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独学で世界観のあるレタッチにするには?

前提とゴールの確認

前提:RAW撮影していてレタッチをしている人向け
   RAW現像はライトルームを使います。
   レタッチを前提として写真を表現している人の話

ゴール:レタッチの意味と 
    あなたのコンセプトに合わせるにはどうしたらいいかを解説

・そもそもレタッチとは何なのか?

スクリーンショット 2020-05-20 17.22.45

デジタルでのRAW撮影が一般的になった今
レタッチは欠かせないものになっています。
その役割としては 
最終的に自分の理想の表現に近づける為の手段の一部です。
(何故、一部かというと他にも方法はある為。ここでは割愛)

料理(カレー)に例えるなら 
撮影で素材を揃える レタッチは調理をする」です。
(以後カレーで例えることが多いです。)

スクリーンショット 2020-05-20 16.30.06


・撮るとレタッチの作業比率

コンセプトにあった写真を表現として行うには
素材、調理どちらも大切です。

写真も同じで撮るとレタッチでセットで初めてよい作品ができます。

その比率の目安としては

スクリーンショット 2020-05-20 16.33.51


撮るまで:レタッチ=8:2 です。(当社比)

ただ料理でも同じですが、素材として新鮮な野菜や魚が大切なように
写真でも素材がとても大切です。
腐った鯛を調理したところで美味しい料理はできません。
素材が新鮮じゃないと(=撮る時の完成度)がないと
いい料理はできません。
撮って出しの状態で8割完成、2割でさらに完成度上げるというイメージです。

これがレタッチ5割くらいで考えておくと経験上うまくいきません。
(合成前提のグラフィックデザインや特殊加工系は除く)

特に光、被写体の動き関連、構図は現場でしかどうにもなりません。

いい素材を揃えて、最適な料理がベストです。

・JPGでは不十分な理由

撮って出しで8割完成させるならJPGでもいいじゃないかということになります。しかし、コンセプト的に撮って出しで完成としているならそれでいいと思います。ただ、自分の色を作っていきたいなどの場合は別です。

スクリーンショット 2020-05-20 16.41.42

JPGでの撮影の場合は、カメラの設定で現像したものになります。
いわば既に味付けされたカレーです。
そこからレタッチするということは既にできたカレーにスパイスを足していくことになります。
好きな味に寄せることはできても完全に思い通り作ることは難しいです。
なのでRAW撮影してレタッチをお勧めします。

・あなたは何に注力すればいいのか?

ポイントは2つです。

1つ目ははご自身のコンセプトの言語化をする。  

※(コンセプトの確立についてはこちらの記事

ご自身のコンセプトに沿ったワードを1つでも2つでも言語化します。
それは、「フワッとした感じ、フィルム調、かっこいい感じ」 などです。

大切なことなので何回を書きますが、

言葉にできるってことは自分の中で客観的に整理された状態である

そして言葉にできれば、シンプルに言葉に対しての行動が決まります。

※ワードに対応した作業を行う(図参照)

スクリーンショット 2020-05-20 16.41.17

ワードが出ればやることは機械的に決まります。
あとは数値の調整の組み合わせだけです。

2つ目は、「理想のイメージに近い画像を横に置いてレタッチする」です。

独学での「最短の上達のコツは真似をすること」です。小さい頃お習字の授業があった方は思い出してください。
必ずお手本を横に置いて、お手本通りに書いてみるところがスタートだったと思います。このやり方が継承され続けるのには理由があります。

「学ぶ」は、「まねぶ(学ぶ)」と同源で、「まねる(真似る)」とも同じ語源から来ています。

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                     ※いつかのタンザニアでの写真

・レタッチ前提での撮影で気をつけること

シンプルに1つです。
「撮影とレタッチでできることの境界線を決めておく」

撮影の時に修正しておいた方がいいこと
・光
・背景とのバランス、構図、全体の色数
・モデルさんの動きや表情
・風や衣装の動き
・色をしっかり出す、白飛び、黒つぶれNG
・前ボケやフレアや玉ボケなどのバランス

レタッチでもできそうなこと
・彩度を下げる
・メイクの細かい乱れを直す
・小さな傷やしみの修正
・人物後ろの看板消す

大切なことは 自分がレタッチでどこまでカバーできるのか
作業時間やスキル込みで把握しておくことです。レタッチで何とかなると思っていたけど現場でやっておいたら3秒で解決なんてことは沢山あります。

現場で最低限ここまで抑えておけば
大丈夫という目安を持つことがポイントです。

自分(Thom Yoshida)の場合

全体の7割がライトルームで残り2〜3割りは別のツールです。

ここで大切なことは完成品の媒体とサイズがいくつかを確認しておくことです。

WEBのメイン用なのかSNSレベルなのかマット紙印刷なのかを媒体の特性を把握した上で確認して、「逆算してレタッチする」ことです。(印刷の話は今回は割愛)

完成系と同じサイズもしくはそれ以上でレタッチは行うことです。A3で印刷するのにスマホでレタッチすると大体細かいところにアラが出ます。(よく展示などで見かけます。)小さい画面でやるにしても完成系と同じ倍率になるようにして見ることが大事です。

自分の場合のレタッチ手順(SNSなどの場合)は以下です。自分自身のコンセプトから色味の傾向など全て決まっています。そうすることでインスタ などに並んだ時に統一感が出ます。さらに撮影状況とセットでプリセット化しておけば次の撮影の時にも応用が効きます。またそれ自体がブランディングやオリジナリティにもなります。(ここの話は別途)

・全体のトーンや色味を作る(トーンカーブ)
・コントラストを調整
・肌ベースで露光量調整
・彩度、周辺光量や陰影の調整
・明瞭度やシャープなどディテール
 (ここまでライトルーム )

スクリーンショット 2020-05-20 17.39.41

数値とかこんな感じ。

スクリーンショット 2020-05-20 17.38.45

そして、フォトショや別のツールで細いところを

スクリーンショット 2020-05-11 0.23.34

細かい修正をするときのポイント (Before→After  左→右)
・視線誘導を考慮すること=画面の中で一番目が行く場所を決める
・コンセプトに合わない余計な情報を消す(ビル、ゴミなど)
・人物の後ろはスッキリさせると表情にフォーカスが当たる


画像10

完成形です。

まとめ

・自分の理想の表現に近づける為の手段の一部
・料理に例えると「撮影で素材をレタッチで調理」
・コンセプトの言語化をしてワードに対するレタッチを行う
・「撮影とレタッチでできることの境界線を事前に決めておく」
・コンセプトをベースで自分のパターンを持つ

ここまで、ご覧頂きありがとうございました。
Thom Yoshidaでした。


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Thom Yoshida @撮影師&ビジュアルブランディング講師&言葉にできないセンスの分析家
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