6月某日 久々にハマったかも。大豆田とわ子
現在放送中のテレビドラマ『大豆田とわ子と三人の夫』の7話を観た。そもそも1話から見られていないし、坂元裕二脚本作品は『スイッチ』しか拝見していない私がいうなって感じだが、その壁を乗り越えても面白いと思うからここに書き留めさせてほしい。4話ぐらいのタイミングで友人に薦められ、以来見続けている。これがなんとも不思議な面白さなのである。一般に、物語とは主人公が感情を吐露し、スパークさせて話を盛り上げるのが主流だ。このドラマにはそれが少ない。たまにナレーションが入るが、主人公は気持ちをほぼ語らない。でもとわ子の感情の波はすごくわかる(気がする)のだ。もちろん役者の演技によるところは大きい。ほかに配役とのやりとりやチョイスする食事の献立、自宅のインテリア、服などに滲んでいて(当たり前だけど)、それらが積み重なり伝わってくるものがある。
そのスタイルは見る側の想像の筋肉を刺激し、鍛えてくれているようで見てて心地いい。私にとってはそこが最大の良さである。小説の行間を読んでいるような、そんなドラマ。観ている人たちの頭の中に浮かぶのはだいたい同じだけど、違う部分もきっと多いだろうという面白さ。坂元脚本のファンなら当然かもだけど、なんぜビギナーだから許してほしい。こんな丁寧な作品に出会えて嬉しく思っている。