シェア
泣いているこどもは 湯気が立っていて かわいい匂いがする 抱き締めて 頭に鼻をくっつけて く…
なでなでしてよ そんなところじゃなくて ちゃんと頭を なでなでしてよ 優しくなでなでしてよ …
気が遠くなるほど 恋をしてしまったとき いや 言い換えよう 特定の 誰かに 欲情してしまったと…
楽しいはずの デートの帰り 彼が たぬきを轢く たぬきはこげ茶と黒が入り混じった体毛で 牙…
とどがいます 打ち上げられました 寝ています どこにも行けません 助けて なんて頼まない とど…
眠っている こいびとの背中に 字を書く 油性マジックで 大きく書く わたしの名前を書く そっ…
くまさんはひとりでした 森の中 誰にも出会いませんでした 花咲く森の道 くまさんは ひとりでした 孤独なくまの気持ちは 孤独じゃないくまには けしてわかりません ある日森の中 くまさんはおじさんに出会いました おじさんはとてもやさしくしてくれて 「くま牧場へ行こう」 と 誘ってくれました そこはくまがたくさんいるところなので 寂しくないからと くまはくま牧場に行きました そこには確かにくまがたくさんいました でもくまは やはり ひとりでした おじさんは嘘をついたのでは
わたしの体は わたしのモノ 夕方からお出かけして ラーメンと青島ビールを二本 ひとりで飲み…
夜 知らない住宅街を 自転車で走っていたら なんだか怖くて 気がついたら みんなが家の前に座…
こぽこぽと音がする 静かなカフェに きつねと たぬきが やってきて コーヒーを 飲みたいと 言…
あれから どれくらいの時が過ぎたのかなんて 思い出せないけれど わたしは夜の11時頃 仕事帰り…
留学生のアントワーヌは フランス人だけど英語も話す でもわたしはどっちもあやふやで アント…
その場所は小さな木造モルタルのアパートで たぶん1980年代のどこかで建てられたもの 疲れてい…
黄色い線までお下がりください 下がってますよはいはい 車掌さんいつもありがとう 風の強い夜 電車は黄金色に煌々と輝き 静かにわたしの前に滑り込む ドアが開く 乗らないでいると 後ろにいたひとたちが次々 わたしの肩を押して 電車に入っていく みんないってしまった