正解の選択肢
大手半導体メーカーを辞めてはや12年かー。
はやい。。。
そのころ小学生だった子が、若手社会人という時間か...
新卒で入社した会社では、研究開発本部で半導体微細化の研究をしていた。電子立国日本の余韻がまだ残っている中で、世界最先端の技術開発をするということに魅かれたんだけど、その後徐々に半導体は国際競争力を失い、部署を閉鎖することになり、最後は会社まで無くなってしまった。
その会社のみならず日本の半導体産業全体が競争力を失ってしまい、大量の半導体技術者がリストラされた。その過程で、一流大学で博士号を取った技術者でも行き場を失って苦しむ姿を見聞きするにつれ、まだ若手だった僕は、半導体微細化の技術者というキャリアに希望を持てなくなって、より需要の高そうなほうへ職種、所属といったポジションをずらして、市場価値を高めて生き残ろうとした。
その結果、今では技術者からも半導体製造からも遠いポジションに来てしまった。
そのころの同僚も、同じようにポジションを変えて生き残りを図った人もいれば、同じ仕事を続けることを試みた人もいる。
超久しぶりに昔の同僚と会うと、同じ仕事を続けている人は、昔とほとんど変わりがなく、とても懐かしくなる。
仮に合併後の会社でずっと同じ仕事を続けていたら、しばらく給料も低く、リストラ続きで厳しい状況で仕事をすることになったかもしれないが、時代は一巡りして半導体市場は空前の活況となり、会社も業績が復活したので結局それほど悪くなかったかもしれない。同じ半導体の仕事で外資や海外への転職という選択肢を選んだ人もいるし、半導体一筋でもキャリアを積み上げてそれなりのポジションで活躍できたかもしれない。
変化に対応して自分を変えていくのが大事とか、衰退産業から成長産業へ行くべきとかよく言うけど、一概にそうとも言い切れないかもしれない。
一方で、ずっと同じ開発をしていたら、今のように幅広いものを見て、色々なビジネスモデルを検討するような機会も得られなかったかもしれない。
まぁ、何が言いたいかというと、人生で何が正解の選択肢かというのは誰も分からないということです。
どっちかいうと、選んだ選択肢を正解にしていくということが一番大切なことですよね。
僕も何か決断する時に、割と周りを見て「選んだ選択肢は正解なのか」を確認したくなるところがあるので、自戒を込めました。まぁ、周りを見てもそんなの分からんよということで。
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