見出し画像

12月3日23時13分 ジェニン難民キャンプ

前回の記事を読んでサポートしてくださった皆様、本当にありがとうございます!
私とパレスチナ北部のジェニン難民キャンプに住むスザーンは共にアート作品を作る計画を立てています。そのための日記を綴っており、みなさまからのサポートは製作費にします。

今日、本当は日本時間の22時、現地時間の15時に電話する約束だったけど22時近くになってスザーンからテキストが入って16時にして欲しいとあった。

「今日何してた?」とスザーンが聞いてきた。
「仕事してたよ。」
「そっかー、あなたはラッキーね、私は今ダワリ巻いてる。今日もずっと座ってた。」

声が疲れていた。先週電話した時とは比べ物にならないくらいだった。電話越しに伝わるかなりの疲労。
特に大きなニュースは伝わってなかったけど。

「昨日、イスラエル軍が攻めてくるって情報があったの。それでいつでも逃げられる準備をしてたけど結局朝まで眠れず難民キャンプに攻めてはこなかったのよ。シティには侵入してたみたい。」

何事も起きてないことは何事も起きていないということではないのだ。そして前に水道管を破壊されてまだその修理も終わってないので水道もない生活をしている。いつ攻めてくるのかわからない緊張感、そしてインフラを破壊された不便極まりない生活を強いられている。軍事侵攻の真っ只中も眠れなければ、きていない時だって眠れないのだ。日々募る不安と疲労、何も思考できなくなる。

「もし今このジェニン難民キャンプに来たら、ショックを受けるどころじゃないと思うわ。死にたくなると思うよ。座って歩いている人見てみたら、みんな顔が死んでるんだもん。私たちは少しずつ死んでる。私も死んでるみたいなもの。」

私たちの会話にも沈黙が溢れる。それでもこのネットワークが繋がっていること、息遣いが聞こえることに意味があると私は思っている。

スザーンはいつも冗談ばかり言う。でも冗談どころか言葉を発するのもやっとというところだった。

「イスラエル軍が攻めてくるから食事を準備している、家の掃除もしないといけないし、早くシャワーも浴びないと、ってこれってまじでコメディーよ。これだけの話ならね、今度の軍事侵攻はすごく長いって情報なの。昨日からのはずがだから多分今日かも、もうすぐかも。でも誰にもわからない。チェックポイントを軍事車両が通過したらその辺りの人たちが情報をSNSにあげるからそこから避難しても、避難って行っても本当に安全というより、キャンプの外だからちょっとましって程度だけど。マックスで10分、その間に避難しないといけないから前もって準備してる。なんかおかしくない?」

わかってることとは言え、言葉を失くす。
それでも未来の話をして、彼女との作品を作ること、再会を果たしたい、その希望の微かな灯火を消さないようにしないと。

ここから下は大した話は書いていません。有料にしたのはそのお金をスザーンと作る作品の制作費にするためです。

ここから先は

603字

¥ 500

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

あなたがサポートしてくれた分を同じだけ上乗せしてパレスチナのジェニン難民キャンプのために使います!!子どもたちが安心して遊べる家を作ります!