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効果の最大化につながるブランドコミュニティ設計5つのポイントとは?

はじめに

<自己紹介>
こんにちは、たむらこうへい(@oooootamm)です。
私は、これまで企業やブランドの社員×顧客のファン最大化を目指したブランデイング、マーケティング支援に従事。主にファンマーケティングの領域に携わり、企業のSNSやオンラインコミュニティの戦略策定・運用支援、リアルイベント企画・運営などオン・オフ統合型のファンマーケティング支援を行ってきました。
2022年7月TieUpsに入社。現在はコミュニティデザイナーという肩書きで、TieUpsのメインプロダクトであるカスタマイズコミュニティSNS「WeClip」を駆使した企業・ブランドのコミュニティ支援を担当しています。ファンマーケティングという文脈の中で、様々なジャンルの企業コミュニティの設計をしてきた経験からコミュニティ設計や運営についてのTipsをnoteで発信していきたいと思っております。

初回となる今回は、ブランドコミュニティを設計する際に考慮すべきポイントを解説します。

技術的な進歩によって、機能的価値での差別化が難しくなってきた現代において、顧客との情緒的なつながりを形成し、長く愛されるブランドづくりの手法としてブランドコミュニティが注目され、実施を検討されている企業やブランドが増えてきている状況にありますが、どう初めていいのかわからない、何に気をつけて設計すればいいのかわからない、どんな効果があるのかわからない
などの悩みを抱えるご担当者さまも多いのではないでしょうか?
そもそも企業やブランドにおけるコミュニティとはどんな役割を持ったマーケティング施策なのかという前提を把握して、正しいポイントを押さえた設計を行うことでより大きな成果を生み出すコミュニティを運営していくことができます。
※本記事は主にオンラインコミュニティの設計を前提とした解説となっております。※

ブランドコミュニティの役割と効果測定指標

ブランドコミュニティを運用していくにあたって、そもそも企業やブランドのマーケティング施策において、ブランドコミュニティはどこの位置付けなのか。
前提を理解した上でコミュニケーション設計をしていくことが重要です。
以下は企業におけるマーケティングコミュニケーションを整理した図です。

(出典:トライバルメディアハウス)

ブランドコミュニティは短期的に成果の出るマーケティング手法ではなく、中長期的に顧客との強固な関係性を形成すること明日の売上に繋げていくものである。
そのため、「想起率」、「好意度」、「購入意向」、「推奨意向」、「LTV」などが主な効果測定指標となる。
この前提を無視してコミュニティに適さない目標・目的を設定してしまうと、コミュニティは全く機能しません。

(出典:トライバルメディハウス)

うまくいかないブランドコミュニティの共通点

うまくいかないコミュニティの共通点として、大きく以下4点。
これらも踏まえた上で、効果のあげやすいコミュニティ設計を実施していきましょう。

・曖昧なターゲット設定、目的でコミュニティ運用を始めてしまう
コミュニティに限らず全てのマーケティング活動において、自社の課題やプロダクトの特性に合わせてターゲットや目的をしっかり設定した上で施策に落とし込んでいくことは基本である。ターゲットや目的が曖昧だと入ってくる人やコミュニケーションが全く噛み合わず空中分解していく。

・短期的に成果を出そうとしてしまう
前述でも記載した通り、コミュニティは短期的に成果を上げるための施策ではなく、顧客とのリレーションを深めていきながらLTVの向上につながる、中長期的に成果をあげていく施策であるため、その前提が理解できていないまま短期的に成果を上げようとしてうまくいかずに途中でやめてしまう。

・コミュニティ単体で成果をあげようとしてしまう
コミュニティはあくまでも顧客のロイヤリティを高め、ファンを育て中長期的に売上に繋げていく手法です。コミュニティ単体では「広がり」より「深める」という領域に強みを発揮するため、コミュニティだけで成果を出そうとせずに、これを多くの人に伝えていくためにPRと絡ませたり、他のマーケティング手法と組み合わせることでより大きな成果に繋げていくことが重要なのです。

・運用体制が整っていない
コミュニティ=ファンが自走する と、思っているご担当者も少なくないのですが、初めからそんな状態を作ることはまずできません。よく焚き火に例えられることが多いですが、焚き火は強い種火があり、その種火を仰ぐことで大きな火に拡大させていきます。コミュニティも同じでいくら熱量の高いファンがいたとしても彼らを盛り上げる風がなければコミュニティも育つことはありません。運営側がしっかりとユーザーの投稿にコメントをしたり積極的にコミュニケーションを図っていくことが非常に重要です。そのため、しっかりコミュニティをマネジメントできる体制が構築されていないとコミュニティの火は簡単に消えてしまいます。

ブランドコミュニティ設計5つのポイント

これまでの解説も踏まえた上で、企業やブランドでコミュニティマーケティングを始める際に気をつけなければならない設計ポイントは以下の5つです。

①Target(だれとコミュニケーションを図るのかターゲットを定める)

コミュニティで誰と重点的にコミュニケーションを図るのか。ターゲット次第でどんなコミュニティにしていくのかという方向性も変わってきますので、まずターゲットを明確にすることから始めます。
ターゲット設定時のポイントは以下のフィルターを通して対象者を絞ることです。

趣味趣向、価値観、ライフスタイルなどが多様化している現代社会において性別、年代でのターゲティングが非常に困難になってきています。そのため、既存か見込みか性年代などを定めた後に彼ら、彼女らの中でどんなトライブ(〜好きなど)を持った方を対象としていくかを自社の持っている特性、提供価値、文脈価値と照らし合わせながら設定していきます。

②Purpose(目的を定める)

成功しているコミュニティとは?という問いに対して、「コミュニティメンバー数が多い」「投稿数が多い」「コメント数が多い」という回答をされる方がいますが、これらは成功を図る指標でしかないと思っています。我々が考える成功しているコミュニティとは、望む目的を達成できているコミュニティです。
目的の設定次第でそのコミュニティがどこのゴールに向かっていくのかが決まってくるのでとても重要なプロセスになってきます。
ブランドコミュニティの役割と効果測定指標」で説明した通り、コミュニティは短期的な売上を上げる施策ではありませんので前提の役割を考慮し、好意度、推奨意向、購入意向、想起率などの要素を盛り込んだ目的を設計します。
例えば、「既存顧客との関係性、相互理解を深めながらブランドに対するロイヤリティを最大化させ推奨意向を高めていく」など、貴社の課題感・ターゲット特性などに合わせて目的は明確に設計していきましょう。

③Creative(ターゲットが自分ゴト化しやすいクリエイティブに落とし込む)

ターゲットにこのコミュニティに入りたいとファーストインプレッションで思わせるためにビジュアル的に彼ら、彼女らが自分ゴト化しやすい、コミュニティ名・キービジュアルを作成することが重要です。
以下は、コミュニティ名に落とし込む際のフレームです。
製品やサービスを通してブランドが顧客に提供できる価値、コミュニティのターゲット特性、コミュニティの目的、それらを踏まえてコミュニティの重心となるキーワードを設定し、コミュニティ名に落とし込んでいくことでより目的を体現しやすい土台形成につながります。

④Communication(目的達成につながる会話の切り口を定める)

設定したターゲット、目的の達成に必要な要素を分解し、コミュニケーションを設計していく。
オンラインコミュニティにおけるコミュニケーション設計とは、ブランド側から何を伝えるか?
ユーザーから何を引き出すか?という視点で、それらのコミュニケーションが生まれる土壌をトークテーマとして設置することによってコントロールしていく。

⑤Recruit(メンバーを集める)

コミュニティにただ闇雲にメンバーを集客していけばいいというわけではありません。
よりコミュニティがメンバー主導で自走しやすい状態にするためには、社内も含めた3段階に分けた巻き込みが必要。
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STEP1:社内の運用チームを編成
STEP2:関係値のある既存顧客に個別で巻き込みを図る
STEP3:公式SNSやWEBサイト、店頭から誘導
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STEP1:社内の運用チームを編成
普段は会うことのない企業・ブランドの担当者とコミュニティ内で密なコミュニケーションが取れることで「人」という軸でのエンゲージメントを高めていくことができ、それがイコールブランドのエンゲージメントにもつながってきます。
そのため、コミュニティ内で積極的にメンバーとコミュニケーションがとれる体制を社内で構築していく必要があります。
実施の背景や目指すべきゴールを社内メンバーにも伝えた上で公募で熱量の高い社員を部署問わず集めたりできると、コミュニティ内での活動においていろいろな部署の視点で捉えることができ、いろいろな角度で社内にフィードバックでき、経営やマーケテイング、商品開発などの連携が効きやすくなります。いきなり部署横断的にチームを編成するのが難しい場合は主観部署でまずは2~3名ほどで運用を開始してみてから徐々に広げていくという進め方でも良いと思います。

STEP2:関係値のある既存顧客に個別で巻き込みを図る
既存顧客の中ですでにロイヤリティーの高い顧客がいる場合は、まずはその方々をコミュニティの中心メンバーとして巻き込むことが重要です。まるっきり新規の方や見込み顧客ユーザーはブランドや製品、カテゴリーに対するリテラシーやブランドに対する想いも0からのスタートになるため、初めはアクションしてもらいづらい。
そのため、知識や熱量の高い既存顧客が中心となってその他のメンバーを先導していくような座組をはじめに構築することがコミュニティを活性化させていく土台として必要になってくる。
この際の巻き込み方は、少人数のオフラインミートアップが想いや熱量を伝えやすいのでベストですが、難しい場合はオンラインやDMでも問題ありません。

<選定基準>
・ブランド主催のイベント、キャンペーンに複数回参加してくれている(熱量が高い)
・購入頻度が多い(愛着度が高い)
・顧客歴が長い(愛着度が高い)※顧客歴が長くても直近購入日の期間が空いている場合は除外
・SNS上でブランドに対するポジティブなクチコミを投稿してくれている(推奨意向が高い)

STEP3:公式SNSやWEBサイト、店頭から誘導
企業のWEBサイトや公式SNSからコミュニティの告知を発信し、ブランド・企業を認知している方々に向けてリーチさせ、コミュニティへ誘導。
店舗を持っているブランド・企業であれば、店頭POPを掲出し、来店した顧客へのコミュニティ告知を強化していくことも必要である。

本記事のまとめ

本記事でご紹介したポイントは以下のとおりです。コミュニティマーケティングを開始する・見直す際に、ぜひお役立てください!

<ポイント>
①Target(だれとコミュニケーションを図るのかターゲットを定める)
顧客か否か、デモグラだけではなくトライブを捉えたターゲット設定を行う

②Purpose(目的を定める)
好意度、推奨意向、購入意向、想起率などの要素を盛り込んだ目的を設定する

③Creative(ターゲットが自分ゴト化しやすいクリエイティブに落とし込む)
自分ゴト化しやすい、コミュニティ名・キービジュアルを作成する

④Communication(目的達成につながる会話の切り口を定める)
設定したターゲット、目的の達成に必要な要素を分解し、コミュニケーションを設計していく。(トークテーマを設けることで引き出したい文脈、伝えたいことなどをハンドリングしていく)

⑤Recruit(メンバーを集める)
コミュニティがメンバー主導で自走しやすい状態にするためには、2段階に分けた巻き込みが必要。
 STEP1:社内の運用チームを編成
 STEP2:関係値のある既存顧客に個別で巻き込みを図る
 STEP3:公式SNSやWEBサイト、店頭から誘導

コミュニティマーケティングは、自社のファンを発見、育成、交流、共創しながら顧客のブランドにに対するエンゲージメントを高めていく手法です。コミュニティの戦略、運用、効果測定など、もしお力になれることがあれば、以下よりお問い合わせください。

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