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経産省AI人材開発プロジェクト「AI QUEST2020」の振り返り

4か月に渡った経済産業省の人材開発プロジェクトのAI QUEST 2020を修了しました。
 2か月ずつ計2つのAIコンサル案件を模したケースのプロジェクトを行い、AIモデルの精度と、経営層向けの最終プレゼン資料の評価を競うという形式でした。
 本業の業務をそのまま反映してか、2つのプロジェクトいずれも、AIモデルの精度は凡庸→最終プレゼンで盛り返す(それぞれのプロジェクトで2位、5位)というパターンになりました。本業と家庭に時間を割かれたのもありますが、ある意味進化がなかった。。。
 このプロジェクトを通して気付いたことをいくつかあげます。
1.AIモデル作成は経験より学習力:AIモデル開発に熟練したエンジニアが少なかったということもありますが、ランキング上位層でも、初学者や学生が珍しくないという印象でした。中には、AI QUESTが始まってからAIモデルを触ったという方もいらっしゃいました。かなり短期間でKaggleのコードやウェブの他の情報源を見てキャッチアップされた方が多い印象を受けました。特に機械学習の技術情報はオープンで、ウェブ上にコードや教材が山のように転がっています。このようにオープンでかつ日進月歩の世界では、多少の経験より学習能力が何より重要なのかもしれないと思いました。
2. 学習におけるコミュニティの重要性:短期間で成績を伸ばした方は、毎週開催されていた交流会に積極的に参加して他の参加者から情報を得ている方が多いと思いました。私は用事があってほとんど出られなかったのですが、毎週出られている方とは、情報の質も量も歴然とした差がありました。コミュニティで学習を進める効率の高さは、他の分野でも応用できると感じました。
3.AIを使用したアプリケーション開発の敷居低下:今回は通常のプロジェクトのほかに実際の企業との協働プロジェクトがあり、そちらに参加していた方もいらっしゃいました。そちらの発表も聞いたのですが、本業を他に持ったチームで2か月という短期間で実施したプロジェクトにも関わらず、それなりの精度を持ったAIをウェブのアプリケーションに実装したチームも現れてびっくりしました。もちろんプロトタイプの段階の話ではありますが、それでもそれなりの機能のAIアプリケーションを手弁当で開発できる時代になったというのは、本業のほうでも考えなくてはならない要素だと思います。

 上記は私が個人的に感じたことですので、他の参加者はまた別の感想をお持ちだと思います。
 前述のように私は交流会にはほとんど出られなかったので、あまり他の参加者と頻繁な交流は出来ませんでしたが、中にはすごく熱心にコミュニティに参加された方もいて、SlackではAI QUESTへの熱い思い入れのコメントが多数見られました。

 今後、日本でAIに関わりたいという方がいらっしゃったら、このコミュニティに参加してみるのもよいと思います。AI QUEST2021が企画されることを楽しみにしていましょう!

最後に関わられた経済産業省、ボストンコンサルティンググループ、SIGNATE、そして参加者の皆さんお疲れさまでした。


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