話したことがない #2
執筆:Taochy
僕は浅見北斗と話したことがない。
話せる機会はたくさんあったし、これからももしかしたらあるかもしれないけれど、ない。
東京で仲良くしてくれる人たちは、え!?ないの!?といつも驚いてくれる。
大学生の僕にとっても、大阪で就職してからも、バンドを始めてからも、本気出すぞってことで退職して東京に来てからも、ずっと浅見さんは遠い存在って感じ。
大体さ、会ったからって何を話して良いかわかんねーってばよ!今更。。。
コロナの前後を比べると、ハバナイの環境も、僕の環境も大きく変わった。
ハバナイからはチャンシマさんもむつおさんもいなくなったし、代わりに後藤さんとシマダボーイ、マキノゲンさんが常駐メンバーとなった。
T.M.Pは脱ドラム化してビートを強化、ハイパーポップと出会ってVJをクロダがやってくれるようになりようやく自分たちの納得できるクオリティの楽曲・ライブができるようになったと自負している。
一方内藤さんは最近桑田佳祐のカバーをしているらしい。ナイトウサァン、、、
そしてなにより、ハバナイのライブの様子は、少なくとも僕が見入っていた2017年以降からすると大きく変わったと思う。
僕が最後にハバナイのライブを見たのは2024年1月のWWW X。
全体的なアレンジの統一感が施されていて、それぞれの楽曲がシームレスに繋がれた一本の大きな流れからなるライブスタイルとなっている。
客層も、多分あの頃いた人たちとはそこそこ変わっているんじゃないかな。
活動頻度も大きく下がって(いるように見える、水面下は知らない)、ライブも年に4回前後くらいに抑えられている。
多くのファンアカウントから、色んなフェスへの出演を渇望しているポストが流れてくるんだけど、多分そういうフェーズじゃないんじゃないかなぁ、、、と勝手ながら予想して、やはりどのフェスにも名前は載らない。
プライベートで話すオタクの中には、今のハバナイの様子に苦言を呈す人もいるけど、個人的には長い間活動していれば、流れだよなぁという意味では納得している。
ファンという目線も、自身がアーティストだという目線も持ち合わせているからこそ、憧れていた1バンドの活動にひと言言えるほど偉い立場でもないし、そこに至る本人たちしか知り得ない苦悩も多少なりともあるのだろうと、個人的に思う。
いや、持ち合わせているとは書いたけれど、僕はどっぷりアーティスト側の視点になり始めている。自覚がある。
アーティスト的視点を持ち始めた要因としては決定的な転換期があって、2023年の京都KBSホールで開催されたボロフェスタで、T.M.Pとハバナイが日にちは違えど名前が同じフライヤーに並んだんだよね。
ブッキングスタッフの連絡でこの2つの名前が並ぶと分かった時、仲のいいハバナイのオタクにだけすぐに連絡した。
(本当は絶対ダメなんだけど)(許してください🙏)
なんか、普通に泣きそうになったし、死ぬほど酒を飲んだような記憶がある。別にゴールでもないのに!
日割りとしては、T.M.Pが2日目深夜メトロのトリで、3日目の昼にハバナイ。T.M.Pのライブを見て分かってもらえるかもしれないけど、結構体力使うので次の日まで疲れが残ったり〜とかザラにあるんだけど、この日だけは出番終わって宿で寝て早起きしてKBSホールにGO!なぜだか知らんが超元気。
リハのRIOT GIRLから最前集団に突撃。モッシュピットに揉まれながらシンガロングしたものですよ。
と普通にハバナイのライブを楽しんだんですけれども、
なぜこの2日間が転換期だったかっていうと、
深夜のT.M.Pでハバナイに負けてないくらい良いライブができたんですよ!
自惚れも、ありますけどね。。
それまでのT.M.P史上でも一番盛り上がったライブができた。
最後のBlue Vibesでのシンガロングは凄まじかったなー。
それ以外にも色々な奇跡というか、辻褄が合って、深夜の3:30からのライブでこんなに盛り上がれるの本当にやばいなって思った。
ただ名前が一緒に載っただけじゃなくて、十分戦えるライブができたことが嬉しかったし、同じ土俵に立ってる、立てるんだって思えた。
ある種の決別にも近い感覚がその2日間以降ジワジワと感じられて、ようやく自立したT.M.Pが動き出せたのかなと、今は思っている。
既に書いたように、ハバナイのロングライブスタイルはあの頃のそれとは今は変わっていて、正直なところ僕はオーディエンスとしてフロアに行ったところで、あのスタイルでは自分の求める熱量を満足させられない。
実際僕と同じことを思っているオタクも中にはいると思う。
でもT.M.Pは2017年くらいの熱量を、2024年のジャンルや技術で新構築できるんじゃないかなって思っている。
ハイパーポップと出会って実際に作り始めた時に、これは同じ質感の熱量のままで、でも新しい音像を使ってフロアをジャックできる音楽なんじゃないかって胸が躍ったし、昨今のT.M.Pのライブはそれを具現化できつつあると思う。
音楽には歴史がつきまとうもので、ハバナイから吸収したライオットスピリットを自分たちの解釈で世の中に放ち、そうしてまた誰かの心に刺さればいいなと思う。僕がそうだったように。
改めておやすみホログラム、ぶっ恋呂百花さんとスリーマンできるってことなんですけれど、強めに宣言するとしたら、あの頃のハバナイ、さらにはアンダーグラウンドのシーンを超えるつもりでやらないとまずい。
おやすみホログラムに関しても、ぶっ恋呂百花さんに関しても、そもそもの出会いとか楽曲の良さとか書きたいことあるので、そちらは別で書こうと思います。
ただとにかく、今回のスリーマンを懐古的で綺麗なゴールにしたいとかは一切なくて、自分たちには自分たちの環境があって、今後も2組と楽しいことをしていきたいし、まさに今から始まるって感じなんですよ、マジで。
スリーマンから何か新しくて面白いことが始まっていくことを固く約束するので、ぜひ遊びに来てください。もうなくなってしまったクラウドサーフやリフトで僕たち3組に応戦してほしい。
Mix打て!潰しも入れろ!野次大歓迎!でもMCはちゃんと聞け!
というわけで改めて
============イベント宣伝============
2024.9.11(水)
T.M.P 『デスクトップ』リリースパーティー
DESKTOP STORAGE
東京編:3 MAN SHOW
T.M.P
おやすみホログラム
ぶっ恋呂百花
ご予約受付中:
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============宣伝おわり============
9.11(水)、下北沢近松にてお待ちしております。
ここまで書いておいてなんだけど、DeewaくんにはDeewaくんの目標や信念があるはず。あくまで僕個人としての懐古に伴う決意表明みたいな感じで読んでもらえたら嬉しいです。純粋なT.M.Pの総意ではないってことで!
Deewaくんの音楽的変遷とか、その辺も今取材している最中なので、色々楽しい形で出せたらいいなぁ。
最後に
やっぱり僕は浅見さんと話したことがないんですけど、特に困らないし、それでいいなというのが本音。
なんか、ステージとフロアのやり取りだって、言葉以外の、怒声とか表情とかで行われていたと思うし。
あの頃の東京アンダーグラウンドの渦中を遠い田舎から眺めていた大学生が、いつの間にか東京に来てその後継者のようなレッテルを掲げて、もがいている様を、いつか見てくれたら良いなぁ、ってそれだけっすね。。。
終わり!
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