パレスチナアラックの作り方
アラックはぶどうとアニス、それで十分だよ。
そう言って古ぼけた石造りの機械を指差す。
ここで炊いて蒸留するの、それを3回繰り返す。ケミカルなものは使わない。美味しくなくなるからね。いくら効率よくなっても美味しくなくちゃ意味がないよ。そうだろ?
話はこれくらいにして、上でお母さんが食事を作っているから食べていきなさい、アラックもあるから。
わたしたちは入り口のよこにある階段を登り2階へ行く。ドアを開けると恰幅のいいおばちゃん!ザ!アラブ!!という感じの
アフランワサハラン!よく来たね、さあ、座って。どこから来たの?お腹空いてる?お菓子あるからお茶飲みなさい。
矢継ぎ早のお菓子にお茶どうぞの声はアラブだと普通。そしてたくさん出てくるパレスチナ料理。
三つ編みのわたしに三つ編みの子供が寄ってくる。
同じ髪型だねー。
そう言うと彼女は恥ずかしがってソファーの後ろに隠れる。どこの国でも人種でも宗教でも恥ずかしがり屋のこどもがいて、隠れたりチラチラ見たり、その表情は一緒だ。わたしも人見知りだったからよくわかる。
さあさあ、飲もうじゃないか。ほらほら見て。
わたしにアラックの作り方を教えてくれたおじさんであり党首でありおじいちゃんは小さいグラスに氷を入れたものを持ってきて、しっかり見ているように言う。
透明の瓶の透明の液体であるアラック、少しずつグラスに注ぐ。
グラスに入った透明の液体は少しずつ白濁していく、それがアラック。部屋中に広がるアニスの甘い香り。
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