初めての彼氏 2
全然意中になかった、背の高い3つ年上のSくん。
友達に言われるがままに告白すると、なんとも言えない返事が返ってきて、付き合う(?)ことに。
付き合うと言っても、ほぼデートをすることはありませんでした。
毎週木曜日の8時に、電話をかけるだけ。
別に会えない距離ではありませんでしたが、ワタクシ、バス代になるようなお金をほ持っていませんでした。
木曜日にかけると、まずお母さんが出ます。
Sくんは塾からまだ帰っていないことも多く、なぜか私を気に入ってしまったお母さんと1時間くらいおしゃべりをして電話を切ることもありました。
Sくんとはイベント会場で知り合ったのに、イベントに興味があったのは、私が最初に気になった子の方で、Sくんは漫画やアニメに全く興味がありませんでした。
私がその頃気になっていた話題といえば、漫画とアニメくらいしかなくて、電話はほとんどあまり話すこともなく。
ほぼほぼお母さんとしゃべってました。
ちなみに、なぜかSくんの電話の内容はお母さんが把握してました。(いつも電話口の後ろにいたらしい)
Sくんに聞いたところによると、Sくんの好みは年上、大人っぽい彼女が欲しいそう。
年齢よりも遥かに年下に見える私は、付き合ってもアウトオブ眼中だったわけです。
毎週、なんとも言えない世間話をして電話を切りました。
デートした記憶がない……
お母さんは私を気に入ってくれていて、ホテルのイチゴフェスタに行こう、今度お買い物に一緒に行こう、と言ってくれましたが、Sくんから「デートしよう」という言葉を聞いた記憶がありません。
そして、いつその恋が破局を迎えたかすら覚えていません。
別れて2年後、高校1年生のときに、たまたま同じ塾に通っていて、Sくんと、最初に気になった子と会ったことがありました。
でも、特に何も話した記憶がありません。最初に気になった子とは結構しゃべった記憶があるのに。
Sくんと会ったのはその数回だけだったんですが。
後日も後日。
私が結婚して娘を産んでから、私の住んでいたアパートの近くのファミレスに行ったら、なぜかSくんが働いていました……
一浪して入った薬学部、どうなったん??
向こうも気づいたみたいでしたが、会話はしませんでした。
初めての彼氏とは、こうして終わりました。
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