『黒いお化けちゃん』。
暑いので、夏はハチ公バスによく乗ります。
先日もいつものようにハチ公バスに乗り、席に腰掛けたら後ろの席に座っているパパと娘ちゃん(推定3歳くらいかな?)のお喋りが聴こえてきました。
パパと娘ちゃん、2人のバス時間。娘ちゃんはとても可愛い声で一生懸命、何かパパとお話ししています(ちびっ子なので、話の脈絡が繋がらず全体的には何を話しているのか他人の私は知るよしもなく可愛い音が鳴っている、程度でした…笑)。パパはそんな娘ちゃんのお話をよく聴いて絶妙な相槌を返しています。
ほ、微笑ましい。
そんな『可愛い』しかない世界が私の背後で繰り広げられていたので、私もほっこりした気持ちになりながら日傘を畳んでホッと一息ついたとき。
娘ちゃんが、
『ねぇパパ、あそこに黒いお化けちゃんがいるよ‼︎ ねぇ、見える?』
…とハッキリした口調で、しかも大きな声で言い出しました。
さっきまでのたわいのない会話が一変。
しかも私が落ち着いたとたんの出来事だったので
私「え? まさか気の緩んだ私から何か黒いものがわらわらわら〜っと湧き出しちゃってる?」
…と不安になり、オーラを引き寄せ、足元まで下げて閉じ…と思わず自分のエネルギーワークをする始末笑。
すると、お父さんが優しく呑気な声で
「えー、どこどこ? 見えないよ?」
…と。すると娘ちゃん
「ほら、あそこ! 黒いお化けちゃんが立ってるよ。黒いお化けちゃん、お迎えきてねーだって」
パパさん
「え?お迎え…笑? でも、もうここには戻ってこないから、また今度ねって言って」
2人のそんな優しい会話が耳に入ってきたので、どうやら黒いお化けちゃんはバスの外にいるらしいとわかりちょっと安心する私笑。
娘ちゃん「うん。でも、黒いお化けちゃんは待ってるよーだって。おもちゃいっぱい持ってきてねーだって」
娘ちゃんがそうパパに告げたとき、私の脳内では「娘ちゃんキデイランド(←バスのルートにあるおもちゃ屋さん)にパパを誘導か! 黒いお化けちゃんは、キデイランドまでの布石か!」と勝手に盛り上がっていたら
パパさん「えぇー、おもちゃが欲しいの〜?」
…とパパさんが笑って、2人の会話が途切れたところで私はバスを下車。
その後、2人がどんな会話を繰り広げたのかはわかりませんが、とにかくバス車内にいる数分の間に『黒いお化けちゃん』という可愛いくてちょっぴりダークなワードを鬼のように耳にした出来事でした。
わりとお喋りができるようになる2〜3歳くらいから小学校低学年くらいまでのちびっ子は“見えないもの”に対する感度が高いまま成長する子もいて、そうした子どもたちは『見える世界/見えない世界』の境界が曖昧で、曖昧だからこそ『見える世界/見えない世界』の区別なく自分が見たままをお話することがあります。
もちろん、その精度は100%ピュアで一切混じりっけ無し!なものもあれば、子どもだからこそ子どもらしい思惑や演出が入ったりするので、幼い子ども達が話すこと全てが100%の純度だとは限りません。
だからこそ。あのパパさんのように、強い否定や肯定をせず優しく呑気に見守ってあげるのが大人の正解なのかなと思いました。
強い否定をされれば萎縮するし、強い肯定をされたらその期待にもっと応えようとして演出がひどくなっちゃったりするので。ね。
とはいえ。
黒いお化けちゃん、私の中ではこんなイメージ↑で伝わってきていたので(右の白いモコモコが、黒色となった黒モコモコver.をイメージしていました)、あの会話の顛末がちょっと気になっています。
キデイランド、行ったかな。ふふ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?