トランプ関税の影響は?(経済)

ドナルド・トランプ氏は、大統領選挙に勝利した。トランプ氏は関税の大幅な引き上げを主張している。時折、発言にブレがあるものの、だいたい一貫しているのは以下の内容だ。

中国製品に対する関税: 最大60%の関税を課す。
他国からの輸入品に対する関税: 原則として10%から20%の関税を課す。
メキシコから輸入される自動車に対する関税: 200%の関税を設定する。

トランプ氏の主張

これは、日本企業も大ダメージを受けることが予想される。日本企業が中国に工場を保有し、中国からアメリカへ輸出している場合がある。そのパターンだと業績悪化は必至だろう。また、自動車メーカーは、NAFTAの恩恵もあるので、メキシコで製造してアメリカに輸出している場合がある。このパターンでも大ダメージだ。

ただし、この関税のポイントは、「中国が最もダメージを受けて、他の国は10-20%の関税にとどまる」ことだ(メキシコの自動車は除く)。そうなると、短期的には東南アジアの製造業に強い国(タイ、ベトナムなど)は、アメリカの関税上昇でダメージを受けても、数年後には中国からの工場移転(チャイナリスク回避)でむしろ経済にプラスになる可能性がある。これは、さすがにプロの経済学者ではないので私は予測できないが。

日本のグローバル製造業は、おそらく、次のどちらかの対応を迫られるだろう。
・アメリカ現地生産を増やす
・中国の工場を他の新興国に移す

日本の工場がアメリカ現地生産に切り替わる場合、状況は深刻だ。GDPというのは、あくまでも「純輸出」は成長に貢献するが、「現地生産の利益」は無関係である。現地生産の利益が関係するのはGNI(国民総所得)のほうだ。ただ、こちらは海外現地法人に駐在できるハイスぺか、現地生産で利益が増える企業の株式を持っている人にしか恩恵は少ないだろう。

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