遥か彼方。

美しさをもって賜物を作ることはできない。愛する前も後も洗い攫う。役目を終えた花のように枯れることもできずに、ただ見守り、仰いだ空に希望を灯す。勝手な願いに去り行く祈り。問題なのは色の名前じゃない、色の存在と認知。貴方が切りさって、己と比べ物にならない数を守るために殺めた残滓は抵抗をしない。それは愛ではない。貴方への愛ではなく、自分への諦めと美学。最後でさえ美しく居た。ただただ居た。これが至上の消えない美しさ。

(楊貴妃に捧ぐ)

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