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少しだけの自分本位さ

SOTUSというタイドラマについてお話ししたいです。

ちょっとネタバレ挟むので、見てる途中の方や、まだ見てないけど見たい方は見終わってからぜひ読んでくれると嬉しいなぁと、思います。



私このドラマがとても好きで、言葉の選び方がすごい素敵だなって思うんです。
その中で特に好きなのが、エム君がメイちゃんに告白する時のセリフ。

『ずっと待ってたんだ。
    まだ待てるよ。
  ——— 俺を好きにならなくてもいい。
    ただ変わらないでいてほしい。』 

今日はこのセリフのどこが好きかを、ただただ語ります。

私、この言葉を最初に聞いた時震えたんですよね、わぁ…好きだぁ…って。
これ、私の考えにすぎないんですが、
結局恋愛って、自分本位になっちゃうところがあると思うんですよ。
日常の中の些細な事が少しずつ。
たとえば、
誰かが困ってて助けようとした時、
それが「ただのクラスメイト」か「好きな人」かで
少し気持ちが変わってくると思います。
両方とも優しさから助けようとしてるのはもちろんそうですが、好きな人を助ける時、少しだけ期待してしまう気がするんです。
もしかしたら、これがきっかけで認識してくれるかも、話せる機会が増えるかも、気になってくれるかも、好きになってくれるかも…
両想いになりたいからこそ、相手と両想いになれる可能性が少しでもある事なら全てやりたくなってしまう。
でもそれって、自分本位ですよね。

そもそも「両想いになりたい」も
自分本位な感情じゃないですか。
当たり前なんですけどね。
でも、人って恋愛(片想い)をしてる時に
そういった私欲からただ行動する節があるなぁって、そう思ってしまうんです。
きっと、私も片想いしてる時は自分本位になってしまうのだと思います。

これ、ある友達に言ったら「分からない」と言われて、ある友達に言ったら「めっちゃ分かる」って言われました。
結局、人それぞれだと思います。
その人がどう生きてきたか、どんな恋愛をしてきたか/してこなかったか、どんな人と関わってきたか。
それで全く考え方が変わって来る。
でも、それでいいと思います。

誤解しないで欲しいのは、
これが良い悪いの話ではないということです。
どちらかを肯定、否定したいわけではないんです。

ただ、私が思うのは、
恋愛(片想い)って結局、
相手のことが大好きだっていう気持ちから行動してるのに結局は、
こういう少しだけ自分本位な優しさとか考え方を
完全に消し去ることは難しいんだろうなぁって
なんかちょっとだけ
本当ちょっとだけ
悲しくなる時があるんです

だって恋愛なんて、人はみんな相手本位だってきっと言うんだろうけど、自分本位なんですよ。


「くれた優しさ」も「かけてくれた言葉」も
全部全部「あなたが私を好きになってくれたらいいのに」の裏返し。


だからこそ、このエム君の言葉、

『ずっと待ってたんだ。
    まだ待てるよ。
  ——— 俺を好きにならなくてもいい。
    ただ変わらないでいてほしい。』 


 は、「両想いになりたい」っていう
誰しもが抱いて全面に出していくであろう感情を全て無視して
ただただ “彼の優しさ純度100%” で出てきた言葉だから素敵だって思うんです。

だって言えなくないですか?
好きな人に、「私を好きにならなくてもいい」なんて。
好きな人には自分を好きにもなってほしいものじゃないですか。

エム君は違うんです。
彼は両想いを必ずしも望んでいるわけではないし、
彼女がエム君自身を好きになるように(彼女が変わるように)誘導したいわけでもない。
もし彼女が好きになってくれるなら、
その時は「彼女の意志で」好きになって欲しい。
そして、その日が来なかったとしても、彼女が幸せなら、それでいい。

彼はずっと彼女の事が好きで、ずっとずっと待ってて
でも彼女は彼の親友を好きで、それでもずっと待ち続けて
もうこれでもかってほど待ってるのに、
でも、それでも彼は
「彼女との両想い」を望むのではなく、
「彼女が変わらないこと」を望んだ。
彼にとって重要なのは
「両想いになる事」
よりも
「彼女がありのままでいられる事」
なんだろうなぁって
あぁ、本当に好きなんだなぁ、って、
思います。

本当に素敵だなぁって、こんな人に想って欲しいなぁって思ってしまいます。
こういう考え方をできる人はいたとしても、
それを実行に移せる人ってなかなかいないと思うんです。
結局は両想いになりたい欲って勝っちゃうし
抑えられない欲望だから、みんな“当たり前”って言うんですよね。
そんな皆が当たり前に抱く感情は彼も感じていたはずなのに、それを無視できる程にメイちゃんを思って、こんなに優しさだらけの言葉をかけられるエム君は、本当に素敵だと思います。

私にとっては歴代で1、2を争う告白セリフ

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