占領の犠牲者はあなたたちだ!PMX day1
パレスチナの音楽シーンのショーケースとなる
Palestine Music Expo
パレスチナの官公庁街ラマッラー。Grand Park Hotelで開催された。
主催者のRamiから話を聞いた。
このイベントはパレスチナの音楽シーンと世界の音楽産業を繋げることにある。
占領で虐げられ何も出来いと涙し嘆きわたし達は犠牲者です!なんて言ってられない。
犠牲者はむしろ、あなたたちよ、世界中よ!だってこんなに才能ある数多くのパレスチナミュージシャンを知らないなんて。
このイベントのいい例はTootArdだよ。世界ツアーをした。日本にも行ったし。
このイベントの目標は健全な音楽産業を作ることそのためにも世界にパレスチナミュージシャンを繋げること。
SpotifyやYouTubeでCDを出さなくても音楽は世界に届けられるし、Spotifyのサービスでパレスチナだけでなくアラブ世界のミュージシャンの名前が世界に広まった話は聞く。
昨年TootArdは日本でライブをした。東京だけでなく福岡でも沖縄でも。彼らは音楽が通行証になったと言っていた。
19時オープンの19時30分スタートと案内があったが、アラブ時間20時過ぎて始まった。
会場歩いていると、肩をトントンされ振り返るとBashar Muradだった。彼は3日目に登場する歌手でエルサレムでもベツレヘムでも4回くらいライブに行ってて顔見知りになっていた。出演しない日も遊びに来てると言う。
他にもTootArdのドラムRamiにも声をかけられフジロックやサンセットライブではあり得ないミュージシャンと観客の近さだった!
ちなみに物販ブースは1つ。CDが数種類売られているのみ。
ミュージシャンたちからもオススメされた
EL CONTAINER(الكونتينر)
パンクロックで会場も湧く!アラビア語で何言ってるかわからないけど、音とリズムがいい!そして踊れる!歌詞がわからないけど踊れるは私にとって初めて聞く音楽で好きの指標!
とにかくカッコイイ!そう思った!これはCD買って帰ります。
そしてまさかのセックス・ピストルズ!
グレンマトロック!!
パンク、ロック、音楽をあまり知らなくてもピストルズって名前は知ってる人も多いはず!かく言う私もその1人です。
急に決まったらゲスト出演。サポートメンバーはパレスチナミュージシャン!トリの前にこのサプライズ、会場を盛り上げる!
パレスチナに来ます?普通。こんな有名な人が自分メインじゃないイベント。はっきり言ってそんなに大きくないイベントに。ピンクフロイドのロジャーウォーターもパレスチナに連帯を示したり、ロック界で流行ってるのパレスチナ?って思ってしまうほど。
最早世界的?TootArdが大トリ。ゴラン高原が違う意味で世界に名前を再度知らしめた昨今。
彼らはパスポートがない。国籍がない。そこを皮肉ってレッセパッセってアルバムを作った!なんというセンス!
去年の日本ツアー福岡にいた日、わたしは彼らの故郷のゴラン高原マジダルシャムス村にいた。福岡からメッセージをくれた彼らにごめわ、今マジダルシャムスなのよ、と返信して
そんなことってあるの!
と驚きあったことが思い出された。日本だけでなく海外でもライブのオファーがある彼らの音楽は本当にビザ効力を超える通行証になった!
ありがとうございます!
Ramiは覚えている日本語と日本の思い出をたくさん話してくれて、人生の特別な時間だったと言ってた。
付け加えて、酒が美味しかったことも忘れていなかった。
パレスチナでも大人気の彼らは大トリに相応しく大盛り上がり!レッセパッセ!!会場の叫ぶ!
どこから来たの?
日本からよ!
TootArdはパレスチナで一番のバンドだよ!最高なんだ!
会場のGrand Park Hotelのバーで打ち上げ。
パスは持ってないけど、ミュージシャンの知り合いという理由で紛れ込んだ。打ち上げと言っても各々自由に飲み交流するだけで代表挨拶とかはない。
いい帽子だね!
声をかけて来たのはグレンだった。わたしが勝手にあの人は有名人だから、とラベルを貼ってただけもしくはイベント関係者と思われたのか気さくに会話が始まった。
これでしょ、エルサレムで買ったのよ。エルサレムの骨董品のお店。
素敵だよ。君は日本人?パレスチナで働いてるの?
そう。日本から。でもここは旅行してるだけ。1か月くらい。でもまさかパレスチナでグレンに会えるなんて思ってなかった!
僕もパレスチナでライブなんて思ってなかったよ。今年は日本にも行くよ!
じゃあ、日本でもまた会えるかもね!
そうだね!
相撲の話や次の日本滞在の旅程の話もした。気さくなおじさんだった。
サハ!
パレスチナの乾杯。TootArdの3人とようやく会えた喜びを分かちつつパレスチナのタイベビールで乾杯!
そしてイベントカメラマンたちとも交流を深める。知らないミュージシャンたちともサハ!
1日目を終えたアーティストたちは安堵、2日目以降のアーティストたちは感触を掴みつつ夜は更けて行く。
帰り道、深夜1時を過ぎていた。会場から宿まで歩いて20分。
途中ソルジャーに遭遇してかなり肝が冷えた。
20人はいた、列をなし皆自動小銃を抱えていた。
わたしの足は止まった。
え?どうしよ。道路挟んで目の前に兵士たち。軍靴の音。横を走る車の音。軍靴が聞こえたかは今となってはわからない。気がするだけかもしれない。
わたしは思わず進路を右に道路を渡った。素知らぬ顔して早歩きで先に進んだ。
ちなみにこれはパレスチナ軍。
これがイスラエル軍だったらと思うと恐ろしすぎる。
パーティで浮かれ過ぎないようにという天からのメッセージと捉えたい。
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