ご縁ってこのこと！新手のナンパじゃなかったのね。

着物でエルサレムを歩き、悪目立ちをしていたわたし。

それでも

チャイナ？ジャパン？？

と聞かれてしまうのは日本がファーイーストでこの地の人たちにとって遠すぎて特に印象がないからなのか？日本人が着物を普段着としなくなって久しいからなのか？

旧市街をダマスカスゲートからジャッファゲートに向かおうと石畳を歩いていると少年に声をかけられた。

はーい！ジャパニーズ？たぶん、キミに会ったことあるよ。

え？そんなわけないじゃん。ナンパ？日本でもキミのこと知ってるってナンパが２０年近く前あってたし。

日本人だけど、どうして？

アッコに来たことない？僕はアッコからバケーションで来てるんだ。

アッコは去年行ったけど。

やっぱり、うちの家族行事に来なかった？名前忘れちゃったけど、日本人の女の子がお料理が好きでパレスチナ料理に興味があるって人と出会ってうちに招待したんだ。

そんな人、他にいる？え？わたし？？本当に２回目かも！ぐるぐる頭の中がアッコに逆戻りする。１年前。

I got it!!

それわたしやん！知らない人んちのおばあちゃんの一周忌だかに成り行きでお呼ばれしたんだった。こんな偶然ってあるの？スパイじゃなかろうね？と勘ぐりたくなるけど、わたしから得られる政治的、軍事的な情報はほぼない。

偶然奇遇にもほどがある！

わたしよ！おばあちゃまのアニバーサリーでしょ？そこでマクルーバを食べたわ。

そう！僕のおばちゃんはマクルーバが大好きだったから。

硬く握手する。

こんなことってあるの！パレスチナは広くない。でもエルサレムには世界中から観光客や巡礼者がやってくる。そして今はハイシーズンでいつも以上に人も多い。何より、たった１度、しかも数時間会っただけのアジア人をこの人ごみから見つけ出して声をかける。これを縁と言わずになんと言うの！わたしたちは連絡先も何も知らなかった。それこそ電話番号はおろか、facenookもインスタもツイッターも何もかも。なのにここエルサレムで会った。

今回はどれくらいいるの？アッコには来ないの？またアッコにおいでよ。お母さんが美味しい料理を作るよ。じゃあね！

去年のこと出来事が今年も繋がった。