【くすぐりを目撃した話②】
僕には2歳年上の兄がいた。
僕が小学生の頃、兄はサッカー部に入っていた。
土日は基本午前中は部活で学校へ行っていて、昼頃に帰ってくる。
毎週そんな感じだったのだが、帰りにはいつも決まって部活メンバーのカツヤという年中日焼けしていて肌の黒いイケメンの男も一緒にうちにきていた。
カツヤはいつも白ソックスを履いていて、部活帰り後なので足の裏の形がくっきりと分かるくらい汚れていた。
僕は小学生ながらにその汚れて黒ずんだ足の裏の匂いを嗅ぎたい。そしてくすぐりたいという願望に囚われていた。
そして、それは簡単だった。
僕が決まってゲームをしていると、またマリカやってんだ。俺もやりたいと言って無理や混ざってくる。
その時に小学生の子供という特権を利用して、
カツヤの膝を枕にして寝転んで、足の裏の匂いをドサクサに紛れて嗅いだり、何かある度に足をこちょこちょとくすぐっていた。
カツヤの足の裏を強烈に臭くて、カツヤがあぐらをかいでいて、その膝に寝転んだ時は、足が近くになるので、当然匂ってきて、
足を延ばしていて、太ももくらいに頭を載せ寝転んだ時でも、匂いがしてくるくらいに臭かった。
そして、くすぐりにも弱く、ちょっと足の裏をスーっと指でなぞるだけで、
反射的に反応してやめろ!やめろ!と言って足を引っ込めていた。
しかし、僕がやっていたのはそれくらいで、本格的に長時間カツヤをくすぐる事はできなかった。
そんなある日、チャンスが訪れた。
その日はたまたま同じ兄を含めてサッカー部5人くらいが家に来て何やら王様ゲームのような事をしていた。
僕はそれを遠くから眺めていた。
最初は他愛もない罰ゲームで、3番と4番が間接キスをするとか、そんな事だったのだが、
5回目くらいの時にそれは訪れた。
王様になった中の一人が、4番の人を全員で5分間くすぐる!というお題を出したのだ。
それでみんなが5分はきついってなど、顔を顰めていた。
僕はその時にカツヤに瞬時に目を向けた。
カツヤも顔を顰め、俺くすぐり弱いからマジ嫌だ、と言っていたのだ。
そして、4番が誰か・・・いう話なのだが・・・
その時やっていた王様ゲームは少しオリジナル要素を入れているようで、
別のゲームをして優勝者した人が王様になり、罰ゲームを言う。
そして、その後、番号の入ったクジを引く・・・という順番にしており、
そのため、王様が罰ゲームになるパターンもあるという事で、
これから今まさに4番の人が決まるところだった。
僕の中では兄の友達はみんな割とイケメンなので、誰がくすぐられてもそれなりに嬉しい
(個人的には兄も日焼けしていて小柄で割とくすぐりたいと思っていた・・・我ながら変わっている存在だと自負しているww)
ただ、そんな中でもほどよく筋肉がついていて、ほどよくやせ型で、足が臭くて、一番日焼けしていて黒いカツヤがくすぐられて欲しいと思っていた。
僕は5人に近づいて、近況を見守りながら、心の中で神様に願った。
お願いします!!どうかカツヤが4番を引きますように!!
すごくすごく強く願ったのを今でも覚えている。
そして一人ずつ引いていく。
まずは一人目・・・・2番
僕は心の中で歓喜の声を上げた。
そして二人目・・・5番
僕は更にガッツポーズをした。
そこで残りの三人はやばいやばいやばい!!!と声を上げ、カツヤもマジかよ!!本当、俺はいやだ!!!と叫んでいた。
そのカツヤの様子に僕は興奮していた。
次に兄が引いた。
兄は1番だった。
僕は心の中で良くやった!!兄貴!!と呟いた。
そして残りは二人。3と4だけで、1/2の確率でカツヤが罰ゲームになる。
ちなみに残った二人は僕はこの5人の中で一番くすぐりたいと思っていた二人だったので、この時点でどちらかがくすぐられるのが確定していたので、
僕は既に心がドキドキの高鳴っていた。
もうじきどちらかがくすぐられるという興奮が身体中を駆け巡っていていた。
そして、二人は同時にクジを引いた。
僕はカツヤに目を向け、4番を当てろ!!と心で祈った。
そして、カツヤは紙をめくり、表情を一瞬でこわばらせた。
「うわぁぁぁぁぁ!!最悪だ!!!」
と大声で叫んでいた。
僕の願いが神様に届いたのが、見事で1/5を引き当てて、カツヤが5人からくすぐられる事になったのだ。
みんなも大声を上げ、喜んでいる。
カツヤだけがこれからくすぐられる恐怖に絶望感を感じ、
他の4人と僕は嬉しさで雄たけびを上げていた。
「じゃあ、さっそくくすぐろうぜ」
と言って、カツヤを横で寝転ばせていた。
そして誰がどこをくすぐるか、となった時に、
カツヤが誰か時間を図る人が必要だろ!と言い出した。
カツヤは少しでもくすぐったさから逃れたいようで、一人でもくすぐる人を減らそうとしていた。
兄たちの動向を見守っていたが、
兄たちも確かに・・・じゃあ誰かタイム測る人にする?という話し合いを始めたので、
僕はすかさず声を上げた。
「僕が時間測っててあげるよ」
すると兄は確かにそうだた、と言って、すんなり僕が時間係になった。
カツヤはなんでだよ!!くすぐるの4人もいらないだろう、と言っていたが、誰もその言葉に耳を傾けるものはいなかった。
やはりくすぐりフェチとしては、3人から6本の手でくすぐられるのと、4人から8本の手でくすぐられるのは全然違うので、
我ながらこの時の僕の機転の働きは素晴らしかったと思っている。
そして、僕はストップウォッチの代わりに自分の携帯を取り出した。
そこで僕は一つのアイデアが浮かんだ。
時間を図るんじゃなくて、動画を撮れば良いんじゃないか。
そうすれば・・・後で見返せるし、時間も表示されているから、時間も図れる!!!
カツヤがこんな大勢からくすぐられる事なんて、一生に一度あるかないかだし、絶対にそうするべきだ、と思い、僕はすぐにカメラモードにして構えていた。
その時に兄たちはそれぞれどこをくすぐるか決めていたようで、脇と足の右と左でくすぐ担当を決めたようだった。
そして、脇担当の一人が手でこちょこちょとカツヤにめがけてジャスチャーをしていた。
カツヤはそのジャスチャーだけで、くすぐったいのか、くすぐったさを思い出しているのか、既に笑っていて、もう無理、もうだめ!!と言いながら、頑張って腕を伸ばし、脇を開けようとしていたが、どうしても既にくすぐったいみたいで、身体が拒否反応を示し、腋が閉じられていくようだった。
その光景も素晴らしく、僕は動画を撮り始めていた。
そして、兄がじゃあやるか。。。と言って、
僕にスタートと言ってというので、
僕はじゃあ、いくよ!!と言った。
そこでカツヤはこの直後にくすぐったさが襲ってくる恐怖を感じたようで、
「あぁぁぁぁぁぁぁぁあぁああx!!!!」
と大声を上げていた。
そして、僕はスタートと言った。
カツヤの脇腹、脇の下、足の裏に8本の手が伸びて、こちょこちょとくすぐったさ。
カツヤは一瞬で顔をぐちゃぐちゃにして、笑い声を上げていた。
カツヤ「ぎゃっはっはっはっは~ダ、だめ~~~~!!!マジ、無理!!!!くすぐってぇ~!!!お・・・お願い・・・やめ・・・て・・・」
僕はカメラ越しにカツヤがくすぐられている姿を見て興奮が収まらなかった。
イケメンで絶対にアイドルにもなれるくらいの整った顔がくすぐったさでくしゃくしゃになっているのだ。
目はグっと閉じ、鼻には皺がより、口は大きく笑い、
全身くすぐったそうに悶えていた。
そして何より素晴らしいと思ったのが、くすぐってる側の兄たちだ。
カツヤは割と筋肉がほどよくついていて、くすぐったくて暴れたら、しっかりくすぐれないんじゃないかと危惧していたが、
兄達は腕や足を全身の力を使って抑え込み、くすぐっているため、
カツヤはくすぐったさの拒否反応で、身体中をグネグネ動かし、どうにかくすぐりから逃れようとしているが、それを完全に阻止していたのだ。
くすぐりフェチじゃない兄達からするとカツヤのくすぐられている反応が見たいわけじゃなく、くすぐって友人を苦しめている事が面白いから、ただ必死にくすぐる事だけに専念できるのだろう。
そのため、僕は一番良い特等席で、カツヤのくすぐったがっている顔や、くすぐられている身体を眺めながら、動画を撮る事ができた。
カツヤはくすぐったすぎて、顔を真っ赤にして僕の名前を呼び、
「〇〇!!頼む!!助けて!!」
と懇願してくるので、
僕はいやだよ~と言って、少しがら空きになった首などをくすぐった。
すると首のくすぐりも効くようで、首をギュっと閉じて、くすぐったそうにしていた。
僕はカツヤの今の感想が知りたくて声をかける。
「カツ兄ちゃん!!どこが一番くすぐったい?」
するとカツヤは笑いながら答えた。
「あはっはっは~ぜ・・・ぜんぶ・・・くすぐってぇ~よ!!!あと何分だよ!!!」
と言ってきた。
時計を見ると、既に1:30を過ぎていた。楽しい時間は早すぎる。あとたった3:30しかこの光景を見る事ができないのかと思うと悲しかった。
そこで僕は
「まだ1分だよ!!」と言った。
「まじかよ~!!!あと、4分も絶対無理!!耐えれん!!!息ができん。死ぬ!!!マジで死ぬ!!!一回止めて!!!本気で!!!まじで!!!」
とカツヤは悲願して叫んだ。
しかし、兄達はくすぐりの手を止める事なく言った。
「大丈夫!!!確か息止めは20分以上のギネスがあるはずだから、20分息止めてても死なないから」
と笑いながらに言っていた。
「ぎゃっはっは~本当に!!!本当にダメ!!!マジで!!!マジで!!!ちょっと止めて!!!一回だけ!!!本当にお願い!!!」
すごく懇願するので、兄たちは2分の段階でストップしてしまった。
兄「なに?どうしたの?」
4人はくすぐられすぎてへとへとになったカツヤの顔を見つめて言った。
カツヤの額には汗が少し出ていて、カツヤははぁはぁと肩で息をして少しずつ声を発した。
カツヤ「はぁはぁ・・・まじで無理。本当に死ぬ。ガチで息できない。俺、本気でくすぐりダメみた。・・・お願い!!他の罰ゲームにするか、これで終わりにして・・・」
兄たちは顔を見渡した。
どうやら兄達もカツヤの本気で苦しんでいる様子を可哀想に思ってきたようだった。
僕はだけど、それでもくすぐりを続けて欲しいと願っていた。
カツヤにもっとくすぐったさを与えてやりたいと思った。
しかし、決めるのは僕ではないから、兄達の様子を見守った。
兄は僕に何分経った?と聞いてきた。
時計では2分も過ぎていた。しかし僕は1:50と答えた。
友人の一人が言った。
「まだ半分も言ってないじゃん!!」
「でも、5分はさすがに長いよ!!次復讐されるかもしれないぞ」
「まぁね。じゃあ、これで終わりにする?」
「ん~、」
と悩んでいるようだった。
そこで僕は口を開いた。
「じゃあ、簡単なくすぐりにすれば良いんじゃない?足の裏をスーってくすぐるとか優しいくすぐりは?その代わり笑ったらダメって感じにすれば良いじゃん!!!」
カツヤ「マジ無理だって!!今もまだ全身くすぐったいもん。本気で無理!!!」
「でも罰ゲームだしな。無理な事をしないと楽しくないじゃん!!」
そう一人が言った事で、じゃあ、一旦やってみるか、という事になった。
カツヤは本気で嫌だ、と懇願したが、辞退した自分に非がある事も分かっているようで、嫌がりながらも渋々従っていた。
カツヤは靴下を脱ぎ、足を延ばしていた。
その足の裏を兄がくすぐろうとしていた。
それでルールも変わり、30秒笑わずに耐えたらこれで罰ゲーム終了という事になっていた。
そして、スタートした。
もちろん僕はまたタイムウォッチ係なので、カメラをカツヤに構えた。
カツヤ「なぁ、〇〇。10秒経ったら10秒って言ってな」
僕は頷いて、スタートした。
兄は日焼けして黒いカツヤの足の裏を人差し指の爪でスーっとくすぐった。
カツヤは最初ドキっと反応していたが、目をギュっと閉じて、歯をギュっと噛みしめて「ん~ん~」と声を漏らしながら必死に笑わないように耐えていた。
これはこれで凄く最高だった。
人体は足の裏や脇腹をくすぐるとくすぐったがるようにできている。
そしてくすぐったいと笑うようになっている。
その身体の構造を必死で押さえつけようと苦しんでいる姿は最高だった。
20秒経っても、カツヤは必死に我慢し続けていたので、
兄は足の裏を5本の指でこちょこちょし始めた。
最後に兄もカツヤを笑わせようと必死のようだ。
手の5本の指をくねくねとさせて、どうにか足の裏からくすぐったさをカツヤに与えようとしていた。
しかし、カツヤも20秒耐えたのだから、ここで負けたくない!!あと10秒耐えるだけだ!という気持ちなのだろう。
更に目をギュっと閉じて、笑いに必死に耐えていた。
25秒経過!!
そして5秒はカウントダウンを取った。
5、4、3、2、1・・・で終了した。
終了と同時にカツヤは上半身を倒れさせ、床に寝転んだ。
カツヤは目をギュっと閉じたままで
「あぁぁ!!マジくすぐったかった!!こんな地獄初めて!!」
と言っていて、困った顔をしていた。
ちなみにその日以降、僕がカツヤの足をくすぐると今まで以上に敏感になり、
「ダメだって言ってんだろ。この前、俺くすぐりで死にかけてただろ!!」と言われる日々が続き、その言葉が聞きたくて、それ以降も僕はカツヤをくすぐり続けた。