きみとあくびをしたいのに

きみとあくびをしたいのに
きみのこころはこっちをむいてくれない
きみと歩きたいのに
君の瞳はこっちを向いてくれない

あの人と一緒ならきっと倖せにはなるだろう
家庭におさまるのが君の望み
君の言う倖せが 幸せならそれがいちばんいいんだろうけど
思い通りに生きることが そんなにたのしいことなの?
できるなら きみと ふたり
生きてきた意味をさがしたい

きみの薬指を見たくない それは
誰にも邪魔させない力を持っているから
ふざけて抱き締めても
見えるのは 瞳じゃなく 髪だけ

帰り際いつも見えない手に胃が絞られる
シャンプーの香りだけ 淡く 残る
君が大好きだから 涙流させたくはないけれど
君はもっと”いい娘”になれるよ もっともっと
ほんとうは きみと ふたり
生まれてきた意味をさがしたい

君に逢うために 生まれてきたこと
確かめたい

1993,7,24 0:45

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