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元文書
ことの経緯
ダイハツ工業は、2023年4月に、車両の安全性を確認する試験で不正を行っていたことが発覚。不正は、側面衝突試験において、前席ドア内張り部品の内部に不正な加工を行ったり、片方の衝突試験結果をもって逆側を代替したりするというもの。
ダイハツは第三者委員会を設置し、調査を実施。調査の結果、不正は当初公表されていた6車種だけでなく、トヨタ自動車に供給する車種も含めた64車種、174件に及ぶことが明らかになった。
ダイハツは国内外で生産中の全ての車種の出荷を停止。また、不正によって安全性に問題がある可能性のある2車種については、国土交通省にリコールの申請を行う予定。
なかなか盛大にやらかしてますね。。
読解
それでは読んでいきたいと思います。第三者委員会による調査報告書は162ページにも及ぶため、基本的には概要版を読みつつ、適宜調査報告書を引用したいと思います。
この後も散々に同じような話が出てくるのですが、、筆者はここを読んだときに身につまされるような思いがしました。
不正があることはいけないということは大前提としても、社会人なら、多かれ少なかれ似たような大変な思いをしたことはあるのではないでしょうか。
相当なプレッシャーの中で仕事をしていたのだと推察されます。
1989年から実施していたということは、発覚時点で34年経っていたということですね。。。これはもう、会社の体質として実施していました、と言われても仕方ないでしょう。
全く意味のない試験になってしまっていますね。エアバッグがECUにより衝撃を感知して動作することを確認するための試験なのに、タイマーでエアバッグが動いてしまっては元も子もありません。
調査報告書のほうには、なぜECUでの着火試験を省略したかの心境が書いてあります。
やはり納期( ^ω^)・・・。
納期が遅れるのは試験実施担当者の責任ではないのでは、という正論はここでは通用しないのでしょう。
不正はこれだけでなく他にもたくさんあるのですが、大体の理由はこんな感じです。
筆者は車の開発に携わったことはないですが、あれだけの製品を作るのですから、いろんな部品を様々な担当がそれぞれ納期を持っていることは想像に難くないです。そして、一つでもその納期が遅れると全体のスケジュールに影響し、結果として製品販売のスケジュールが守れないのでしょう。
「普通の従業員」にかかるプレッシャーは相当なものだったと推察します。
第三者委員会はこう断言します。
総論
第三者委員会の調査報告書はこれ以外にも再発防止策の提言などもあるので、興味がある方は是非読んでみてください。
従業員は真面目、トップが反省するべき点が多い、というのは、日本組織ではいろんなところで聞きますね。にもかかわらず、こういったことが多発する背景には大変興味がありますが、いい本などご存じな方は是非教えてください。