見出し画像

プラスチック条約、、先延ばしか、、、

11月25日から12月1日まで韓国の釜山で行なわれていた協議の中でプラスチックが引き起こす問題をどうしていくのか、その内容を決めようとしていました。


プラスチック条約

韓国で行われていたプラスチック条約に関する話し合いが結局まとまらず中断、後日再開することになりました。今回の争点はプラの生産規制でした。プラスチックが引き起こす問題を大元の蛇口から閉めようというEUなどの各国。しかしサウジアラビアなどの原油産出国は経済的不平等を招くという理由で大反対しました。そういった国はリサイクル強化でプラスチック問題を解決する案を出しました。結果が出てないだけでまだ生産規制側に行く可能性があるようで、自分としては次に期待してます。

自分はこの数年、カメラマンとして写真でプラスチックの問題解決に少しでも力になれればと思い活動してきました。その中で感じることがあります。

全ての人に痛みのない解決方法はない

あなたと私は違う

環境問題解決は本当に難しい。意見が割れるところでいうと、身近なところでレジ袋有料化も意味がないという意見がたくさん見られるます(自分は意味がある派です)なぜこんなことが起こるのかと思えば、物の見方がひとつでないということでしょうか。プラスチックゴミの問題をどういう観点から見るのかというのもそのひとつです。違った観点から見るとレジ袋有料化は正義であり、悪にもなります。

叩かれまくる有料化

レジ袋のことを調べてみると、廃プラスチックの総量からするとわずか2%ほど。そんなに大きな影響はないように感じます。ここからは個人的な実感なのですが、日本ではゴミの回収は徹底していて、住宅街などでは特にゴミの存在を気にせずにいられるでと思います。ですが河川敷でゴミ拾いをしていると30分ほどで45リットルのゴミ袋をいっぱいに拾うことができます。その半分くらいはレジ袋だったであろうちぎれた白いビニール袋です。どんなに整備が行き届いていても、カラスに荒らされたり、収集中に溢れたゴミや、風で飛ばされてしまったものは流出することを防ぎきれません。これは誰のせいでもないからです。環境省の調べでは毎年2〜6万トンのプラスチックゴミが流出しているそうです。そのうちの2%がレジ袋だとすると400〜1200トンが流出しているということになります。でかいレジ袋が1枚10グラムだそうなので、40万枚〜120万枚の毎年流出しているということですね。(計算苦手なのですが、合ってますかね、、、)この整備された日本でもこれなので、東南アジアなどゴミ処理施設のない地域はもっとでした。そのため現在はそういった国々ではレジ袋生産の規制が厳しくされています。2019年に7.7万トンあった消費量は2022年には3.6万トンと半減しています。その差は4.1万トン。10グラム換算で41億枚削減されたことになります。まあ100均で買っちゃったりする人もいると思いますが、それでも流出量は結構減ったんではないでしょうか。

多摩川の河川敷のゴミ

野良となったレジ袋の行き先

40万枚、たった2%のうちのさらに1%とかだし、そのくらい海へ流れたって海は広いしまあ大丈夫でしょ、レジ袋要りませんっていうの面倒だし、いちいち聞く店員さんかわいそうというようなSNSのコメントをよく見かけます。簡単には反論できないのは、その代替として使われるマイバックも多くは石油由来だってことですね。しかもレジ袋よりたくさん石油使うし。ここでもどの観点で見るかで問題点が変わると思います。自分が一番問題だと考えるのはプラスチックは分解しない(1000年くらいたてば細かくなって見えなくなるけど)ということです。分解するのに時間がかかって、そのままの形で海に漂い、海洋生物に迷惑かけるくせに、いつしか見えなくなるまで細かくなるってことはもはや回収すらできなくなる厄介な性質、、、その中で添加されていた化学薬品は海へと当然溶けていきます。魚はマイクロプラを食べちゃって、お腹の中に毒素を溜めていきます。厄介なことに化学薬品は捕食者側にどんどん溜まっていく性質があるので、小魚→大型の魚→人間としっかりツケが回ってくる仕組みになっているようなんですよね。今はまだ温暖化の影響で魚が北上してしまったり量が減ったりしてサンマが高いとかそんなレベルですんでいるかもしれませんが、何十年、何百年後かの海はこのままプラスチックに規制がかからなかったら毒の海になってしまうかもしれません。そんな長生きしないからいいっていうならもう仕方ないっすが、自分は遠い子孫にもうまいマグロを(マグロ好きです)食べさせてやりたいと思っています。

2024年、渡嘉敷島の海

プラスチック条約先送りに関して

話を戻せば今回のプラスチック条約が先送りされたのはとてもとても残念でした。もし締結されていたらもちろん自分の生活にも不便が増えるでしょう。それでもやっぱり仕方のないことだと思います。便利な世の中。つまり経済が発展していくことと、環境問題は同じ天秤に乗ってしまっているのだから。でも地球はひとつ。100年後に北斗の拳(ちょっと違うか、、)の世界にならないように。

もう一個だけ。マイクロプラによる海洋汚染も大問題ですが、自分はクジラが昔からデカくてかっこいいなと思っていたので、そんなクジラが小さなレジ袋をはじめとするプラスチックに殺されるのはとても腹が立ちます。自分もプラスチックの恩恵を受けているからこそ、その大元である生産の蛇口を占める。プラスチック条約によって生産量の規制がかかることでプラスチックに依存したこの世界が強制的に変わることが必要だと考えます。

渡嘉敷島でのスキューバ体験にて


いいなと思ったら応援しよう!