「実験の場」をつくる「実験」。居場所、という成果。
イントロダクション
「対話」「挑戦」「成長」の生態系をつくっています、シリーズの5回目です。
ほぼ、大学生の「世話(焼き)人」のチカラだけで、半年間・11回も続いているオンラインの対話の場、ソシャり場!。
これまで、自身の運営するNPOにも何人もの大学生をインターンとして受け入れてきましたが、ここまで自律的・継続的に運営できた事業やプロジェクトはありませんでした。
正直、どんな魔法をつかってるの?と思います。
そんな、ソシャり場!の魔法使い、「世話(焼き)人」について、今回から何回かに分けて、お伝えしたいと思います。
まずは、なぜ「世話(焼き)人」という機能を実装したのか?、その理由からです。
学び続ける=インプットし続ける?
「社会課題をテーマに対話する場をつくりたい」
として始めたソシャり場!ですが、
実はもう一つ、きっかけがあります。
それは、これまでの話に出てきたアルムナイ(=同じインターンプログラムの修了者)コミュニティにされていた投稿です。
投稿の多くは、インターンプログラムを終了した学生や、既に社会人となった「先輩」たちが提供する「学び」の機会の告知で、就活やキャリアを考えるものだったり、コミュニケーションスキルを磨くものだったり様々なのですが、告知文の冒頭の多くに
「自律的・主体的に日常を歩めていますか?」
(*実際は違うワーディングなのですが、意訳しています)
といったキャッチが使われていました。
僕は、これにちょっと違和感を持っていたんです。
つまり、「自律的・主体的に歩めていないであろう」ことが無言の前提となっていて、それを解消するために「もっと学ぼう!(=インプットしよう)」と呼びかけているんですね。
勿論、その投稿(とその「学び」の機会)は、仲間や後輩たちを思う善意によるものなのですが、
「自律的・主体的に歩めていないであろう」と思うならば、
「自律的・主体的に歩める場」そのもの、つまりアウトプットによって学ぶ場を提供すればよいのでは?と常々感じていたのです。
一方で、学生や社会人になったばかりの若い世代ではその場を提供するのは難しいのも事実だろう、だからこそ、ソシャり場!をつくるにあたっては、イベントへの参加者としてだけではなく、「自律的・主体的に歩める場」をつくりあげる実践者として、
「実験の場」をつくる「実験」
をしてもらおう。そう考えたのでした。
これが、ソシャり場!に「世話(焼き)人」という機能を実装した理由です。
魔法を生んだ、「実験の場」のデザイン
「世話(焼き)人」達が、臆することなく挑戦し、実験が成功するまで失敗し続けられる「実験の場」、をデザインするにあたって、当初ほぼ唯一意識したのは
「安心・安全」であること
でした。
具体的な要素をいくつか上げると、
「議論」ではなく「対話」
「マウント」ではなく「リスペクト」
「対立」ではなく「止揚」
「何をするか」ではなく「どう在るか」
といったところでしょうか。
ただ、実はこの場のデザインにあたって何か特別な準備をする必要はありませんでした。
前出のインターンプログラムに参加している学生達は、その他多くの大学生がまだ獲得していない技術・素養・あり方を既に身につけていたからです。
いや、寧ろ彼らが体現していることを言語化していったら、自ずと上記の要素が抽出できたのかもしれません。
つい先日、彼ら「世話(焼き)人」達全員と1on1を行いました。
「あなたが「世話(焼き)人」を続ける魅力は?」
という問いに対しての、彼らの答えには
居場所。
そこに(仲間が)いてくれること自体が価値。
といったワードが含まれていました。
「実験の場」をつくる「実験」は、既知の魔法を思う存分使える「居場所」という成果をもたらしたようです。
まとめ
今回は、「世話(焼き)人」という機能を実装した理由、
そして、「実験の場」のデザインに際しては、いかに「安心・安全」を担保するか、ほぼそれのみを意識したということをお伝えしました。
次回は、「世話(焼き)人」について、「組織」という切り口からお伝えしたいと思います。(あまりに伝えたいことが多くて、うまく表現できるか自信がないんですが。。(笑))
実は、ソシャり場!には「リーダー」がいません。
なぜでしょうか?
実験はつづく
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