映画館で観なきゃダメな映画
って絶対たくさん(本当のところ、映画は全部映画館という場所で鑑賞すべきだと思う。テレビや配信でもたくさんの新しい作品に触れられますが、いつかそれを映画館のスクリーンで観たとき、まったく違うスケールの大きさにびっくりするはず)ありますが、
この作品はまさにそう。
「見世物」としての映画に徹した、大スクリーンでこそ心に焼きつく、そんなものだと思います。
最初は多分金沢のまだシネコンがなかった頃の「映画館」で封切りのときです。
始まって数分後、グラント博士がサトラー博士の頭をぐいっと向けさせて、私たち観客と同じものを見た時、私たちも彼女と同じ顔をして(つまりあんぐり口を開けて)いたに違いない。生まれて初めて映画の役の中の人が自分の気持ちに重なった瞬間でした。
それはきっと、リュミエール兄弟の作った最初の映画、駅に蒸気機関車が入って来るところで観客が悲鳴をあげて逃げ出した時と同じくらいの衝撃でした。
以来この作品は世界中で大ヒット、続編も作られ、ユニバーサルでは人気のアトラクションにも。そして繰り返しテレビでも放映され、もちろん配信もされています。
でも最初にこの作品をテレビで見て知った人に、あの頃の私たちのような驚きを持ってあのシーンを見られたのかな?虫かごに入ってるトカゲを観察しているように見えたかも。(まあその後のレックスとラプトルの大活躍には別の意味で衝撃だったと思いたい)
2023年の「午前十時の映画祭」のオープニングはこの作品でした。それはいくでしょう。行きました。
鑑賞の10日ほど前にWOWOWで放映されました。無料配信だったのでそれも見た後の映画館でした。
これが同じ作品とは信じられないほど違っていました。
レックス初お目見えのシーンは彼女(映画の中で説明されていますが、パーク内の成獣は全てメスです。2世代目は分からないけど)が姿を現すまでがめっちゃ怖い。スクリーンだとテレビの10倍怖かった。その直後の無双シーンは悲鳴が出そうになりました。
ラプトル姉妹とキッチンでの攻防も肘掛けを握り締めたほど緊張しましたし、ラストの大見得を切るレックスも……
いろんな映画評論ではこの作品の裏テーマ(グラント博士の成長など)についてはそれこそシーンごとに本が書けるくらい語られています。私もたくさん読みました。
でも、まずは映画館で観て。それから読んで。