
嫁いだ娘を亡くすということ(遺品整理編)
2019年11月の話
次女が10月末に急逝して、
葬儀から戻ると11月になっていた。
悲しみに浸る間もなく押し寄せてくる現実を,
咀嚼できなければ丸呑みするしかない。
まず、マンションを11月末で引き払うので、すべてのモノをそこから引き上げなければならなかった。
娘婿は仕事をしながら一人で育児をすることは不可能なので、孫を連れて実家へ戻った。
あちらのお母さんは保育園の送り迎えなどもあり、私が1か月の間、朝から夕方までマンションに詰めて、掃除と整理を繰り返すことになった。
8年前に新婚で入居する時も、
1年前に今のところへ引越した時も、
主として私が関わって来た。
同じような作業だが、今度は天国と地獄のような正反対の状況。
そのことがいっそう辛さを増した。
次女はモノの管理が苦手で、
気を抜けば、モノの面積がどんどんと広がっていくタイプだった。
目新しい物を買うのが好きなのに、捨てない。
そのうえ、電車で1時間半ほどかかる会社に勤めていて、子供を朝に保育園に送ってから電車に飛び乗るというハードな生活。
なおさら片づけられる訳がない。
見るに見かねて、私は1、2週間に一度マンションに片づけに通っていた。
しかし、1年程前にゴミの分別のことで大喧嘩した。
ほどなく和解して、元のように実家へはよく帰って来てたが、私はもうマンションへ行くのをやめた。
娘は私にあまり来て欲しくないようだったし、
いい年した子供の世話をいつまでも焼くのもどうかと思ったし…
「モノに殺された」
引き上げのために久しぶりにマンションに踏み入れた時、そう思うほどモノが散乱していた。
整理業者に頼めば簡単に済むことかも知れないけど、それはしたくなかった。彼女が生きた証をポイっと捨てるようなことはしたくはない。
出来るだけモノを活かせる解決法はないか。
①まずは使えるものはウチで使おう。
食器やカーテン、タオルなど彼女が普段使っていたものはリユースすることにした。
②次に、少しでもお金にかえることで、何かしらの価値を与えられる気がした。
③最後に残った売れないものは寄付という形にした。
おびただしいモノと格闘している期間に耳にしたことから、一つの仮説が浮かんだ。
もしかしたら、次女は「片付けられない症候群」で、発達障害だったのかもなのかもしれない。
メーカーで貿易事務を10年こなしていたし、人付き合いも支障なかったようだから違うとも思う。
が、当てはまるところもずいぶんある。
ごみの分別がいい例だ。
怠けていたのではなくて、どうしたらいいか分からなかったのかも。
スレスレの境界型だったので、誰もが気がつかなかったのかも知れない。
それなら相当無理をしていたに違いない。
早く理解できていれば何らかの解決法はあったかもしれないと思うと悔しいが、いまさら検証して分かったところで、どうでもいいことだ。
彼女はもう戻ってこないのだから。
*************
コロナ前の情報なので、今後の役に立たないかもしれないが、自分の記録として残す意味でも一応まとめてみた。
家電:
買い取り業者に電話してみたが、8年経っているので買い取り不可。5年が限度らしい。むしろ、処分料が要ると言われた。
知り合いに事務所を持っている人がいて、冷蔵庫や電子レンジ、机などを使ってくれると言うのでもらってもらうことにした。
紙おむつ:
3日間の入院中に買った大人用紙おむつ。病院に寄付できたのかも知れないが、そこまで頭が回らなかった。外袋は開封しているので、リサイクルショップも無理。
ネット検索で県内の障害者施設で大人用の紙おむつの寄付を募っていることを探して当てた。生理用ナプキンも同様に、外袋を開けたものも取ってくれるというので、持ち込む。喜んで頂けてちょっと嬉しかった。
おもちゃ:
アンパンマンのおもちゃはリサイクルショップで売れた。カートやベビーサークルなども。
その辺りで11月末、時間切れとなり、残りは家に持ち帰った。
我が家がゴミ屋敷になりそうになったので、12月初めからあちこち調べまくった。
服・おもちゃ・ぬいぐるみなどをまとめて寄付できる団体もあるが、送料をこちらが負担しなければならないので試していない。
衣服:
「フクサポ」という送料無料で家まで取りに来てくれるシステムを見つけた。
子供服でも大人用でもよく、汚くないものならいい。
決まったサイズの段ボール箱(かなり大きめの箱)にぎっしりと詰めることと取り扱い期間が限定されていることが難点。現在コロナで休業中。
引き取ってもらえない服で綿素材のものは、切り分けてウエスにした。
使い捨て雑巾としてや油の処理などに使った。
食器:
「もったいない陶器市 One dish aide」というのを見つけた。
持ち込み、持ち帰りとも無料。
引き取り手がつかなかったものは、工場で粉砕してリサイクルしてくれる。
こちらも開催期間と会場が決まっていることと、陶器のみでガラスはダメなのが難点。
これまたコロナの為に今は開催未定となっている。
本:
「きしゃぽん 古本募金」というのがあり、5冊以上になれば家まで取りに来てくれる。送料無料。ISBNのついた本のみ。マンガや百科事典はNG。
メルカリ:
元々ヤフオクで不用品を売っていたので、メルカリはすごく簡単だった。
サプリメント、フォーマルスーツ、おもちゃ、本など何でも売れそうなものは売った。
ついでに生き方が変わり不要になった自分の本も大量に売った。
もちろん、処分したくないもの・どうしていいかすぐに判断できないものは段ボールに入れて今も保管している。
直筆の手紙や日記、写真、よく使っていたストールとか…
いつか孫娘が大きくなった時に、母が生きた証として見せてあげたい。
#愛別離苦
#嫁いだ娘を亡くすということ
#メルカリ
#遺品整理