です。
フィルムカメラ、モノクロ撮影など、興味のある方は挑戦してみてください、とお勧めして終えたいと思います。長文をお読みいただきありがとうございました。