アジアで随一の“ダリ”コレクションに会いに、福島へ
大宮駅から東北新幹線に乗って約50分、郡山駅で在来線(磐越西線)に乗り換えて約40分、猪苗代駅から路線バスで約25分。美しい景観に囲まれた裏磐梯高原に、スペインの巨匠"サルバドール・ダリ"の作品を多数所蔵する美術館があります。
スペインでダリの作品に出会い、ダリ美術館建設の夢を追い続けた諸橋廷蔵氏によって、1999年に開館した「諸橋近代美術館」です。
ここ最近、西洋美術に興味を持ち始め、何か面白い美術館ないかなぁと検索していた時に目に入り、その建物と景色に惹かれて「行きたい場所リスト」に入れていた場所です。
雪深い場所なので冬期は閉館していて、4月下旬より2024年の展示が始まりました。
開館25周年、シュルレアリスム宣言より100年という節目の展示は、そのものズバリの「サルバドール・ダリ展」。ダリにもシュルレアリスムにも詳しいわけではないけれど、好奇心に背中を押され、訪れることにしました。
敷地内には小川が流れ、奥に一階建ての美しい建物が見えてきます。建物の前には睡蓮の浮かぶ池があり、お天気にも恵まれて山や木々が綺麗に映り込んでいます。
お庭の景色を楽しんだ後はいよいよ建物の中へ。池に面した窓から光が入り込み、彫刻作品を美しく照らしています。手前の扉から壁の奥側に入ると絵画作品のエリアです。肖像画や風景画など初期の作品から、柔らかい時計が描かれた誰もが”ダリ”とわかる作品まで、ダリの作品の幅広さを感じる展示でした。
光の射す彫刻ホールに戻ってくると、そこには20を超える作品が展示されています。窓の外には磐梯の美しい風景、中には煌めく作品たち。この美術館にどれほどの思いを込めたのか、と設立者の熱意をひしひしと感じました。
それほど大きくはない空間ですが、映像作品などもゆっくり見ていたら、2時間近く経っていました。
併設のカフェでひと休み。オリジナルブレンド「モロビ」は好みの濃い目でとても美味しかったです。
外に出てお庭をゆっくり散歩していたら、ヒゲベンチを発見!あちこちにダリへの愛情を感じます。
美術館の案内にはこう書いてあります。
そして今でも蒐集活動を継続しているようです。
今回、何十点ものダリの作品が展示されていたのですが、これほど同じ作者の作品を一度に観たのは初めてだったと思います。柔らかい時計のほか、蟻や引き出し、貝、松葉杖など特徴的なモチーフを見つけたり、その違いを比べたり、こういう楽しみ方もあるんだなぁと新たな発見がありました。
そして最近気になっているデ・キリコやミロの作品も観ることができてまた一歩、西洋美術への興味が深まりました。
次はどこに行こうかな。