やさしくバラードを(歌詞)

窓を開ける、閉める、また開ける。
802のDJが妙に懐かしく優しい。
新御堂の橙のライトがタイムスリップの原因らしい。

誰もナビに居ない。
あの時タンデムにはぬくもりがあったのに
今はただの空間の向こうに風景が流れていくだけ

 バスドラムの鼓動が優しいバラード
 もう30分もウインカーを使っていない

カセットがリバースに入る
ロンリーチャップリンはこんな時罪だ
ビルの間を抜け、懐かしいベイへ
生まれ故郷のようなベイへ


髪に手ぐしを前へ、後ろへ。
こっちの目じゃなく俺の手もとを見ていた
そんなにむき出しの雑草のようにゆれうごいていた

心、どこにある。
ほんとは誰にも心を許していないんじゃないか
今はただ仕事に言い訳を探しているだけ

 ユニゾンで声を重ねやすいバラード
 一人で歌うなんて考えつかなかった

雨の予感もない夜の空
1年ぶりにまた星座が回ってくる
螺旋のような時間を走りぬけ
時が戻るほど走りぬけ


もう一回しよう
窓のカーテンは閉めなかった
もう一回、しようね。
約束は、果たせると信じていた秋のはじめ
手のひらで髪を踏まないよう
もうどこにも行かない
左頬に心臓の鼓動を聞きながら
もうどこにも行けなかった

窓から見た星と同じもの
今でも同じ天に架かっている
ただあの時と違うかもしれない
もうあの時とは違うかもしれない

1996,10,07 01:58

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