中学時代に通っていた塾の英語の先生
中学3年生の夏休みから、来る高校受験のために塾に通い始めた。生徒2人に先生1人という個別指導の塾だった。先生は比較的大学生が多く、生徒と先生の距離感はとても近かった。生徒は教科ごとに先生を選択することができるため、僕は何回か授業を受けて親しみやすい先生を選択した。
僕が選択した英語の先生は、授業の合間に雑談を織り交ぜてくる先生で、自身のことも話してくれた。何回か授業を受ける中でわかった英語の先生のプロフィールは以下のとおり。
①現役の大学生であり、大学でも英語を専攻している
②出身は関西だが上京して都内の大学に通っている
③お笑いモンスター
そう、彼はお笑いモンスターだった。
自分から「俺お笑いモンスターなんやけど」とは流石に言わなかったが、何回か授業を受けた僕は、「あっ、この人お笑いモンスターだ・・・」と認識していた。
なぜ僕がそう認識したのかというと、授業時間の3分の1くらいがネタ見せの時間になっていたからだ。具体的には、最近あった面白い話やモノボケを仕込んできていた。せっかくなのでその一部を紹介したい。
○外国人の友達
「この前外国人の友達がな、『おいしい店に行ったから教えてえげるよ』ってテンション高めに言ってきたから、相当な店なんだろうなと思いつつ、何ていう店って聞いたら、そいつドヤ顔で、『なか卯』の一言。いや確かに旨いけど大学の近くにあるチェーン店だしみんな知ってるわい!」
○ハロウィン
「今日何の日だ?」
「10月31日・・・ハロウィンですか?」
「そう、ほら例のやつ言ってみ」
「えーと、トリックオアトリート」
「ほれ」(スーパーで売ってる1/4カットのかぼちゃを出す)
などなど、文章にしてしまうと大したことはないが、当時中学生の僕には大ウケだった。僕だけではなく、同じ中学に通っていた友人もその先生の授業を受けており、同じ目にあっていた。
そしてそのお笑いモンスターは、極めつけに、とある宿題を出してきた。
その内容は、アメトーークのDVDを観る(特に4巻と6巻)というもの。
とうとうお笑いの宿題を出してきた。
だがお笑いモンスターの影響を強く受けていた当時の僕は特に疑問を持つことなく、レンタル可能だったアメトーークのDVDをTSUTAYAで借りて全てのトークテーマを観て、「ほんまっすか~」を口癖としていた。
(アメトーーク4巻のたいこ持ち芸人を参照されたし)
今考えれば、そんな斜め45度の宿題を出すのもおかしいし、黙って遂行する僕もどうかしていた。いや、どうかしてるぜっ!
そのおかげ(?)で、高校受験を無事にクリアしたわけだが、今度はその先にある大学受験を見据えていたため、引き続きその塾に通うことにした。
僕は大学受験の勉強を本格的に始める前(高校3年生に上がる前)までその人の授業を受けていた(その後先生は就職活動の末、別の会社に就職した)
最後の授業のときに、先生はあるものをくれた。
「これ形見だと思って」
いや、油っぽいな!!