今からでも3月に間に合うぞ!「チベスナ的企業研究」
皆さん、お久しぶりです。チベスナです。
今回は前々から出すぞ出すぞとアナウンスしておりました、
OPENWORKを使った
今からでも3月に間に合う「チベスナ的企業研究法」
を公開させていただきます。
行動の早い24卒の皆さんは、そろそろ企業研究も佳境に入り、エントリーする企業を絞りつつある頃かと思います。
一方、チベスナは初めてインターンに行ったのが3年生の12月。
1月なんてまだまだ企業研究もほとんどできていない状況でした。
正直、就活に出遅れた私でしたがOPENWORKや就活会議など、就活系のクチコミサイトをフル活用することで、日系大手メーカーのマーケティング職確約での内定を獲得しました。
今回は、チベスナが就活期にやった企業研究法と、実際に弊社に入社して感じた社内における制度設計と、弊社への従業員のクチコミを対比させた上で、OPENWORKをいかに企業研究に活用するかをご説明させていただきます。
「企業研究って何したらいいかわからない・・・」「とりあえず説明会に行けばいいんでしょう?」と思っているそこの貴方、ぜひご一読いただけますと幸いです。
1.企業研究、無駄多くないですか?
いきなり喧嘩売りました。ごめんなさい。
さて、みなさんがやってる企業研究ってどんなやり方でしょうか?
僕の周囲に多かったのはこんなやり方です。
①とりあえず行きたい業界を自分の好みで選ぶ
②行きたい業界の有名な企業の採用ページや募集要項を見る
③その企業の就活口コミサイトを見る
④説明会やインターンに参加、OB訪問
⑤ESを書く段階で過去の通過ESやIRなどを見る
さて、これをみて、「いやいや、もっとしっかり調べてるよ!」という方もいらっしゃれば、「私、募集要項しかみてなかったわ・・・」って方もそれぞれいらっしゃるかと思います。
もちろんこの企業研究法は非常に無駄の多いやり方だと思います。
さて、何が問題でしょうか。一緒に見ていきましょう。
2.企業研究とは「掘ること」
ちなみに僕はノンケです。すみません、即刻話を元に戻します。
企業研究とは、すなわち「掘ること」です。
ここには2つの意味が含まれています。
1つは「発掘すること」です。
日本には大企業だけで1万1000社、中小企業を含めると400万社ほどの企業が存在します。(令和元年経済センサス-基礎調査より)
おそらくみなさんが知っている企業というのは、その多くが大企業にカテゴライズされる企業でしょうし、大企業カテゴリであってもみなさんが聞いたこともないような企業も多く含まれていることでしょう。
自らが興味を持つ業界や職種に関連しているにもかかわらず、存在を「知らない」企業というものは純粋にエントリー機会の損失に繋がってしまいます。
いかに優秀な人材であっても、エントリーしなければ入社することはできませんよね。だからこそ、自分が興味を持つ業界、職種に関連する企業は極限まで網羅しておきたいところです。
だからこそ企業研究においては、数多ある企業の中から「今まで知らなかったけれど、ここなら入りたい!」と思える企業がどれだけ見つけられるかというものが、自らの手札を増やすという意味でも非常に大切になってくるわけです。
「発掘する」ことにはさらに就職活動において別のポジティブな効果があるのですが、そちらは後ほど解説させていただきます。
2つ目は「掘り下げる」ことです。
当たり前のことですが、企業は自社の採用ページや募集要項においては「ポジティブな情報」しか掲載しません。
例えば、写真は某運送系企業の募集要項ですが、
「モデル年収例」なるものを記載していますね。
では、果たしてこのモデル収入を実際に得られている社員はどれほどいるか・・・となると限りなく0に近い人数でしょう。(もちろん0ではないでしょうが)
モデル収入であればあくまで一例でしかないので、表記そのものには労働法上なんら問題とはなりませんが、企業によっては募集要項そのものに嘘を書いている、もしくは、実態と募集要項が乖離している・・・ということがままあるわけです。
よくあるのは給与や有給休暇、平均残業時間といった、学生が企業を選ぶに当たって非常に重視する項目において実態と乖離した表現を行う場合です。
下写真は某ベンチャー企業の募集要項です。
初任給水準は非常に高いですが、基本給は74%・45時間分のみなし残業が26%と記載されており、大卒で計算すると、基本給は210,900円、みなし残業代は74,100円となります。さらに、45時間を超える時間外労働については割増手当を別途支給と記載がありますね。
では、この会社のOPENWORKでの評価を見てみましょう。
この場合、完全に見なし残業代が割増比率より低くなるので労働基準法違反です。なんなら、特別条項つき協定を結んでいない限り、45時間以上の残業そのものが労働基準法が定める残業上限を超えています。
企業側の考え方としては「45時間分の固定残業代を支給しているのだから、労働基準法上の割増賃金は問題なく支給している・・・」ということなのでしょうが、実際45時間を超えた残業が発生している時点で超過分の残業代は相違いなく支給されなければなりませんし、45時間以上の残業を強いる業務マネジメントが行われているということにもつながります。
さて、マイナビでこちらの会社の平均所定残業時間を見てみましょう
ぴったり月平均30時間です、あり得ませんよね。
すなわち、募集要項やナビサイトのデータのみを解釈すると
「平均残業時間30時間なのに45時間分の見なし残業代を払ってくれる優しい会社」ということになるわけです。もちろん実態は大きく異なります。
企業側が発信する情報は、あくまでその企業にとって都合の良い情報でしかありません。もちろん、実態に反する募集要項の記載は法的にも問題がありますが、やはりそうした企業には入らない・関わらない方が効率的な就活という観点では良いでしょう。
効率的に企業の取捨選択をするためにも、その企業を「掘り下げる」ことが大切なのです。
3.企業研究の手順〜発掘編〜
「チベスナはん、ようわかりました。ほなどない企業研究したらよろしおすの?」
チベスナは春にメーカー・エンタメ系の管理部門(専門職)・夏にマーケティング職と職種軸での就活を行なっていました。そんなチベスナの企業研究手順はこちらです。
①業界地図で興味ある業界の動向と主要企業の立ち位置を確認
②ナビサイトの検索機能で業界・職種関連企業のリストアップ
→大まかな企業リストの作成(百数十社)
③募集要項確認(募集要項の段階で選択肢から外す企業も多い)
④OPENWORK・就活会議・ENライトハウスなどで各社の掘り下げ(労働法違反や企業倫理そのものに問題がある場合、自分の軸からズレている場合に選択肢から除外)
→エントリー企業のリストアップ
⑤企業の財務・IR情報の確認(業界地図とリンクさせ、ES・面接対策)
⑥再度OPEN WORKの確認。特に「組織体制・企業文化」や「働きがい・成長」「強み・弱み・展望」はしっかり読んでました。
+α OFFER BOXなど、オファー型就活サイトなどで職種確約オファーがきた場合に別途リサーチ
といった手順です。
なぜ業界地図をはじめに読むのかというと、その企業の施策が業界全体の潮流なのか、はたまた、その企業の独自路線なのかを明確にするためです。
例えばトヨタの面接で、「御社はEV(電気自動車)に注力しており・・・」って言ったら「いやそれ自動車業界全体の潮流・・・」となるわけです。それなら日産でもホンダでもいいですよね。
業界地図を読んだのちに企業の方向性を見ることで、企業の立ち位置と目指す方向を明確にすることができますし、そこに共感できるか否かこそが、社風に対する向き不向きであるとも感じますし、その方向性と自らの志望理由とを結びつけることもできるわけです。
しかし、業界地図にも大きな欠点があります。
それは掲載されている企業が超大企業やニッチトップ企業に限定されているという点です。
そういった、企業をサーチするツールとして、私はナビサイトの検索機能を活用していました。
業界さえ固まっていればエリアや職種、規模を指定するだけで当該職種の募集を行っている企業がリストアップされます。
例えば、食品系のマーケで休みがしっかり取れる首都圏の会社・・・であれば
このように選択し、検索をかけると・・・
こんな感じでリストアップされるわけです。もちろんナビサイトに広告費を支払いしている企業が優先的にリストアップされるため、その見極めは必須ですが、知らない企業を発掘するという観点では非常に効果的なサーチ方法だと思います。
さて、ここまでリストアップできたら、各社の募集要項を確認していきましょう。
さて、一例として某企業(察しいい人はわかりそう)の募集要項を挙げさせていただきました。見ればわかる小売系・店舗系の募集要項ですね。
まず、初任給から確認しましょう。
月給 4年制大学卒247,000円、大学院卒257,000円
(ともに東京、大阪、神奈川勤務独身者地域手当39,600円含む)
すなわち、大卒基本給としては207,400円ということになりますね。
さて、シフト休採用で年間休日が117日ということは、年間勤務日数は248日
すなわち1日あたりの基本給は207,400×12÷248=10,035円 時給換算すると1,300円にも満たない・・・ということになります。
すなわち、休みや勤務地は不定・基本給は低め・家賃補助が初任給に内包されて嵩上げされている(しかも首都圏勤務以外は支給されないか、支給額が下がる。)・賞与比率が基本給に対して高く不安定・・・という見方ができるわけです。
ポジティブな見方をすれば、「賞与が6ヶ月分も出るなんてなんていい会社なんだ!」となるわけですが、賞与は「何ヶ月分か」ではなく「基本給に対して×何ヶ月分か」で判断すべきですよね。
このように募集要項の段階で足ぎりすべき企業も数多く存在するわけです。基本的に募集要項に書かれている内容は、「その社においてマックス考えられる厚遇」であると解釈するのが無難でしょう。
さて、ここまでで「ここなら受けてもいいかな?」くらいの企業リストが揃うわけです。ここからはいよいよOPENWORKを活用した「掘り下げ」のフェーズに入っていきます。
4.企業研究の手順〜掘り下げ編〜
さて、OPEN WORKを活用した「掘り下げ」を行っていくわけですが
OPENWORKを読む前に絶対に把握しておかなければならない点が2点ございます。
①OPENWORKに対し、企業が好意的な口コミを社員に投稿させることで採用マーケティングに利用している可能性(待遇に対し異様に評価が高い企業などに見受けられる)
②投稿される評価(星)は定量的な評価ではなく、投稿者の主観で投稿されており、他社の評価と比較できない。
①はOPENWORKの評価システムがあくまで主観評価であるという点を活用し、自社の評価を高めるために、採用部主導、もしくは経営層主導で従業員に対し自社に関する好意的な口コミの投稿を促すと言ったものです。
ちなみにOPENWORKの社員口コミには代表取締役が書き込みしています。めっちゃポジティブな評価かつ、アグレッシブなメンバーを募集しているとの強強メンタルぶり、非常に見習いたいですね。
このように、OPEN WORK含め就活系口コミサイトはは必ずしも中立でないこともあるという点は考慮すべきです。ただ、企業側成分100%の会社説明会や募集要項、それに準ずるOB訪問に比べ、中立的な意見が汲み取りやすいという点で口コミサイトは閲覧すべきであると感じます。
②は、あくまで評価(星)は各社員の主観でしかないという点です。
たまたまニトリとGUがわかりやすかったので比較します。
ニトリの待遇面での満足度は3.2
GUの待遇面での満足度は3.5となっています。
しかし、平均値としては残業時間はGUの方が長く、有休消化率についてもGUの方が低く出ています。さらに回答者の平均給与を比較すると
ニトリ499万円 GU487万円
と僅差ですがニトリの方が給与としては多くなっています。
より詳細に見ると
ニトリの方が給与としては年功序列で昇級幅も大きいのに対し、GUは40歳でも給与テーブルの上限は800万円であると推察できます。
データのみを読み取るとニトリの方が厚遇であるにもかかわらずどうしてこのような待遇に対するねじれが生じるのでしょうか?
原因は2つ、1つ目はGUがファーストリテイリングの完全子会社であり、ファーストリテイリングが一括で採用した総合職が含まれているという点です。
ファーストリテイリングは実力主義で若手に対しても昇給幅が非常に大きいこと・住宅補助が充実していることで有名です。故にGU勤務初年や二年目でも待遇面でのアドバンテージは非常に大きいのでしょう。
2つ目は、待遇面での満足度とは「自らの業務に対して満足できる待遇かどうか」でしかないという点です。非常に主観的ですよね。
そう考えた時に、依拠するのは自らの業務量・内容です。業務量が多く、やりがいもなければ相対的に待遇は恵まれていなければいい評価はできませんし、逆に業務量が適正でやりがいを感じられる環境であれば、まあこの業務量ならこの程度もらえてたら満足かな・・・と高い評価を出してしまうわけです。
すなわち、適正な業務マネジメントや人事評価制度が機能していない会社ほど待遇面での満足度という観点でいえば低い評価になるわけですが、本人の希望と会社のマネジメントが一致していない場合だってありますよね。実はニトリであれば非常に高頻度での配転制度が存在します。部署移動が納得できる人であれば満足に働けるのでしょうが、そうではなかった場合それに見合った待遇が得られなければ満足度としては非常に厳しい評価にならざるを得ないわけです。
こうした自身の希望・自己評価と、会社のマネジメント・評価のブレがそのまま口コミに反映されてしまう点は考慮しなくてはなりません。
さて、それでは詳しいOPEN WORKの見方についてご説明させていただきます。
チベスナ的OPENWORK活用法を簡単に説明すると
①社員による会社評価(レーダーチャート)は「形」を見ろ!
②口コミは「絞り込め」!
③平均年収はあくまで「払いの良さ」!
④退職検討理由で「褒められる」会社を選べ!
この4点に尽きると思います
5.企業研究の手順〜OPEN WORK編〜
さて、早速チベスナ的OPENWORK活用法をご説明させていただきます。
①社員による会社評価(レーダーチャート)は「形」を見ろ!
これはその昔、チベスナが就活垢をしてた頃にOPEN WORK公式さんからもご評価いただいた活用法です。(過去ツイ遡ってください)
社員による評価(レーダーチャート)の多くは以下の四つの形に分類されます。
1.全方位型(外資系・超厚遇企業に見られる理想的形状)
特徴:あらゆる評価基準において数値が高く、理想的なホワイト企業
例)Google Salesforce 伊藤忠商事 デロイトトーマツなど
2.ホームベース型(日系大手のホワイト企業に見られる形)
特徴:法令遵守意識が異常に高く、待遇面の満足度も高い割には人事評価の適正感や20代成長環境が低く、組織そのものが硬直化している企業
例)日立製作所・三菱商事・パナソニック・(トヨタ自動車・SONYは全方位型に近いホームベース型)など
3.逆三角形・ダイヤモンド型(やりがい重視のベンチャー企業に見られる形)
特徴:社員の士気と20代成長環境が非常に高い。一方で待遇面での満足度、人材の長期育成が低く、業務量や内容に対して待遇面で追いついておらず、人材回転率の高い企業に多く見られる。
例)オープンハウス レバレジーズ データXなど
4.無個性型(小玉型)
特徴:何も特徴がなく全ての評価基準が低い。思考停止した日系企業や非成長産業の企業、同族企業など社内のマネジメントが機能していない企業に多く見られる。
例)TOYO TIRE ワタミ 夢真など
いかがでしょうか、多少の形のズレこそあれども多くの企業が分類できるのではないでしょうか?
では実際に適当な企業の社員評価を分類してみましょう
こちらは半導体製造装置のディスコという企業です。
みていただきますと待遇面での満足度が非常に高く、法令遵守意識も非常に高いですが人事評価の適正感が低く、ホームベース型に分類されます。
実際口コミを見ると人事評価制度はあまり効果的に活用されておらず、典型的な日本企業のような人事制度となっていますし、待遇面での評価が高い(回答者平均年収は886万円)のも頷けます。
こちらはデータX(旧フロムスクラッチ)という企業です。
こちらは綺麗な逆三角形となっていますね。残業時間が非常に長い一方で待遇面での満足度も低く、人材の回転が非常に早い企業であるということが推察されます。
このように、グラフの形状から大まかな社風と企業の制度設計を一眼で読み取ることができるというのが「形」で見るメリットであると思います。ぜひ、効率的な企業研究の一助としてご活用いただければと思います。
②口コミは「絞り込め」!
さて、OPEN WORKの口コミ機能には非常に便利な「絞り込み」機能があります。
なぜこれを活用すべきかというと、入社後にみなさんの満足度に直結するのは配属先の環境であるからです。
具体的に説明すると、メーカーであれば技術職もいれば営業職もいて、管理部門にも社員がいますよね。もちろん社として画一的に休暇制度や福利厚生、評価制度を運用している場合もあれば、部署単位で運用している場合も多いわけです。
すなわち自らが志望する部署や職能に絞って、検索を行わないと、将来自らが身を投じる環境を適切に把握できないわけです。
そうしたニーズに応えるのが、この絞り込み機能です。
例えば、この会社の開発として入社したい!と考えるのであれば
このように絞り込めば良いわけです。
こうした適切な絞り込みによって得られる知識は、入社後のギャップを埋める作用もあるため適切なサーチを心がけると良いと思います。
③平均年収はあくまで「払いの良さ」!
OPEN WORKでも他の就活サイトと同じように「平均年収」を記載しています。
しかし、回答者がどのような評価をうけ、いくら給与を得ているのかを画一的に集計しているわけではありませんし、弊社の口コミをみていると手取り年収を記載している人など、正確な集計が行われているとは言い難い状況です。
ただ、母数としてはある程度の人数が稼げているため、あくまでその企業の「払いの良さ」を比較する指標として判断するのが良いと思います。
④退職検討理由で「褒められる」会社を選べ!
これは本当に大事なことだと思います。
やはり、隣の芝生は青く見えるもので自らが所属する企業よりも他の会社の方が魅力的に映る場合も多々あります。
特に自らが企業に対して持つ不満が業界構造的なものである場合などは尚更です。
ある種、転職ハードルが下がりつつある現代においては退職そのものは仕方ないものであり、大切なのは、退職者から見ても評価される何かがその企業にあるかどうかだと思います。
やりがいを求める人にとっては大企業のルーチンワークや人事制度は耐えられないものでしょうし、ワークライフバランスを求める人にとってはベンチャー企業の画一されていない人事制度ややりがい偏重の社風は耐えられないものがあるでしょう。
誰もが満足できる企業などこの世には存在しないのです
だからこそ、自らに合う企業を「発掘」し「掘り下げる」ことが求められるのだと考えます。
このNOTEを読んでくださった皆さんが、少しでもご自身に合った企業を見つけられることを切に願って、筆を置かせていただきます。
それでは、がんばりましょう!
チベスナ