最低だ

何もしたくない。
いや、何もできない。

明日も休んでしまおうか、でも
たとえ休んだところで 何をするあても無いくせに
一日を持て余してしまうのが分かっているくせに

これほど自分が必要とされていないことがこたえるとは
自分でもおもはなかった。
明日が空いているから誰か気の通じた人とどこかに行く、ということも考えられない。

考えてみると、今まで僕は誰かと本気で気を通じさせることがあっただろうか。
本気で相手の心を取り込んで、本気で自分の心を分かってもらうことが
あっただろうか。

他人は皆他人だと思い、自分の親でさえ他人に見える。
一人として共通する感覚を持った人はいない。
それゆえに自分の内部にのみ解決を求め、
それだから自分の言葉を煮詰めることに時を費やし、
ここまで来た。

もしかしたらこれが僕の基本的な性能なのかもしれない。
他の大多数の人間がさも簡単に人付き合いができるように
お互いを尊敬しあい、互いを認め合いながら成長し、生きていく。
それすらももう僕には残っていないような気がする。

夢が叶うからと結論を伸ばし伸ばしにする世間。
今日、今だけが良ければと暇潰しに生きる人たち。
それだけは嫌だと肩肘張って生きてきたつもりだけれど、
気がつけば 僕もその他大勢といっしょである、何も変わりは無いのだと
思い知らされる。

悲しいふりをする。涙を流す。
一番嫌いな人間に今、僕がなろうとしている。

最低だ。この世の中も、なにもかも。

綺麗な言葉で飾ることの愚、あなたの一番好きな事はなんですかと聞かれても
今は何も言葉にできない。

普通の人間なら良かった。
何も気づかず、何も気にせず、気にならずに毎日を消費できる。
そんな人間に生まれていたら..
もっと楽だったろうに。倖せだったかもしれない。

誰も愛せない。誰も求められない。
誰も求めてくれない。誰も愛してはくれないのだ。

指先が震えている。 寒い。
心が今、自分のからだの中にはないと思う。
傀儡の指先がキーボードをたたいている。
人を欺くための言葉をつむぎ出している。
涙がこぼれている。
そしてその涙は決して美しくはないのだ。

1997,01,08 18:05

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