『三ツ矢先生の計画的な餌付け。』~リアリティにドキドキ
※ネタバレ含みます。
酒井さんがBLに出演と聞いて歓喜して見はじめて、
日本BLドラマの中でもトップ級に大好きな作品になりました。
『三ツ矢先生の計画的な餌付け。』(2024)
ドキドキした。
酒井大成さん演じる、27歳・石田友也の距離の詰め方と、
山崎まさよしさん演じる、50歳・三ツ矢歩先生。
2人のリアリティ溢れるセリフ、間、目線などなどにやられます。
カメラや演出も、2人の美しいお顔や表情の変化、声や音を捉えていて、
心地よく、安心してドラマの世界に陶酔。
山崎さんの演技の自然体な感じが、これまでのBLドラマにはないリアルさかな。ふと、首や肩、声から感じる大人の色気。
私は、酒井さんがとにかく好きで、ファン。
本当に好き。嘘がない感じ。
*
酒井さん演じる石田友也のお顔の美しさよ…。
石田の、元球児の胸板とか、ずっと走れる体力とか、体育会系の挨拶とか、それでも編集者として生きる彼の仕事面も追いたくなるし、いつもワンコなのに、回を追うごとにだんだん男の表情が出てくることに狂う。
「好きな人を忘れるため」バットを振る時の酒井くん(石田)の表情といったら…。たまんない。
恋してる男の表情に、キュンを通り越してギュン!
6話で、三ツ矢先生が「ほんまに帰るん?」って言った後の緊張感のある間と、酒井さん(石田)の表情、
「帰らなかったら?」からの力強い抱き寄せと、ひっぺがし方がもう最高。
王様戦隊キングオージャーのギラが大好きだったから、
酒井さんが恋してる演技をしている姿を見れるだけで眼福。
しかもお洒落なドラマだし、山崎まさよしさんを相手に対等に。
酒井さんの恋してる表情、戸惑ったり、迫ったりしている演技を見れるだけで、もう最高にありがとうございます。しかもBLで本当にありがとうございます!!生々しさをBLに持ち込んでくれてありがとう。
*
リアリティのある距離の詰め方が、切なくて可愛らしくて。
デートの時に石田が手を少しづつ先生の手の方に近づけて、それを横目でわかってる三ツ矢先生のシーンとかリアルで良い。
最終話で、2人ともそれまでで一番の色気を発しているのに驚き。
キャラメルポップコーンを作って食べてるあのシーンの三ツ矢先生を見て、
三ツ矢がこれまで、本当に、殻をかぶってたんだなってことがわかった。
怯えていた人だったんだと…。今までの三ツ矢は外の顔だったんだ、って。
山崎さんの、石田が駆けつけた後の、殻を脱いだ演技が…。腹を決めた動じない感じとか、「良いに決まってるやろ。」の男らしい声にドキッとして、優しい「アホやなぁ」に50歳男性の経験値の高さを思い知らされ…。
石田もこのシーンはタメ口で、距離近い感じで先生に接するの。あの最後のシーンが素敵。最後のシーンが素晴らしいドラマって、いいドラマね。
手練れだけど臆病な三ツ矢先生と、一直線ワンコの石田、こんな王道な2人に萌えるなんて…。
私にとっては、演者2人の功績が大きい。そして機微を捉えてくれる演出。
料理シーンで心があったかくもなるし。毎週、癒されました。
*
クィアの時間性とストレートな時間性は違う。だからというのもあって、歳の差があることがむしろリアルに感じることもある。
それに、料理研究家という、ある種の芸術家気質のお年を召した方が、若い子をメロメロにしてしまうって、一つの道を極めた人間だからこそできる技でもあるというか。
うろ覚えだけれど、美輪明宏さんも、80歳を過ぎても20 代の男性に結婚の申し込みされるっておっしゃっていたもの。その観点で見るとさらにリアリティが感じられて、萌えます。
セクシュアリティに限らず、年の差恋愛したことがある人たちも救われたんじゃないかな。
*
フリト(犬ちゃん)かわいいよ。
山崎まさよしさんによるドラマのための書き下ろし曲『フリト』がフルで聴いたら本当に良い曲でびっくりした。
山崎さんのことは、実は世代的によく存じ上げないので、初めてちゃんと曲を聞く機会になったんだけど、
流石芸術家、いろんなものを超越した美しさがそこにありました。犬に掛けてるのも可愛くて。
「お気に入りの道を選んで散歩に行こう」の最初のフレーズでおちた。
「君が好き〜やん」の関西弁も、同じ関西出身者としてキュンとするし、最後の歌詞は、LGBTQ +の象徴である「虹を見つけた」。
山崎さん、名曲をこの世に生み出してくれてありがとう。そしてそんな機会を作ってくれた制作陣にも!