子どもが入院!付き添いは何歳まで?〜厚生労働省の調査では小学生までが7割
子どもが保育園から頻繁に病気をもらってくるのは、共働きの忙しい親御さんにとって大きな悩みです。また、万が一入院することになったら、その時の付き添いについても不安ですよね。
今回は、子どもが病気で入院する可能性に備えて付き添いの必要性や準備すべきことをまとめました。
果たして、子どもが入院した時、付き添いは必須なのか、何歳まで必要なのか、入院時の心配事について、厚生労働省の実態調査の結果をもとに検証していきます
子どもの入院、付き添いは必要?何歳まで?
厚生労働省の統計から、実際に付き添いをしているのはどんな場合なのか、付き添いをしたときの子どもの年齢など、実態を見てみましょう。
家庭の事情によっては、仕事を休めなかったり、他の家族の世話が必要だったりと、入院する子どもにだけ付きっきりになることが難しい場合があるかもしれません。
万が一、自分の子供が入院することになって、付き添いをするか迷った場合の参考になるでしょう。
子どもの付き添いの必要性
子どもの付き添いが必要な理由は、なんといっても患者(子ども)の精神的な負担を軽減するためです。病気やけがで弱っている小さな子どもが家族から離れて1人で病院に何泊もするのは、子どもにとっても家族にとっても不安なものです。
調査資料(入院患者の家族等による付添いに 関する実態調査概要について - 厚生労働省)では、患者・家族の側から付き添いを希望した場合と、病院の側から依頼した場合とでその時の状況が整理されています。
患者の精神的な負担が強い場合の他、上位の3つを占めているのは容態の急変が考えられる場合と知的障害がある場合です。
年齢を問わず、いつ急変するかわからない状況では片ときでも離れたくないですし、知的障害がある場合は、さらに病院とのコミュニケーションにも負担がありますので、家族がより添うほうが子どもにとっても病院にとっても不安の軽減につながります。
付き添いは全体の70%が小学生ぐらいまで
次に、調査資料(入院患者の家族等による付添いに 関する実態調査概要について - 厚生労働省)から、付き添いをしている子どもの年齢を見てみます。
下の図の右のグラフは、付き添いをしている家族に聞いた、付き添いをしている患者の年齢を表しています。
内訳では1歳未満が最も多く、その次が3歳未満、全体的には小学生までの付き添いで約70%を占めています。
小学生ぐらいまでの子どもには父親、母親、あるいは親族など誰かが付き添っている実態が読み取れ、一般的には小学生ぐらいまでは付き添いが必要とされていると言えるでしょう。
事情があって付き添いができない場合
子どもの入院の際、家庭の事情でどうしても付き添うことができないけれど、必ず付き添いをしなければならないのでしょうか?
答えはノーです。
原則的には医療従事者以外の人が看護をしてはいけないことが以下のように規定されています。しかし、実態は患者の負担や不安を取り除くために付き添いが行われていることが一般的です。
事情がある場合は付き添いを断ることが可能なのです。
子どもの入院に付き添うときの困りごと~実態調査から
子どもに付き添った経験のある家族の当時の心配事、困りごとについて実態調査(入院患者の家族等による付添いに 関する実態調査概要について - 厚生労働省)の結果を見てみましょう。
心配事や困りごとにどう対処すればよいのか、筆者の経験も交えて触れていきます。
十分な睡眠がとれない
体調の悪い子どもに24時間付き添う場合は、子どもの機嫌や体調の変化に気を配る必要があり、自分のペースで睡眠を確保することが難しくなります。
また、いざ眠ろうとしても、付き添い者用のベッドが必ずしも確保されるわけではなく、ぐっすり眠れない場合があるからです。
筆者の場合、24時間付き添いではありませんでしたが、夜に子どもを寝かしつけ、眠ったことを確認してから帰宅するようにしていました。
夜遅くに帰宅した後にもまだやることがあってすぐに寝ることもできませんので、十分な睡眠をとることが難しかったです。入院が2週間と長かったため、夫や義母の協力を得るなどして乗り切りました。
入院期間が短期であれば耐えられるかもしれませんが、長期になる場合は他の人と交代するなどして十分に睡眠を取るようにしたいものです。
他の家族の世話ができない
入院している子ども以外にも兄弟がいる場合や介護が必要な家族がいる場合、入院の付き添いにかかりっきりになると病院から離れられなくなり、他の家族の世話ができなくなります。
筆者の下の子が産まれたばかりの頃、上の子が3日ほど検査入院をしました。
下の子にはアレルギーがあって粉ミルクが飲めなかったので、数時間おきに帰宅して下の子に授乳する必要がありました。
病院のスタッフに相談し、帰宅して不在にしている間はボランティアスタッフに付き添いをお願いして乗り切りました。
1人で全部のことはできません。解決方法はひとつではありませんので、周囲の人を巻き込んで話し合い、ベストな解決策を選択しましょう。
付き添い者自身の体調管理
付き添いをしている人は、入院している子どもや病院の都合に合わせて行動しますので、食事や休憩を自由に取りにくい状況になりがちです。
少しの空き時間にコンビニエンスストアで買ったおにぎりやパンを食べておしまいだったり、時には食事を抜いてしまったりすることも。
睡眠も不規則になっていますし、一日中病院にいると横になって休むことも容易にはできないために、付き添い者自身も体調管理が難しくなります。
体が弱ってしまうと免疫力が落ちて、付き添いをしている人自身も病気になってしまうリスクがあります。付き添いを1人で背負うのは極力避けて、家族で交代できるとよいですね。
どうしても難しい場合は、病院に看護をお願いすることを検討してもよいでしょう。
その他の困りごと
ここまでに取り上げたもの以外にも困りごと、心配事は沢山あるかもしれません。
筆者の経験から、特にお伝えしておきたいことを2つピックアップします。
常に人の目があり気が休まらない
実態調査の中にありますが、筆者の経験でも非常に精神を削られました。大部屋に入院した際は、第3者の目が気になってリラックスできる時間が全くないからです。できるだけ家族や病院スタッフと協力して休む時間を確保するようにしましょう。
働くことができず経済的に不安
仕事を持っている場合は仕事を休まなければなりませんので、有給休暇があっても使い切ってしまうと収入が減ったり、場合によっては仕事を辞める決断をするケースもあるかもしれません。
経済的な不安を感じたら、1人で抱え込まずに家族や行政に相談しましょう。
付き添いがあれば子どもは安心、でもできる範囲で大丈夫
子どもの入院と付き添いについてポイントをまとめます。
・0歳から小学生ぐらいまでは付き添いがあると安心である
・付き添いする人は、生活リズムが不規則になるため体調管理が難しい
・付き添いする人は、交代で休んだりリラックスする時間をとることが大切
・どうしても付き添いができない場合は付き添いをしない選択もできる
・できるだけ一人で抱え込まずにまわりに相談しよう
小さな子どもにとって、慣れない入院時に付き添ってくれる人がいれば安心ですが、付き添いをする父親、母親、ご家族にとっては精神的、肉体的につらいものです。
しかし、子どもが一番安心するのは、信頼している人が元気でそばにいてくれることです。
決して1人で抱え込まず、困ったときには家族や周囲の人たちに頼ってみましょう。
参考文献:入院患者の家族等による付添いに 関する実態調査概要について(厚生労働省)