好きなものを最初に食べるか最後に食べるか
これをお読みのあなたは、好きなものは最初に食べますか?最後に食べますか?
自分は最後に食べる派です。
きっかけは特になかったのですが、急にこのことについて考えたので書きます。
基本的には誰かに聞いた話ではなく、自分の妄想と N = 1 の意見なのでその点ご留意を。
最初に食べる派
まずは「最初に食べる派」の主張を考えてみましょう。
一つ目に「空腹のときが一番美味しく感じられるんだから、最初に食べた方がいいでしょ!」という意見があります。
たしかにそうですね。好きなものを一番美味しく感じられるときに食べる。とても納得できる主張です。
かの有名な古代ギリシャの哲学者、ソクラテスは言いました、
と。
この言葉自体は「お腹が空いてたらなんでもおいしいよね」というニュアンスですが。
次に、食べ物の種類によっては「時間が経つとおいしさが減ってしまう」という点も無視できません。
例えば焼き立てのステーキ。
どんなに良質なお肉でも、冷めてしまってはそのお味を最大限楽しむことはできません。
このように、最初に食べる派の方々は、食べ物のおいしさを大切にされているのではないでしょうか。
また、「先に食べないと無くなっちゃうじゃん!」という意見もあります。
ちなみにこれは実際に聞いた話です。
育った環境の影響とのことでした。
大家族で大皿で料理が出たときに、好きなものが人気の場合、急いで食べないと他の家族に食べられてしまいます。
そうするうちに、最初に食べる派になったとのこと。
なるほど。そういうパターンもあるのね。
他にもあるかもしれませんが、主な意見は出すことができたのではないでしょうか。
最後に食べる派
では、「最後に食べる派」の主張です。というか自分の主張です。
まずは、
「余韻が大事」
美味しいものを最後に食べると、口の中にその味が残ります。つまり、食べた瞬間だけでなく、その後も幸せを感じることができるのです。
「終わりよければすべてよし」という言葉があるように、食事の最後を自分の一番好きなもので締めることで、その食事全体の幸福度が上がります。
美味しかったという「記憶」が残ります。
また、先ほどの「空腹は最高のソース」を原義通りに理解した「好物でなくても空腹時に食べれば美味しく感じられる」というのも最後に食べる戦略のメリットですね。
あれ、意外と思い浮かばないな。
もうひとつくらい書こうと思っていたのですが、無為に文量を増やすのも良くないのでこれくらいにしておきます。
とはいえグラデーション
「最初に食べる派」 vs 「最後に食べる派」的な二項対立として書いてきましたが、争いを産みたいわけではありません。
そもそも、完全にどちらかの派閥に属している極端な人の方が稀でしょう。
一品ずつ全て食べてから次の品に進む人にはこの議論が成り立ちますが、いろいろ交互に食べていくパターンもありますし、日本ではむしろそれが推奨されてきました。いわゆる三角食べ。
どちらかと言えば前半に食べるか、どちらかと言えば後半に食べるか。
グラデーションですね。
幸福の最大値と最小値のどちらを最大化するか
というわけで、好きなものを「最初に食べる派」と「最後に食べる派」がなぜそうしているのかについて論じてきたわけですが、こちらの章の内容が一番書きたかったことです。
それぞれの思考回路を抽象化してみると、以下のように考えられるのではと思いました。
最初に食べる派: 幸福の "最大値" を最大化
最後に食べる派: 幸福の "最小値" を最大化
最初に食べる派は「一番美味しいもの」を「一番美味しく感じられるタイミング」で食べることで、その瞬間の幸せを最大化しています。
つまり、幸福の最大値を最大化しているのです。
最大瞬間風速を重視していると言い換えてもいいかもしれません。
一方で、最後に食べる派は「苦手なもの」を「一番美味しく感じられないタイミング」では食べないようにすることで、幸せが最小化される瞬間を作らないようにしています。
つまり、最悪の事態を避けています。
以上のように考えると、例えば、日々の生活を切り詰めて年に1回は海外旅行に行くという方は「最初に食べる派」に近いのかもしれません。
それよりは、週に1回スーパーですこしだけいつもより高い食材を買うことに幸せを覚える人もいるでしょう。
前者は刺激的なイベントに幸福を感じる傾向、後者は日々の安寧を求める傾向といえそうです。
とはいえ、好きなものを最初に食べる人がいたからといって、この人は刺激を求めるタイプなんだな、と断定的に認識しているわけではありません、と補足しておきます。
「最初に食べる的選択」と「最後に食べる的選択」
あなたの日々の選択は、どちら寄りのものが多いでしょうか?
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