willの本質について
前回、「willとは何か?」というタイトルでリクルートにおける「Will」導入の歴史について振り返りを行いました。(詳しくはこちらを参照↓)
今回はwillの本質について迫っていきたいと思います。
Willとは「意志」のこと
まず結論から。willとは「意志」であると捉えています。前のエントリーで触れた「セリアAで10番背負って活躍したい」「プロ野球選手になりたい」といった、将来的なゴール設定もwillです。ただし、willとはこうなりたいという「夢」「目標」だけではありません。
自分の好奇心や価値観、こうありたいというBeing、探求してみたいと思う気持ちもwillです。
たとえば・・・
・将来、起業して有名にになりたいという意思
・社会課題を解決したいという意思
・市場価値を高める為にとにかく成長したいという意思
・目の前の顧客の悩みに向き合いたいという意思
・他者に貢献したい、チームに貢献したいという意思
・今携わっているプロジェクトを最後までやり遂げたいという意思
・今話題の生成AIを活用して生産性を高めて時間を捻出したいという意思
・・・
これら全部Willです。自分を駆動させる「エネルギー」のようなものがWillだと捉えていただけたらと思います。
willの誤解について
willにはいくつかの誤解があります。
「wilは一度決めたらそう簡単には変えてはいけない」
「willとは立派なもの/崇高なものでなくてはならない」
「willとはビジネスの成果とイコールでないといけない」
など。
will=意志と捉えるとこれらが誤解であることが分かります。
willとはうつろいゆくものでもありますし、崇高なものでなくても構わない。「今、あなたを駆動させるエネルギーとは何ですか?」と問われていることがwillの正体なのです。
国語辞典を参照すると、「意思=何かをしようとするときの元となる心持」「意志=何かをしたい・したくないという考え」という違いがあるようです。
好奇心があり、何かをしてみようかな、という意思があり、よし調べてみよう、誰かにぶつけてみよう、チャレンジしみようという「行動」が伴って「意志」になり、Willになっていく。
前回のエントリーで、will導入時には「従業員一人ひとりが仕事を通じて実現したいこと(Will)を明らかにし、何ができるかを考える」ことが目的だったと紹介しました。
「仕事を通じて実現したいこと」というのは、仕事というプロセスを通じて、あなたはどんな意思をもって、チャレンジしようと思っていますか?ということが問われているということなのです。
リクルートにおけるwillの本質的な意味合いについて
リクルートの社内用語としてよく言われる「あなたはどうしたい?」「why are you here?」という言葉。これもまさに「意志」を問われていると解釈をすることができます。(この言葉については、現在まったく同じ言葉で聞かれることは少ないようですが、同じニュアンス・意味合いで問われることはよくあると思います。)
そして以前ご紹介をしたRecruitのValuesにある「個の尊重/Bet on Passion」。このValuesには以下のようなリード文があります。
このリード文、個人的にはとても好きですし、とてもしっくりきます。
「すべては好奇心から始まる」のであると。
そして「一人ひとりの好奇心が情熱を生み、その違いが価値を創る」のであると。そしてそこに「Bet」するのだと。
ここでは「意志」を「抑えられない情熱」と表現されていますが、会社の根幹のカルチャー、大切なものとして位置づけられていることが分かります。
だからこそリクルートではwill=意志が大事とされているのです。
リクルートにおけるwillとは、一人ひとりの「好奇心」⇒「意思」⇒「意志/情熱」=Willという構造であり、会社の根幹をなすものだと思います。