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時空の旅エルサレム

金曜日のエルサレム。民族大移動じゃないけど、エルサレムの旧市街は人の波。金曜日はイスラム教の集団礼拝の日だから昼間はアクサモスクにみんな行ってみんなでお祈りをする。その波に逆流しようとしても波に飲まれるの。サーフィンでいうセットが入ったところに突っ込むとかカレントにはまるみたいな感じ。

金曜日は午前中から雨で気温も低くて3月下旬とは思えないまだまだ冬の名残のエルサレム。乾燥するのもエルサレム。雨が上がるとすぐに石畳から水がなくなっていく。

せっかく雨も止んだことだし、エルサレム旧市街の外縁を散歩しよう!雨が埃を洗い流し空気も澄んだエルサレムを歩く。緑は水を吸って輝きを増している。所々アーモンドの花が残る木、もさもさとしたかわいい姿はオリーブの木。

石の壁、青い空、オリーブの木、石畳、その横を走る車、おしゃれな若者、カフィーヤにアラブ服のおじさん、時に黒いハットに黒いスーツ、黒ずくめの超正統派のユダヤ人、キッパを頭に乗せた少年、ヒジャーブ姿の女性、カメラを首にぶら下げた観光客。

今どこ?いつ?何世紀にわたしはいるの?

そんな気持ちになる場所。ここはエルサレム、いつの時代でも。

どうしてエルサレムなの? 

懇意にしているジャーナリストはエルサレムのダマスカスゲートの真ん前のビルにオフィスを構える。窓から見えるのはダマスカスゲートと金色頭の岩のドーム。その横にはアクサモスク。

それがエルサレムさ。みんなエルサレムが大好きなんだ。アラブ人もユダヤ人もイスラエル人でもパレスチナ人でも、みんなさ。
わたしも。わたしもエルサレムが大好き!
そうだろ、みんなエルサレムが大好き、好きすぎるんだよ。

いつだって思い出す。エルサレムに最初に着いた時のこと。ダマスカスゲートの前に立った時のこと。

ダマスカスゲートは特別なんだ。

ニューゲートもライオンゲートもジャッファゲートもあるけどダマスカスゲートはいつだって時空を超えてくる。






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