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感覚器官の衰えを憂いてはいけない

異質なものへの憧れの喪失

歳とともにノイズやカオスに弱くなった。
若い頃は、異質なものに憧れ、異質なものにこそ、自分の知らない「真実」が隠されていると思ってた。

ところが、加齢とともにガサガサしたり、ザワザワしたりするものを見てみぬフリをするようになった。

おそらくだが眼をはじめとする感覚器官の受容域が狭くなってきたのだと思う。

そんな話をすると果てしもなく後退した自分を嘆いているようだが、実はそうでもない。

雑味に弱くなるということは、本質だけを見ようとする欲望が強くなったとも言えなくはない。

強がりかもしれないが、生きていて最近がいちばん楽に暮らしているように思える。感覚器官の劣化はそうそう悪いものではなさそうだ。


撮影 / TIDY

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