SAPの独学が極めて難しい理由
SAPとは、ドイツにグローバル本社がある、世界最大のERPパッケージベンダーだ。SAP以外では、OracleやMicrosoft、Inforがあるが、SAPのシェアは世界一である。特に製造業で強い。
AWSなどは、独学コンテンツがそのへんに転がっている。YouTubeでも、個人のWEBでも、Qiitaというアプリ(コミュニティ)でも、学習できる。
しかし、SAPは、基本的なカスタマイズは勉強できるものの、応用のやり方は、公開情報では勉強できない。それは、SAPの具体的な構築方法はクライアント企業の業務プロセスと密接にかかわるため、機密情報となり、公開できないからだ。
AWSであれば、具体的なアーキテクチャがそのへんに転がっているが、SAPの場合は、例えばトヨタのカンバン方式をSAPで実現などと具体的に説明してしまうと、どこの会社か推測できてしまうのだ。それは、非常にマズイ。最悪、逮捕される。
そのため、SAPは実務経験をつむ以外に、学ぶ方法は無い。自宅にSAPを構築してもいいが、何百万円もするだろうから、そんな無駄なことはやめたほうがいいだろう。
もし、ITエンジニア(ITコンサルタント)を目指すならば、こうした理由から、SAPはオススメだ。AWSはサブで勉強しても良いだろう。
ちなみに、AWSもSAPも、基本的な枠組みはベンダーが提供してくれているので、昔ながらの自分でゴリゴリ構築したいエンジニアには面白くないかもしれない。もちろん、両方とも開発環境(プラットフォーム)は用意されているので、そこでゴリゴリやれば良いだろう。ただし、SAPはアドオンは非推奨であり、自分のやりたいように自由にできるわけではない。アドオンをやるにしても、クライアントの業務要件に合わせて開発するだけだ。
話が脱線しているが、最近のエンジニアが、仕事に面白みを感じない人も増えているのは、これが原因かもしれない。自分でゴリゴリやりたいならば、副業でモバイルアプリでもつくれば良いだろう。