原材料の高騰との戦い

飲食店に勤めて早い物で13年が経とうとしている。
異動で3店舗を渡り歩いたが、それぞれの時期に原材料の
値上げには立場は異なるが何度も直面してきた。

役職もない頃はあまり気にも留めてなかったが、店長という
立場になってからは人件費や原材料費、売上などの部分でも
色々考えなくてはならなくなった。

値上げしたものはむしろ殆どのものといっても過言ではない。
強いて言えば肉と野菜は時期によって大きく変動はあるけど
長い目で見れば相場自体は上がっていない。

海鮮ものであるエビ、キス、ホタテは値上がりが特にすごい。
中でもエビとホタテは全国的に品薄も相まって、ここ10年位は
異常なレベルだと業者のお兄さんが言っていた。

これらは私が入社した頃から見ると段階的にどんどん上がって
いって、仕入れ値が現在では2倍以上になっている。

年々大きいサイズから品薄になっていき、昔使っていた物より
サイズを下げたりして使ったりもしているくらいなので業者も
苦労しているらしい。

他にも東日本大震災の直後辺りでは全国ニュースにもなっていた
バター等の乳製品も値上がりは続いていて、これも次の値上がり
次第では倍近くになるのではないだろうか。

これらも相当なのだが、とんかつ屋において一番使われるもの、
それがサラダ油と小麦粉だ。

使う量が凄まじいのと、これらは実は他にも影響を与えている。
小麦粉が上がればパン粉、パンの値段も同時に上がる。
サラダ油も然りでそれらを用いた加工食品の値段も上がる。

そこに何年か前、キャベツの高騰が重なった。
この時期は過去最高に酷くて、1ザルの千切りキャベツの原価が
通常時の約5倍で1000円を超えていた。

キャベツのおかわり自由を謳っていたので、家庭でも値上がりで
あまり買えなくなった分、テイクアウトで多めに下さいと言う方も
多くてかなり大変だった。

肉の相場も安い時の1.5倍位まで上がったことがあり、うちの店は
全店舗合わせてひと月で100万円を超える肉の取引をしているため
その影響はかなりのものだ。

全ての飲食店が同じように仕入れで苦労しているので、材料の質を
下げてしまったり量を減らしてしまうことは仕方のないこと。

逆に値上げでお客様にも負担をしてもらうことも仕方ないだろう。
だが、応援してくれるファンがつかないと値上げは客離れに繋がる。

これから先もどんどん仕入れ値は上がる一方だと思う。
だからこそ景気も良くなって値上げを受け入れてもらえるような
世の中になってもらいたいものだ。

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