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銭湯ぜんぱんの話
タダ電の効用は、今5000円までしか電気料金を防いでくれないので、結局はそれなりの費用を負担することになり、実際のところ思ったほどには安くなってないように思う。
春先になって暖房がいらなくなればそれなりの意味合いを持つのかと思ったところ、春なるものは実はもう日本にはなく、すぐさまに夏へと切り替わるようになってしまったので、これもまたミスチョイスだったのかもとか、ここ数日考えてしまっている。
暖房も冷房も使わないわけにはいかない。
寒暖の差でやられる。
ホント疲れる。
どうしても疲れたと思ったら、いや、疲れたと思わなくっても、基本最終的には銭湯へおもむくのだが、そういう終着点を特性として持っている男性としてはこの横浜、鎌倉、藤沢界隈、あるいは小田原まで含めたとした困ることは全くない。
横浜だけでもまだ限りなく存在する憩いの湯は、散策がてら出かける目的にしてもよいくらい無数にある。無数にある銭湯の数は、私にとっては幸福の数といってもよい。
先だっては鎌倉にある銭湯四つを全部踏破して、手ぬぐいをゲットした。
手ぬぐい好きにはまたこれはたまらない遊戯だったといえよう。
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労働者の多い地区はまた別格で沢山銭湯がある。
大していけてはいないが、そういうところは利用者が多く、活気があったりしてよい。入りやすかったりもする。
(しかし、あれだ。あの曙町にある、利~なんちゃらってところは、本当に銭湯なのかね? 私は入り口付近まで行って入らなかったのだが…だって周りには別種の…ああ、やめておく)
東京は別だ。
私がよく言っていたのは、渋谷の裏手にあったところと、神保町にある銭湯だ。
ランナーが使うらいしいが、知ったことでない。
ビルの下に設置されているようなところほど、庶民的でよい。
若者が住む町にこそ敢然と立っている銭湯は、地方のように消えてなくなるような場所ではない。
むしろ旗艦店といったふぜいすらある。
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外国籍の方も利用者が多い。
今後も日本を代表する憩いの場として広がっていってほしい。
いろいろと、新しいうごきとかもあるようだけれども、詳しくはないのでしったかぶりはしまいぞ。
地元福岡にも存在する銭湯だが、しかし数が限られているので、この場合は奥地にまで手を伸ばして、銭湯の代わりに温泉も含めるとしよう。
なんたる荒野か。ひろがっている。
できることなら別府まで広げてみたいが、それはおこがましかろう。
福岡では大体、鶴亀湯を所望する。
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現在は若い方も利用するようだ。
なにせ住吉神社のそばにあるからね。
大変おもむきやすい場所にある。
そうはいっても福岡の湯は減り続けている。
昨年だったか吉塚にあった湯がひとつなくなった。東湯だ。
大黒湯がまだ健在なのが頼もしい。けっして失ってはならない、と思う。
いろんな雑念解消法があれど、銭湯にかなうものはまあない。
ふらっと立ち寄ればそれですむ。
タオルなぞもいらぬ。髭を当たりたければ20円かそこらの一枚刃の剃刀をつければいい話。タオルだって借りたらいい。
あんなに快適に開放感と虚脱感の味わえる場所はない。
大阪もたくさんある。
淀川に住んでいたころ、周辺に四つか五つほど銭湯があった。
残念なことにもうそのうちに三つはなくなってしまったが、これも大阪市内に広げればまだある。
西成などは動物園前周辺にどれほどあることか。
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しかも朝から開いてたりして何の予定もないなら銭湯に浸かって、ぼんやりと外へ出てあたりの早朝からやってるうどん屋でずるずるやって泊っている安宿でもう一度寝るとかもありではなかろうかと。
昨今はサウナに入るのをサ道とかいうが、あれは本当は体に良くない。
あんな急激に温度が高い部屋に入って、冷却用の冷たい水風呂にドボンして、心臓によいわけがない。
私は申し訳ないがサウナ、嫌いだ。
それよりもだ。湯船に肩まで浸かって、のぼせそうになった上がって洗い場で休んでからまた入りに行くほうがぜったいよい。
腰悪い人はぜったい銭湯がいい。
血流的にも、腰をしっかり温めるためにも。
長々と書いたが、ここに書かれているようなことはだれでも気が付くことだから書くまでもないことなのは承知している。でもなんかいきおいで書いてしまった。
気分がのらないとき。
何かよくないことがあったとき。
むしゃくしゃしたときなど、利用されてはいかがか。
悩みは人間の特権だが、肉体に豊富な湯量が及ぼす力のほうが上な気がしている。
たぶん。
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