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読書感想文『スター』朝井リョウ

読書感想文は苦手です。どうも、たっすです。


言語化が苦手でnoteを始めた僕が読書感想文が得意なわけがないんですよね。

そんなこと言っても得意にはならないので、読んだ本はしっかりとアウトプットしていきましょう。

てことで、朝井リョウさんの最新の小説『スター』の感想を書きつつご紹介していきます。


元々朝井リョウさんの小説は何度か読ませていただくことがありました。

今回知ったきっかけはまさにこのnote!

発売前から朝日新聞、そしてnoteで物語の1/3を無料公開されてました。
まんまと読み進めていくとどっぷりはまっちゃい気づけば購入して最後まで読んでました(笑)



そんな朝井リョウさんの最新作『スター』をご紹介していきます。


先に言っとくと超おすすめです。


最近知られてきたオンラインサロンやクラウドファンディングを活用する描写を交えつつ、誰でも主役になり、発信者になることができる中での作品の“価値”ってどこなの?という問いをくれる、今生きていく上でとても考えさせられる作品でした。



これ以降はもう少し詳しくあらすじをご紹介しつつ、メインは読書感想文なので、ところどころのシーンを抽出するので、絶対ネタバレやめてくれぇぇ!!という方はお控えください。



あらすじ

主人公は2人。立原尚吾(たちはらしょうご)と大土井紘(おおどいこう)。

大学時代、映像サークルで活動していた2人が共同で監督を務め、映画を製作し、映画祭(第38回ぴあフィルムフェスティバル)に受賞したところから物語が始まる。


慎重派で、作品の細部まで徹底的にこだわる尚吾。
感覚派で失敗を恐れずにどんどん新しいことを取り入れていく紘。

この2人が大学卒業後に映像制作という分野の中でも別々の道を歩きだす。

幼少期に最も影響を受け、憧れていた映画監督の下で働く尚吾と、Youtuberの映像編集を担う紘。


誰でも発信できる世の中になり、時代が大きく変化してきた現代で、作品の“価値”はどのようにして図られていくのか。

プロとアマチュアという境界が曖昧になった今、『スター』とはどのような人間なのか。

尚吾と紘がそれぞれ苦悩を重ねた先に、行き着く答えはあるのか?


そんな感じだと思います(笑)


感想

早く読めば読むほど現代に刺さる。そんな“いま”を描いている小説だと思う。

限られた上映館にしか映画を配給しないことで陥っていく資金難、Youtubeでの広告収入を得るための戦略、クラウドファンディングでの資金調達、オンラインサロンを駆使した小さなコミュニティで共感できるもの同士が集まる様子。

物語で出てくるお金の流れや働き方は、今まさに問われている“現代の働き方”を再現しつつ、それらについて作者自身も考えながら読者にも問いかけているのではないかと感じた。

尚吾と紘、お互いが映像作品を届ける立場となるが、それぞれが現実世界の誰もが陥る可能性のある問題に直面していく。

憧れの映画監督、鐘ヶ江監督の下で働くこととなり、質の高い映画製作に携わらせてもらうも、なかなか自分の作品を発信できないでいる尚吾と、Youtuberの動画編集者として週に4日5日とかなりの頻度で発信できる立場にいながらも徐々に自身が求める作品を作れなくなっていった紘。


この2人の比較の他にも、2人に関わる多くのキャラが受信者が求める作品と自分が発信したい作品をどのように答えにして自分を納得させて世に出していくか。最後の最後まで問われるこの作品には僕もとても考えさせられた。


特に尚吾の彼女、千紗が尚吾に放ったセリフが刺さった。
「星は本来☆という形をしてないのに、皆が☆という形を答えだと思っている。これからは自分が見える星の形を発信し、そう見えた人同士がコミュニティを作っていく。それぞれが見える星が答えになる時代になる」
(多少の間違いあるかも)

個人的な解釈だが、このセリフには誰もが発信できる時代で誰もが受信する時代。その中で発信者がどれだけ考えて作品を作っても、人によっては見え方は変わってくる。だからこそ自分と同じ価値観(星の形)を持った人を見つけ、その人たちにとっての“最高”を提供していくことが大事になるんじゃないかと伝えたかったと思う。その考えに大いに共感させられた。


今の時代に、全員に刺さる作品を提供することは不可能で、受信者一人一人にゆだねられる世の中に質の高さや価値はすでに判断できなくなっているしもっとなってくると思う。


その中で発信者が何を基準に作品を作って発信していくのか。そんな問いかけをこの小説を通して作者が問いたかったのではないかと感じたとともに、僕は受信者が選ぶ世の中になってきたからこそ、選んでくれた受信者とともに作品を作り、そこから小さな輪を広げていく。そうやって自分が思う作品の質、価値に共感してくれる人とともにコミュニティを作っていくことが求められているのかなと感じた。


それでも答えは全く出ていない。ラジオやSNSで発信している立場だからこそ、誰のために作品を作り、どう感じてほしいのか。自分が発信した作品が誰のどこに刺さっているのかをより考え、再考して発信していく。答えが見えなくてもそうやって前に進むしかないのだろう。



以上


読書感想文ってこんな難しかったっけw


もうやだ。


でも苦手な言語化するにはいい取り組みやったんでまたします。

アドバイス・ご意見いただけると嬉しいです。


それではまた明日。

#100日後に成長するたっす  26日目
朝ルーティン成功
朝5:00起床、だいぶ慣れてきた!

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