恋乙女物語

電話口あなたが 少し戸惑ってたこと
あの娘と話してたの 女のカンってやつね
友達の間でも 人気のあなただから
少しぐらいの 嫉妬は好きな証拠よね

あなたのアルバムから あの人の写真だけ破いた
昔の彼女だったって どうして言わなかったの
映画のチケット 握りしめて叫んでた
裏切られた気がする 私が子供なだけなの?

あなたの後ろを付いていくしか出来ない私だから

  純情を喪っても 独り占めしたかった
  好きになればなるほど 疑ってしまう
  抱かれてもキスしても 距離が縮まらない
  煙草とあなたの肌の匂いだけが残る


自分に何もないから 個性と叫ぶ時代だから
茶色い髪もルーズも もうありきたりでしかない
あの人と話す時に なんて無邪気な笑顔なの
気がつかないと思ってるの 気にしないと思ってるの

浮気封じのシールを あなたの電話に貼りつける
リダイヤルボタンを押す勇気はまだなくて
「私たち 付き合ってるの?」横向きながら聞いてみる
こんな問いかけ 言葉にしたくなかった

私の方がどう考えても 可愛くないんじゃない?

  純情を喪っても あなたの女でいたかった
  寝ても醒めても夢 あなたの心は遠い
  自分を偽ってる あなたの目に映る
  私の瞳も今 自分をだましている


あの人のこと心配するの もうやめて お願いだから

  あなたは大人なの? 私が子供なの?
  今どきじゃないことぐらい 私にも分かるけど
  一度ぐらいはいいんじゃない マジに好きになっても
  騙されたふりをする そんな恋なら要らない

  純情を喪っても 独り占めできないもの
  恋乙女物語に 自分で狂ってしまう
  私たちいつまで こうしていられるのだろう
  私たちいつかは こんなことが終わるのだろう

1998,02,08 01:15

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