なぜ医学部よりも東大が選ばれるのか?論理的に考察する(経済学、心理学)
医学部に進学し、医師国家試験に合格し、医師になれば、東大卒業生よりも高い年収がもらえる。しかし、エリート受験生は医学部よりも東大を選ぶ。なぜ、こんなことになるのか?論理的に考察する。
情報の非対称性
経済学においては、人間は合理的であり、必ず自分の利潤を最大化する行動を選択することが前提とされている。しかし、ミクロ経済学の情報の非対称性という概念は、その例外だ。情報はみんなが平等に持つわけではない。身近に医師がいれば、医師が超高年収というのはわかりやすいが、そうでなければわからないこともある。これは、株式投資においてもそうだ。インサイダー取引は犯罪だが、全ての公開情報を認知する人が存在しないのも事実だ。そのため、儲かる株式が放置されることもある。
同調圧力
開成高校では、東大に合格して当たり前なので、おそらく、東大を受けることが当たり前という雰囲気があるはずだ。広島で広島カープ以外を応援したり、名古屋で中日ドラゴンズ以外を応援するとかなりヤバイのと同じだ。このあたりは、山本七平の「空気の研究」に詳しい。
田舎を忌避する感情
もともと田舎に住んでいる人は、地方国公立大学の医学部へ進学することをためらわない。私の住んでいた三重県の自称進学校からは、僻地の国公立大学医学部へ進む人もいた。つまり、下手に東京の進学校だと、地方の自称進学校よりも医学部へ進学しづらいことになるのだ。首都圏にも医学部はあるが、東京医科歯科大学、千葉大学、横浜市立大学などはそれなりに難関だ。東大理科一類ほどではないにせよ、かなりの難しさだ。それを回避して田舎の医学部で6年間も過ごすことに耐えられない人も多いだろう。だが、逆をいえば、6年間我慢すれば超高年収になれる。6年間は「我慢料」だろう。
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