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Fairey Swordfish Mk.Ⅰ Tamiya 1/48 #1


1.はじめに

1-1.フェアリーソードフィッシュ

 模コン2024用に制作した九六式艦攻は、タミヤのフェアリーソードフィッシュ Mk.Ⅱの改造でしたが、並行してスケールモデル祭り(スケモ祭り)2024用にMk.Ⅰも制作していました。

フェアリーソードフィッシュ

 フェアリーソードフィッシュは、フェアリー社が開発し1935年にイギリス海軍が採用した複葉雷撃機です。鋼鉄製の翼に鋼管製の胴体、カバーは布製という単純な構造で、製造が容易だったのでMk.ⅠからMk.Ⅳまで約2,400機が製造されました。主に航空母艦における艦上雷撃機として運用されましたが、フロートを付けた偵察機としても活躍しました。主なスペックは九六式艦攻のところに載せていますが、航続距離は最大880kmであるものの巡航速度は167km/hから207km/hと低くなっていました。あまりの鈍足ゆえ、最新の対空設備では追尾できず、砲が先へ先へと撃ってしまうと言われていたそうです。
 1940年11月11日から12日に実行された、イタリアのタラント軍港空襲(ジャッジメント作戦)では、戦艦リットリオ、コンティ・カブール及びカイオ・ドゥイリオに魚雷を命中させ、大破着水させる成果を挙げました。
 また、1941年5月のビスマルク追撃戦においても魚雷を複数命中させ、そのうちの一発は、ビスマルクの操舵装置を損傷させ、舵の利かなくなったビスマルクを英国戦艦群が袋叩きにするきっかけを作りました。

フェアリーソードフィッシュ現存機

 旧式ながら第二次大戦が始まっても英国海軍航空隊の主力雷撃機として、Mk.Ⅱ以降はロケット弾を搭載してUボート狩りでも活躍しました。ちなみにSwordfishはメカジキです。当時の機体は、イギリスやカナダで数機が動態あるいは静態保存されていて、今でも目にすることができ、そのカラー画像は貴重な資料となります。

1-2.キットについて

タミヤ1/48 Fairey Swordfish No.79 Mk.Ⅰ&No.99 Mk.Ⅱ

 今までビスマルク追撃時の戦艦たちを作ってきたのですから、当然ソードフィッシュもビスマルク追撃戦時とします。このため、タミヤの1/48 傑作機シリーズ(Scale Aircraft Series) のNo.79 フェアリーソードフィッシュ Mk.Ⅰ(クリアーエディション)を使用しました。
 No.99のMk.Ⅱは販売中ですが、クリアーエディションではないNo.68は1999年発売で生産休止、No.79も2001年発売で生産休止です。また、No.71のMk.I 水上機型も2016年発売ですでに生産休止です。
翼の張線などのための純正エッチングパーツもありますが、残念ながら入手できませんでした。後から思えば、Mk.Ⅱ用を使えばよかったようですが…。

内部構造

 もちろんクリアーエディションである必要はないのですが、コクピットを作り出すと判ります。「これだけ細かく再現しているのだったら見せたくなる」と。博物館の静態保存された機体では、燃料タンク部のハッチを開いた展示もされているようです。また、内部が詳細に描かれたイラストも見つけました。
 そこで、右側はそのままとし、左側のエンジン部とコクピット内部が見えるようにクリアパーツを一部使用してみました。たまたまNo.79の未開封品が入手できラッキーでした。
 

2.制作ポイント

2-1.機体内部とコクピット

機体内部とコクピット

 細いパーツもあるので力を入れすぎて折らないように注意が必要ですが、そこはタミヤスタンダード。パチパチとストレスなく組み上がってしまいます。
 左側のパーツA9の透明にする部分(A)をマスキングし、内部は日本機とよく似たスカイが指定色なので、パーツ9と13およびコクピット部に96艦攻用に調色した若竹色を噴きました(B)。
 椅子(C)や計器類など(D)のコクピット内の細かい塗装は、あとから筆塗りしました。また、木製部分(E)も先に塗装しました。

計器類

 (A)から(D)は現存機の操縦盤の画像です。(A)が左下、(B)が左上の計器類、(C)の機体内部色の物が中央上部のコンパス、(D)は右側の計器類です。
 (E)は機銃手の後ろ(機銃の下)にある通信機が女性兵士により積み込まれている時の写真です。これら計器類は、説明書に塗分け指示やデカールもありますが、これらの資料も参考にしました。もっとも殆ど外からは見えないのですが。

2024年10月制作開始
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