中小企業診断士(一次試験)②自己紹介・中小企業診断士とは
エリート外資系コンサルではない、会計士でもない、野良のコンサルタントの経験が経営コンサルティングの国家資格・士業に通用するのか。自己紹介と中小企業診断士という資格について解説しつつ、得意科目のアドバンテージとなった経験について触れます。
前提
自己紹介
仕事はコンサルタントを名乗っています。ほぼ個人経営の会社を所有しており、直請けで経営コンサルティングや教育サービスの提供をすることも(夜職でバイトをすることも)ありますが、生計を立てているのは仲介会社を通した客先の代替社員の仕事です。
業界外の方へ説明すると、フリーのコンサルタントという言い方をしている人の多くはこの代替社員という働き方で、実質的には派遣社員のような形で、よその会社のプロジェクトに参画しています。
派遣社員との違いは、その多くは大企業の専門職・中間管理職相当のポジションである(一般的には正社員より、見た目の報酬はやや多めです)こと、プロジェクトが終了したらお役御免であることです。
なお、同じコンサルタントでも、独立して顧問契約を複数社と結んでいるような方は「独立してコンサルティング事業をしています」「コンサルティング事務所を経営しています」というような言い方をすることが多い気がします。
さて、中間管理職相当の職種も近年は細分化・専門化されており、僕はビジネスサイドPMOとか、スクラムマスターと呼ばれるポジションに就いています。ただ、どんな呼ばれ方をしていても、業務内容はわかりやすく中間管理職そのもの。客先では、業務の仕組み化と人間関係の仲裁ばかりやっています。ホストやってて良かった。
中小企業診断士とは
端的に言えば、経営コンサルタントの資格であり、それなりに難易度の高い国家資格・士業のひとつでもあります。ただし、経営コンサルタントは誰でも名乗ることができますし、中小企業診断士にしかできない仕事はありません。そのため、中小企業診断士は士業の中ではマイナー資格です。
ちなみに「中小企業」診断士というと、中小企業の専門家というイメージを持たれる方が多いと思いますが、試験内容は企業の大小に捉われない知識が99%です(中小企業経営・政策という科目もありますが、内容は中小企業白書や補助金に関する知識ですので、大企業の経営戦略でも直接的・間接的に必要な知識です)。実際に中小企業診断士の大部分は会社員、中でも大企業の管理職の方がほとんどです。
経営コンサルタントという職種が広く知られるようになった今では、やや分かりづらい資格名になっていると言えます。
ではなぜ中小企業診断士になりたいのかは、また別の機会に。
本題
前置きが長くなりましたが、僕には中小企業を対象とした経営コンサルティングの経験はあります。
しかし、いわゆる大手を振って「コンサル」を名乗れる、大手外資系コンサルティング会社出身であるわけでも、会計士などの資格を持っているわけでもありません。そんな自分の力がどこまで通用するかは疑問がありました。
結論としては、野良のコンサルの経験は大いに役立ちました。得意領域によって得意科目は異なると思いますが、最低2・3科目は余裕を持って受験できるように思います。
ただ、7科目は本当に多いです。2年間、科目合格を持ち越せる制度は本当によくできているなという感想です。
得意科目のアドバンテージとなった経験
全体として、ペーパーカンパニーでも、ご自身で中小企業の設立・経営の経験がある方、経営コンサルティングの経験がある方は非常に有利です。
…と、自分のことなので書くまで気づかなかったのですが、エリートじゃないからといって、こういうドンピシャな経験のある方も多くはないのかもしれませんね。
とはいえ、結果として座学以外の経験、それも履歴書では評価されづらい部分が知識として生かせる懐の深い試験なので、今までやってきたことを形にして、次のステージに進みたい方には非常にお勧めです。僕はまだ、二次試験もありますけれど。
経営法務
自社の総務はひととおりやっているので、法人登記や経営やサービス運営に関わる基礎的な法律は理解していました。中小企業の経営・サービス運営に実際に関わっている方はかなり有利です。
財務・会計
10年前に受けた簿記は3級すら受からず、財務諸表の読み方も知りませんでした。ただし、自社でMoneyForwardと全力法人税で確定申告を行っていたので、いつの間にか財務の理解は進んでいたように思います。
企業で経理職の経験や、簿記会計の学習経験がある方は言うまでもないですが、法人の確定申告をご自身でされている方は理解が速いと思います。
経営情報システム
こちらも旧基本情報技術者試験には受からず、現在のITパスポートも参考書を見て難しそうだと感じていたので、苦手意識を持っていました。
ただ、ITを利用した業務には関わっており、資格もITILファンデーションとスクラムマスターを保有していたので、実は相当有利だったのかもしれません。受験時は難しかったと感じましたが、それでも7割取れました。
プログラムや設計書が書けなくても、ITを利用した働き方をしている方なら、かなりのアドバンテージがあると思いました。
企業経営理論
分かりやすくマーケティングの知識なので、一度は勉強したことのある知識でした。曲がりなりにも市場調査・経営コンサルティング・組織管理指導の経験があったので、ほぼノー勉です。
経営コンサルタントを名乗っている方なら、実務経験がそこまで豊富でなくとも十分対応できる内容だと感じました。
苦手科目の勉強法については、以下の記事に記載しています。
働きながら学習する生活リズムについてはこちらの記事をどうぞ。