競馬文化の象徴?『テスコボーイ系』中央競馬~2022年5月14、15日開催結果~
種牡馬、父系を追う中央競馬
先週5月14、15日開催の結果から、
今回は何にフォーカスしようかと迷った挙句・・・
2週ぶりに勝馬が出現、しかも3勝を挙げた、
『テスコボーイ系』についてあれこれと。。。
『テスコボーイ系』の継承。
これこそ、2022年の今日現在、
この国の競馬に唯一感じられる?
『文化としての競馬』の事象そのもの、と思うので。。。
※父系の呼称は作成者が適当と思われる呼称を使用しています。
※以下数字は全て手元調べで公式なものではありません。
先週の出走馬は937頭。
※取消、除外馬を含みます。
その産駒達937頭を送った父は『171頭』。
(父トウケイヘイローは1頭を出走予定したものの取消で実質170頭。)
その171頭の種牡馬を父系で分類すると、『21系統』に。
まずは先週の父系の結果を。
サンデーサイレンス系とキングカメハメハ系が揃って『16勝』と圧倒的。
先々週最多勝だったRoberto系は勝利数こそ落としたものの、
勝率ではなかなかの数字。
3着内でみればそこそこの結果を残したものの、
ディープインパクト系の勝ち鞍数は、依然として低調、です。
勝率はキングカメハメハ系の半分にも達してません・・・
さて種牡馬成績。
ダイワメジャー!
産駒が20頭出走して、6勝。。。
勝率30%はダントツ。。。
さて、ここで、
テスコボーイ系種牡馬が登場。
ビッグアーサーとグランプリボス。
共に父サクラバクシンオー。
出走頭数が8頭と7頭。
しかも、共に勝馬を送って、目に留まってしまいました。。。
以下種牡馬成績を並べながら、『テスコボーイ系』話を。。。
2頭のテスコボーイ系種牡馬の産駒15頭は、
ダート戦に9頭、芝のレースに6頭が出走。
その『系』のイメージ通り、
新潟の芝直線の1000Mから、ダートマイル戦までが中心。
その他に、
ダートの1800M戦、芝2000M戦に、1頭ずつ出走しています。
・・・ここで余談。
恐らく中央競馬では初めて産駒が出走したと思われる、
種牡馬『Highland Reel』の名前が。
栗東藤原英昭厩舎のバリトンヴォイス(牡3歳 母の父Pivotal)
東京芝2000Mの未勝利戦に出走、
4番人気でしたが、11頭立ての最後尾11着・・・
サドラー、ガリレオの直系・・・なら、
今のところ、日本ではさもありなん・・・の結果でした。
この世代が初年度産駒。
欧州での状況を全く知りませんが・・・
今後は恐らく、
クールモアを代表する活躍馬がどんどん出てくるのでしょう???
閑話休題。。。
『テスコボーイ系』話に。
そのダート1800Mの未勝利戦では、
モズミツボシ(牡3歳 栗東飯田祐史厩舎)が勝利。
芝2000Mの古馬1勝クラスの平場戦は、
ラフダイヤモンド(牝5歳 栗東高橋康之厩舎)が2着。
共に父はグランプリボス、でした。
ビッグアーサーは典型的なスプリンター、
でしたが、
グランプリボスはマイラータイプ。
なるほど。。。でしょうか。
再度、テスコボーイ系話から逸れて、
種牡馬別産駒の人気分布を。
ディープインパクト、
ドゥラメンテ。
相変わらず人気を集めます。。。
以上、
1番人気の支持を受けた産駒の父は36頭、でした。
その人気と結果を絡めた独断と偏見の種牡馬評価を次に。
やはり先週1番の評価はダイワメジャーが受けるべき、でしょう。
キタサンブラック、
ミッキーアイルも高評価。。。
『0.000』可もなく不可もなく評価が続きますので以下省略。
再び、閑話休題・・・
今年の中央競馬、
『テスコボーイ系』の競争馬は、
今日現在、出走数『211』
その父は上記の2頭の他に3頭。
サクラバクシンオーは、
牡10歳馬1頭で出走は1回のみ。
サクラゼウスも、
3歳馬1頭でここまで5回出走して未勝利のまま。
ショウナンカンプは、
少ないながらもなかなかの成績で、
5頭が延12回出走で2勝。
そして、
グランプリボス産駒が延70回出走で3勝、
ビッグアーサー産駒が延123回出走で9勝。
と、
出走馬の内訳的には、
先週出走があった、種牡馬2頭でほぼ占められています。
他の主流父系に比べて、
いかにも細々として傍流に過ぎません。
ですが・・・
父系が栄えてはすぐ廃っていく日本競馬にあって、
テスコボーイ系は長くその『系』を繋いで、
その点では、実に力強く、底力を感じさせる父系、とも言えます。
細々ではあるものの、
チャンピオン馬がしっかりと次代を背負っていく形で。
その祖テスコボーイが日本に導入されたのは・・・1967年末。
63年生まれですから、当時4歳。
あの『ノーザンダンサー』と僅か2歳違い。
そして初年度産駒から皐月賞馬ランドプリンスを出し、
その後も二冠馬キタノカチドキ、
伝説の二冠牝馬テスコガビーらを輩出。
私が競馬を観始めた70年代の中頃には、
既にチャンピオンサイアーの座に。
私を競馬に導いてくれた?『TTG』のフロントランナーともいうべき、
トウショウボーイの父もテスコボーイ。
その天馬トウショウボーイは、
あの頃、内国産種牡馬不遇の時代にあって孤軍奮闘、でした。。。
80年代、父の後継馬として、
三冠馬ミスターシービーを筆頭に、
多くの活躍馬を輩出しましたが・・・
その肝心のミスターシービーが次に繋ぐことが出来ず、
この直系は本当に残念ですが途絶えました・・・
でも・・・
テスコボーイの栗毛は走らない・・・
そう謳われたジンクスを打ち破った、
サクラユタカオーが出現。
競争馬としても天皇賞・秋を勝つなどチャンピオン級でしたが、
父となって、
チャンピオンスプリンター、サクラバクシンオーを輩出。
そのバクシンオーが、
現代のテスコボーイ系を支える屋台骨、
として系譜を繋いでいます。
テスコボーイが初めてチャンピオンサイアーになったのが、1974年。
今年で48年。。。
ほぼ半世紀の間、父系を繋いでいます。
あの頃、
往時のチャンピオンサイアー達の父系は・・・
ヒンドスタンも、
ネヴァービートも、
ガーサントも、
チャイナロックも
パーソロンも、
(・・・しかし突然、パーソロン系3歳馬が中央競馬に出現しています。
このことについては、改めて機会があれば・・・)
アローエクスプレスも、
そしてあの、ノーザンテーストも、
リアルシャダイも・・・
私の知る限り、
トニービン以前の
日本競馬の代々のチャンピオンサイアーの系統は、
今では全て直『父系』としては存在していない筈・・・?です。
(・・・どこかの国で繋養されているのでしょうか?)
例外は『テスコボーイ系』のみ、なのです。
ディープインパクトのように・・・
テスコボーイ系の種牡馬達が、
揃って大生産者グループから後押しを受けた、様には思えません。
テスコボーイの父系が今も繋がっているのは、、
人(生産者)の努力の賜物・・・とはとても思えず、
他のチャンピオンサイアー達のその後と比較する限り・・・
恐らくは、
始祖テスコボーイの持つ、『血の力』と呼べるもの以外の何者でもない、
愚考はそこに辿りつくのみ、です。
もちろん、
日本競馬との相性の良さ、
その他にも様々な要因が絡み合ったうえでの結果、
には違いないでしょうが・・・
としても、
サラブレッドは自然繁殖する生き物、ではありません。
人がその血筋を管理して系譜を繋ぐもの、です。
人が時間をかけて、その伝統(血筋)を伝えて(繋いで)行くもの。
それは『文化』そのもの、に違いありません。
今のところ、それは『人』にしか興しえないモノ、です。
たとえ人の努力や工夫ではなく、
奇跡的な偶然の産物、であったとしても、
『テスコボーイ系』の継承は、
唯一日本競馬において『文化としての競馬』を体現しているのでは、
と、思わざる得ません。
グランプリボスとビッグアーサー。
次にバトンを渡す一頭を出してくれるでしょうか・・・
・・・厳しい状況には間違いありませんが、
何とか出て欲しい。。。心の底からそう願います。
そして、
現代のチャンピオンサイアー族である、
サンデーサイレンス(ディープインパクト)、
ミスタプロスペクター(キングカメハメハ)。
この二大父系も願わくば、
50年と言わず100年も続く『父系』でありますように。。。
もしそうなったら、
競馬はもう立派な、文化、に違いありません。
・・・しかし悲しいことに、
私にはそんな時代を実感することは叶いませんが。。。
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