9.スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(沢北栄治、深津一成)
主人公アキちゃん、2年生設定
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完全自己満、結構大人な内容ですので苦手な方はご遠慮ください。あまりバスケに触れず健全な高校生として書いてます。誤字脱字あり。すみません。前回の続きです。
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「今日の深津やばくないか?」
スリーメンを1班10本連続オールコート、MAXスピードでこなしているのを見て野辺がつぶやく。今は河田と松本が一緒に班でまわしている。
「さっき1年吐いてたな。」
一ノ倉が息を枯らしてやっと言う。
持久力は一ノ倉が1番だと思っていた。
でも今日の深津は違う。
朝練のシャトルランも1番走っていた。
これは何かあったな。と一ノ倉が肩で息をしながら思う。
汗を手で拭って、深津を見た。
「ありゃキレてるな。」一ノ倉が呟く。
野辺が少し青ざめていた。
「明日沢北戻ってきたら殺されるんじゃないか…。」
一ノ倉が笑いながらドリンクを取りに行くのを見て野辺はやれやれという顔をした。
理屈で動けないなら、理屈通りじゃない事があったら、お前はどうするんだ、深津。
「深津もこれで動くだろ」
一ノ倉がにやりとした。
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足元が少し寒い。
目を開けると大きな腕が自分の肩に乗せられている。背中だけが人肌であったかい。沢北がぴったり私に張り付いてる。
手、おっきいなぁ。
疲労感と高揚感と、眠気に包まれながら思った。
沢北の手のひらの近くで自分の手を開いて比べてみる。
小さい頃に覚えていた沢北の手を思い出した。
私の手が動くのに気づいて、沢北が私の手を握った。
やっと仰向けになって顔だけ左に向けると、横になった沢北と目が合う。
なんだか照れ臭い。
今までの私達じゃなくなった気がする。
沢北が何をいうのか気になった。
子供みたいに目を閉じたり開いたり眠そうだ。
あんなにシーで遊んだ後、朝までするなんて。
沢北体力ありすぎでしょ。と疲れ切った顔で見つめる。
「…なに?」
沢北が寝ぼけながら私の顔を見た。
「幸せ。」
沢北が子犬みたいににっこりして言うので、笑ってしまった。
「明日深津さんに殺されてもいい」
そう言ったので、私の顔が曇る。
困った顔の私を見て沢北が頭を撫でる。
何かを言おうとしてたら、チュッとキスされた。
ほっぺにも音をたててキスされる。
きょとんとする私を見て沢北はにんまりする。
「アキ好きだよ。俺、アキが笑ってればそれでいいよ。」
嘘つき。嫉妬深いくせに。と心の中で呟く。
キスしながら薄いブランケットの中をどんどん下に潜っていく沢北。
私、沢北のペースに乗せられすぎだな。
と反省しながら、また沢北が私で遊び出す。
私が何もいわないから、体の反応で確かめるのが憎らしい。
またスイッチが入ってしまいそうな沢北と、私の体。
「も、やめよ沢北」
やっと言った私が少し体を起こして、沢北の頭を抑える。
「まだ恥ずかしい?」
そう言って全然やめない沢北。
私の声が大きくなってきたので、満足気に私の両足の間に体をいれる。そのまま私に覆い被さった。
「でもアキ気持ちよさそうなんだもん。」
そう言いながら少しずつ腰を近づけるから、私は手の甲で顔を隠した。この瞬間に慣れてきつつある。
沢北が余裕のない顔をする。
背徳感と気持ちよさでいっぱいになる。
「俺の事少しは好きになった?」
そんな事最中に言ってくるのがずるいよ。
「…沢北は、友達として好きだよ。」
私が涙目でやっと答えるのを見て、同時に手でも弄る。
沢北は悲しそうに私のおでこにキスした。
そのまま激しく動くから、私はもう喋れなくなった。
変わるようで変われない私達。
残された時間が少ないから今は満たしてこのまま、まだ足りないから。
鼓動が高鳴る。
※
3日ぶりの学校にドキドキする。
あれから、何事もなかったかのように修学旅行は終わった。
家が沢北と近いから、思い出話しをしながら
いつも通り家の前でさよならした。
不確かな相槌、沢北が私を見る目、確実に変わったのに不思議な位いつも通りだ。
そんな事を考えながら、教室の移動中に歩いていると後ろから走ってくる音が聞こえる。
沢北がアーキと尻尾を振って走ってきた。
そのまま私の肩に手を回す。
にっこり笑うので、ここ学校だからやめてほしい。と迷惑そうな顔をする。
どことなく幸せでいっぱいそうな沢北の顔を見ると無下にできなくなる。
「ん?どうした」
沢北がきょとんとしている。
「沢北ー帰ってきたかー」
その時向かい側から河田先輩が沢北に声をかけた。
にっこりしてるけど、少しげっそりしている。
その後からバスケ部の3年生達が歩いてきた。
あ、どうしよう。と少し動揺する。
手を挙げている河田先輩の横から
相変わらず無表情な深津先輩が歩いてくる。
目が合った。
河田先輩達と何にも言わずにこちらに歩いてくると、無表情で沢北の顔と私の肩を掴んで離した。
そのまま私を見ながら通り過ぎる。
今何が起きたの…?
私と沢北が呆然とする。
その様子に一ノ倉だけが少し驚いた後にやにやしていた。
「沢北今日、覚悟しておけよ。」
同じくげっそりしている松本が通り過ぎながら沢北に言った。
3年生達が通り過ぎた後、沢北はアキの携帯にでたのはやりすぎだったかも。と考えていた。
※
バスケのボールの音とバッシュの音が交互に響く。
1年生ぶりだろうか、こうやって練習をずっと眺めているのは。
深津と沢北は体育館のすみで、正座させられていた。
その異様な光景に部員の空気がまだどよめいている。
堂本監督の怒号が後を引いて、パスの返事や声出しに緊張感がある。
深津はいつも通りに見えた。
部員のメンバーと談笑しながら練習が開始された後、沢北は深津の圧をじわじわ感じ始めた。その後いつも通りではないことを察した。
その後は案の定、深津の心理戦に持ち込まれた。
沢北は深津の挑発にまんまとのった。
激しい練習の合間のファールがきっかけで、コートに寝転んだままの沢北が、自分が倒れた様子を見て通り過ぎる深津を横目に起き上がる。
倒された事がきっかけで、沢北が深津に噛み付いた。
先輩として尊敬している感情はありながら、言ってはいけないことを口走ってしまった。
「深津さん、俺に嫉妬してるんですか?」
深津が背中を向けたまましばらく静止する。
沢北がストレートに噛みついて来る事を想定していなかったのと深津自身、その単語にしっくりきていなかった。
ゆっくり振り返って沢北の前に立ちはだかる。
その様子を遠巻きに見ていた3年生の部員が違和感を感じる。
「まずい」一ノ倉が2人の元に駆け寄ろうとする。
「嫉妬する事なんかないぴょん」
「俺がアキとやったから面白くないんじゃないですか。」
少し間があった。
深津がその言葉を理解するまでにラグができる。
その後、沢北は深津の目が静かにキレる瞬間を見てしまった。
深津は沢北の胸元のビブスを引っ張る。
「…アキちゃんにやっと相手にされてよかったな沢北」
初めて深津から向けられた敵意に沢北は動揺して、その後すぐにキレた。
深津を思わず突き飛ばした瞬間、堂本監督から怒号がとんだ。
その後こってりしぼられて今に至る。
1時間程経っただろうか。
「深津さん」
沈黙の中、沢北が口を開いた。深津は何も言わずに前を見ていた。
「生意気いってすみませんでした。」
深津は意外だったのか、沢北の方を少し向く。
「意地悪して悪かったぴょん」
その後、ぽつりと言った。
声色がいつもの深津だったので沢北は心から安堵した。怒っている深津は2度と見たくない。それが本音だった。
「でもアキに先に手だしたの深津さんですよ。」
「…。」
それでもそれは気に食わないのか、沢北が付け足す。
「でも深津さんが手出さなかったら自分の気持ちに気づかなかったかも。」
「…。」
しばらく黙った後深津が口を開く。
「沢北が悪いぴょん。」
「え?」
ぐしぐしと涙を拭く沢北。
「アキちゃんが、俺のこと好きって言った沢北が悪いぴょん。」
何言ってんだこの人はと沢北が少し深津を睨む。
その後沢北は、自分がきっかけになってたのか。とため息をついた。
「俺、アキに振られましたよ。」
深津が思わず沢北の顔をみる。
沢北のすっきりした口調に、そうか。と言う。
「でも俺がアメリカ行くまで待ってくださいよ。深津さん。」
「待つ…。」
深津が言葉をくりかえす。
「何を待つぴょん。」
「アキに触んないでくださいよ。」
きっとして涙目の沢北を見て、深津は呆れた顔をした。
「それはアキちゃんが決めることぴょん。」
「…て事は深津先輩はアキのこと好きなんですね」
沢北がピーピー騒ぐので深津はため息をついた。
「沢北がアキちゃんと付き合うなら、俺は何もしないぴょん。沢北が幸せならそれでいいぴょん。」
その時沢北は、深津が自分の事を考えていたことに初めて気づいた。
深津の性格を考えれば、深津はつねにチームの事を考えていて自己犠牲するタイプだった。
「深津さん…好きです。」
沢北が涙目で正座する深津に抱きつく。
その様子を遠くから見ていた部員は心配した。
「でもそんな深津さんが、俺に意地悪するなんて相当アキの事好きなんですね。」
鼻を啜りながら沢北が言うので深津は冷たい目で沢北を見つめる。
「沢北、殴っていいぴょん?」
「深津さんて素直じゃないんですね…」
「いいから、離れろぴょん。」
深津は沢北に抱きつかれながら遠くを見つめ、考え事をしていた。