ヘブロンを歩く
モスクを出て歩く。ひんやりとしたモスクから灼熱の炎天下に。
あのチェックポイントの向こうに学校があるから行ってみる?きっと生徒も喜ぶよ。
舗装もされていない砂地に仰々しい有刺鉄線と回転ドアのようなチェックポイントを抜ける。その先の見える範囲にまたチェックポイントがある。チェックポイントポイントだらけのこの街。いたるところにチェックポイント。一体機能しているのかいないのか。そう思わせるほどだ。
アジア人が珍しいのか、女性の一人旅が珍しいのか歩いていると多くの人が物珍しそうな目でわたしを見る。そしてわたしは愛想良く笑顔を振りまく。
訪れた学校は日本でいうと中学校で女子校だった。女の子たちは突然の外国人訪問に大興奮で英語を喋りたいとか将来はお医者さんになりたいとか一気に畳み掛けるように話しかけてくる。
みんな透き通るような目で、それはすごく輝いていて好奇心で満ち溢れていた。彼女たちの未来はどうなっているのかわからないが、未来を夢見てそれに向かって進もうと思えること自体が本当に幸せなことなのだと実感した。
じゃあ、次の授業があるから。またね!ありがとう。来てくれて。また遊びに来てよ!!
そう言って彼女たちはぞれぞれの教室へ戻って行った。
わたしは歩いてバス停に向かう。その途中に見たものは破壊されたスーパーマーケット、草が覆い茂った使い物にならないプール、ワンダラーと言いながらじゃれついてくる子供達。10シェーケル、ヘルプミーと大声で叫ぶ物売り。
そして多くのイスラエル兵だった。
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