中小企業診断士の資格の意味
公認会計士、司法試験、税理士などと異なり、中小企業診断士には独占業務が無い。そして、別に中小企業診断士の資格がなくてもコンサルティング業務はできる。そのため、幅広い知識があることの証明としてしか使い道は無い。しかも、US CPAと異なり、グローバルでも全く認知されておらず、日本独自資格となる。しかも、公認会計士はベンチャーCFOやPEファンドへ転職する人もいるが、中小企業診断士ではそれは無理だろう。
そのため、優先順位としては、公認会計士やUS CPAよりも下で良いと思う。公認会計士を取得すれば、必須科目で会計・財務、選択科目で経済学または経営学を学習できるため、残りをちょろっと勉強すれば合格できるかもしれない。ただし、科目数は非常に多く、趣味の世界かもしれない。経営学、経済学、財務・会計、運営管理、経営法務、情報システム、中小企業政策と、かなり幅広い知識が必要となる。企業経営において必要な知識は一通りそろう感じだ。
上記で一番重要な科目は、財務・会計だと思う。これは、会計学と財務(ファイナンス)という意味だ。管理会計の対義語の財務会計ではない。ファイナンスも学んでおけば、金融機関などへの就職に際して知識を活かせるだろう。
ただまあ、本当に、名誉資格みたいなものだ。MBAよりは安いかもしれないが、学んだ内容を英語で話せないとグローバル企業では活躍できないので、余裕があればとるくらいで十分だろう。資格や勉強マニアの弱点は、「不足する知識」「苦手分野」を猛勉強して、強みを伸ばせないことだ。今は、一点突破型の人材のほうが年収は上がりやすい。中小企業診断士は、知識網羅型の資格であることが弱点だ。