5月某日。曇り。志賀島へ下見に
取材の下見に志賀島へ。博多湾に浮かぶ島だが、島といっても市街地とは砂州で繋がっている。海を分かつように伸びる道を車で走ると、視界の左右から波が打ち寄せる。ラジオではもうすぐ福岡も梅雨入しそうだと言っていた。
私の志賀島の思い出といったら自転車。うんと若いとき友人に誘われて20kmほど離れた自宅からママチャリをこいで向かったことがある。9月とはいえ夏本番の暑さを感じる日曜日だった。時間を持て余していた友人がご機嫌な空模様を見て思いついたに違いない。同じように暇だった私は午前中に電話をもらい、ほいほい誘いにのったのだった。島の西側の、国民休暇村の随分先まで行った気はする。途中お尻がどうにもこうにも痛くなり、引き返したのは今となっては悔しい。もう少しで一周できた。
しかしそんな体の痛みよりも強烈に覚えているのは、いくつかの生き物の死骸に出会ったことだった。カラス、鳩、亀、もう一つは思い出せないけれど、ここが生き物の住処であると知った。彼らがひっくり返ってたり、すみのほうで横たわってそのまま放置されている。それらを見てもちっとも驚かない私に「さすが田舎の子は驚かないんね」と横浜育ちである同行の友人は驚いていた。
今日は島の店で海鮮丼を昼食にした。おやつは一軒家の喫茶へ。ぜんざいはアツアツで小豆が柔らかかった。